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ピアニスト・大井健がプロデュースする「ワイン×クラシック」コンサート 試食&ワインセレクト会に潜入!

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大井健

大井健

 

ピアニストの大井健が2020年8月30日(日)に、eplus LIVING ROOM CAFE&DINING(東京都渋谷区)で、ソロコンサート『大井健 Presents ワインとピアノ 極上のマリアージュ』を開催する。6月に個人事務所「OnConcept」を立ち上げてから初となる単独公演は、「以前から興味を持っていた」というワインと音楽を融合したステージ。会場では、ドビュッシーやラヴェルなどの名曲とともに、この日だけの特別メニューと、大井がセレクトしたワインを味わうことができる。

コンサートは、好調な券売を受けて8月20日(金)には、18:30からの、追加公演を発表。通常150席の会場を63席に減らして行うマチネ公演からさらに、人数を限定して開かれる夜の部では、オリジナル曲の演奏も予定している。大井は「(コロナ禍で)イベントを開くことがなかなかできない中、特別な料理とワイン、音楽を楽しむことができるプレミアムな空間を用意していただくことができました。普段の2、3倍の濃さの音楽を届けたい」と意気込んでいる。マチネ公演は、イープラスの配信サービス「Streaming+」でも視聴できる。

8月某日、コンサートを行う店内で、当日サーブされる料理を試食しながら、大井自身がワインを選ぶ時間が設けられた。

※ワインはイメージです。まだセレクト中です、当日のお楽しみに。

※ワインはイメージです。まだセレクト中です、当日のお楽しみに。

■配信を活用しながら、独自のスタイルを貫ける公演を

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大規模なイベントの開催は2月中旬ごろから自粛が求められるようになった。3月に入ると感染防止の観点から、公共施設やホールが休館することを発表。イベント活動の継続が困難になり、エンターテインメント業界は大打撃を受けた。

大井自身も3月上旬に、ピアノデュオ「鍵盤男子」として神奈川県内で行ったステージを最後に、控えていた20以上のコンサートが延期や中止に。政府が4月7日(火)に、緊急事態宣言をした後は、音楽仲間の間で「今年はもう活動ができないのではないか」と危機感が高まり、頭が真っ白になったという。

「ピアニストは、この世を去るときに『あれもこれも弾きたかった』と思いながら生涯を終えると聞いたことがあります。『自粛期間は、レパートリーを増やすチャンスだ』と前向きに捉え、練習に打ち込んでいました」と振り返る。「不穏な空気に飲み込まれぬように」と一人で鍵盤に向かう中で、「人前で表現できる日が来るのだろうか」と落ち込んだ時期もあった。

 

ウィズコロナの時代。長く再開できないのではないかと危惧していたコンサート活動に光が見えた。それは3密を避けながら音楽などを楽しむことができるオンライン配信サービスだった。大井は、いち早くこの形式を導入した、イープラスの「Streaming+」を活用しながら、自分のスタイルを貫くことができないかと模索。「クラシック好きには、ワインが好きな人が多い」と着目し、曲をイメージしたワインに舌鼓を打ちながら、自身の演奏に耳を傾けてもらう食事付きのライブと、その様子を配信する2本立ての公演を開くことを思いついた。

■料理長渾身のクラシカルなメニューと作曲家のキャラクターに合わせたワイン

試食&ワインセレクト会では、eplus LIVING ROOM CAFE&DININGの福田料理長が演奏される曲目やワインに合うようにと考え作成した料理が、所狭しと並べられた。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

普段はカジュアルな食事を提供する同店だが、前菜からサマートリュフやキャビアなどの高級食材を用いたメインディッシュ、チーズ、デザート。さらに、料理長お手製の練乳入りのパンまで、公演のために考え抜かれた逸品がずらり。テイスティング用のワインは、国内最大手のメーカー「メルシャン」(東京都中野区)が曲からイメージをふくらませたシャンパン、白ワイン、赤ワインを用意。「お酒の中でもワインが一番好き」という大井は、「楽しみです」と期待に胸を膨らませていた。

 

冒頭では、福田料理長がそれぞれの料理について解説。前菜の鴨胸肉には、キャラメルとニンジンを使ったビガラードソースを合わせるなど、「クラシック音楽に合わせ、古くから親しまれているフランス料理を主軸にした」とこだわりを語った。「見た目にも楽しんで欲しい」と食用の花を用いるなどセンスがきらり。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

福田料理長の説明にうなずいていた大井は「びっくりするくらい、僕の好みに合っています」と絶賛し、「ここでは何度かライブをさせていただいていますが、今回はクラシカルなメニューなので、お客様にはその変化も楽しんでいただけると思う」と自信を見せた。

 

 

 

「趣味で料理をする」という大井は、前菜の鴨肉が低温調理されていることを知ると、福田料理長に「どんな調理器なんですか?」と質問攻めに。同じ皿に盛り付けられた「イクラとサーモンの南仏冷製パスタ」は、「自分でも作ってみたい」と料理好きの一面を見せた。

 

福田料理長渾身の鴨肉を口に運ぶと「これは、シャンパンが進みますね」と笑顔に。自宅では、ワインを飲むことを想定した料理を作ることもあると言い、「牛肉の塊を買ってきて、赤ワインで煮込みを作ることもあります。ストウブ鍋を持っているので、簡単にできちゃうんですよ」と話すと、女性スタッフから「すごい!」と声があがっていた。

 

シャンパンに続いて試した白ワインは、ラヴェルとドビュッシーをイメージしたもの。「ラヴェルは緻密でエレガント。ドビュッシーよりも原色なイメージ」とMCさながらに語る大井の感想に聞き入る一堂。ホールには「月の光」など、当日演奏する曲が流れ、大井は「贅沢な時間ですね」と目を細めていた。「月の光」をイメージしたワインは決まったが、ラヴェルの候補は迷っているよう。「ゴージャスなものに」というワインが何になるかは、当日のお楽しみになった。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

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「ことしはサマートリュフの当たり年」と語った福田料理長が、メインの肉料理に用意したのは「牛ももロティ 赤ワインソースサマートリュフ添え」。歌手のエディット・ピアフを讃えた、プーランクの曲に合わせたブルゴーニュのワインは「しっかりと渋みがあって、ソースにもワインを感じる料理にぴったり」と食通の大井をうならせた。

 

最後に試飲した赤ワインは、最高級のカリフォルニアワイン「オーパス・ワン」を手がけた、ロバート・モンダヴィが大切な人と飲んで欲しいと生み出したもの。バーボン・ウイスキーを寝かせていた空き樽に、赤ワインを入れ3カ月間熟成させた一品は、バニラやオークの香りを楽しめる異色の味わい。ルビーのような色を確認した後、口に含んだ大井は「本当だ!!!びっくり!!不思議!!!」とモンダヴィの魔術に目を丸くしていた。ワインは同じアメリカで生まれたガーシュウインをイメージしたもの。スタッフ全員が「おいしい」と太鼓判を押すと、「これは決まりですね」と即決。「酸味があるものとも相性がよさそうなので、デザートにも合いそう」と満足そうだった。

 

 

約1時間半をかけて選んだワインについて大井は、「作曲家ごとにキャラクターが違うものを選ぶことができました。料理とのマッチングも素晴らしいので、当日を楽しみにして欲しい。僕もわくわくします」と顔をほころばせた。「将来は、ブドウを踏みつぶすところから始めるワイン造りにも挑戦してみたい」とどんどんアイデアが膨らんでいくよう。

※写真のお料理はイメージです。実際とは異なる場合がございます。

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試食&ワインセレクトを終えた大井に話を聞くことができた。

■「クラシックは難しい」という概念を取り払いたい

3歳の時に、ピアノ教師を務めていた母の手ほどきを受けて以降、クラシック畑で過ごしてきたという大井。進学した音楽大学はもちろん、周囲は音楽人ばかり。「世界はクラシック音楽でできていると思っていた」と苦笑いする。「井の中の蛙だった」と視野の狭さを反省するが、唇をかむだけでは終わらない。ピアノと共に歩んできたからこそ分かる、その魅力を伝えたいと気を引き締める。

 

「あるとき(マルタ)アルゲリッチが、『歌詞のない音楽をどう捉えればよいか』という問いに対し、『歌詞(言葉)がないから、(奏者は)感情の赴くままに表現をすることができるし、聴き手もそれを柔軟に解釈することができる。歌詞がないからこそ、その想像力で解釈が広がっていく』と答えたそうです。喜怒哀楽をピアノ1本で表現する奥深さに改めて気づかされました」。

クラシックは難しいという固定概念を取っ払いたい。「僕はSpotify(デジタル音楽配信サービス)を利用しているので、日常ではクラシック以外の曲を聴くことも多いです。例えば朝はポップス、帰宅後はジャズ、カフェでゆっくりしたいときはアンビエントな曲など、そのときの気持ちに合わせてプレイリストが変わる。そんな気軽な感覚で、みなさんの日常の中にもっとクラシック音楽が響くように尽力したい」と思いを込めた。

 

新しい生活様式の中で生まれた「Streaming+」に初めて触れたのは、「地下鉄の駅のホームで電車を待っているときだった」と話した大井。「スマートフォンがあれば、視聴する場所はどこでも大丈夫。その気軽さに驚きました。お家でお気に入りのワインを用意していただければ、友人などと囲むダイニングがLIVING ROOMに早変わりする。ぜひたくさんの人に、楽しんで欲しい」とPRした。追加で決まった夜の部では、「昼公演の音楽と、今日いただいたワインから着想を得た、オリジナル曲も披露したい」と目を輝かせた。

取材・文=Ayano Nishimura 撮影=寺坂ジョニー

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