GLAY、10/3開催「PREMIUM ACOUSTIC LIVE Vol.04 LIVE at HOME」のライブレポート到着
10月3日、工学院大学新宿キャンバスにて「GLAY app Presents PREMIUM ACOUSTIC LIVE Vol.04 LIVE at HOME」が開催された。
GLAYのTERUがたった1人で自宅から最初の弾き語りライブ配信を行なったのが、まだ非常事態宣言中だった6月8日。5月に予定されていたナゴヤドームと東京ドームの公演が中止となり先が見えない手探りの状態から、無観客の配信ライブを自宅からお届けするというコンセプトでスタートしたのがこの配信ライブだった。
規制の緩和とともに場所やメンバーを変えつつ、7月はTAKUROと故郷・函館のスタジオ、8月はHISASHI&DJ Massと湘南のヨットハーバーと、回を重ねるごとにアレンジや演出にもこだわり、ライブとしての完成度を高めていった「LIVE at HOME」。
Vol.04では、GLAYのベース・JIRO、サポートメンバーのドラム・TOSHI、ピアニスト・村山☆潤(FLOWER FLOWER)、さらにストリングスのカルテット(1stヴァイオリン・島田光理、2ndヴァイオリン・金子由衣、ヴィオラ・青柳萌、チェロ・大浦萌)というLIVE at HOME史上最多のゲストミュージシャンとともに、一夜限りの豪華な配信ライブを行なった。
オープニングアクトは、ストリングスのカルテットによるGLAYのヒット曲カバー。「HOWEVER」「BELOVED」「グロリアス」「口唇」「ずっと2人で…」など、GLAYの代表曲を弦楽アンサンブルでカバーするという豪華な内容で、途中からは村山☆潤もピアノで参加、約45分間にわたる演奏で盛り上げた。
SEとともにメンバー紹介映像が流れると、ステージにはすでにメンバーが登場しており本編がスタート。今回のライブのためにクラシカルにアレンジされたGLAYの名曲の数々を、フォーマルな衣装のメンバーたちがクラシカルに演奏した。冒頭からTERU作詞・作曲の「MAD BREAKER」「傷だらけの太陽」に続いて、JIRO作曲の「Scoop」とハードなナンバーが続く。
GLAYのライブでも見られない貴重なアレンジは、TERUと村山☆潤が今回の配信ライブの2ヶ月前からデモ音源を作成して準備を進めてきたもの。前日にもゲネプロを行ない演奏面も入念に作り込んだ。 演出面もTERUとスタッフがアイデアを出し合いながら、こだわり抜いて作り上げている。会場の可変式の壁が巨大なスクリーンとなり美しい映像を映し出す一方、秋の紅葉をイメージした飾り付けや手で動かしている照明は手作り感が満載でTERUのイメージする世界観が凝縮された空間となっていた。
「配信ライブを4回やってきて、本当に仲間に恵まれているなと思いました。今回も素敵な仲間たちが集まってくれました」とTERUがあらためてメンバー紹介すると、JIROは「リーダー(=TAKURO)!HISASHI!見てる~!?」とカメラに向けて手を振り、なごやかな雰囲気に包まれる。
続いて演奏されたのは、この日のゲストJIROが作詞・作曲した「TIME」。約20年前、伝説の20万人ライブの後にJIROやGLAYが抱えていたストレスや閉塞感を昇華させた作品で、ファンはもとよりメンバーにとっても思い入れの深い曲だ。ウィルスの感染拡大で行動を制限され、不安な時間を過ごす人々に寄り添う美しい曲調で、TERUも「辛い時こそこの歌を届けたい」と思いを込めて歌い上げた。
「Ruby’s Blanket」「the other end of the globe」「リズム」と壮大な楽曲がストリングス&ピアノの旋律と共鳴しあい、美しい時間を紡ぎあげていく。通常のGLAYの楽曲はTAKUROとHISASHIのツインギターが推進力となっているのだが、そのギターのリフを大胆にストリングス・アレンジした「Lock on you」「DOPE」。この狙いが見事に奏功、楽曲の持つダイナミックさはそのままに、ストリングスの音色でフォーキーな手触りがわり、クラシックロックのような熟成された深みを増した大人の音楽として生まれ変わった。この2曲をやりきった直後、TERUは笑顔でシャウトしていた。
MCでJIROは「生演奏はすごく緊張感があっていいよね。めちゃくちゃ練習しました。それでも間違えましたけど、ライブはいいよね。間違えといてこんなこと言うのもなんだけど」と充実した表情。さらに「なんで間違えたかというとTERUさんにちょっと早めの誕生日プレゼントにこの椅子をもらったんですけど、めっちゃケツが痛いんだよね。そのせいじゃないかな」とニヤリ。さながら観客ありのライブ時のMCのような掛け合いに、TERUの表情からも自然と笑みがこぼれた。
JIROが作詞や作曲で携わったGLAYの楽曲は、明るい曲調の中にも弱さや切なさをはらんだものが多い。そんな中でもこの日の最後に演奏したJIRO作詞・作曲の「lifetime」は、ライブで会える日を楽しみに日常を過ごそうというポジティブなメッセージを込めた、ファンに愛される隠れた名曲だ。「12月(19日)の札幌ドームも無事にできる。必ずまたみんなと同じ時間、同じ空間で過ごせる時間は来るよ!という願いを込めて最後にこの曲を届けたい」と語ったTERU。アコースティックギターをかき鳴らしながらTERUのシャウトが響き渡り、約1時間のライブは終了した。
終演後、「このキャンパスでステージを一緒に作ってくれ工学院大学新宿キャンパスの皆さん!」と紹介され、学生の制作スタッフがステージへ登壇。会場となったホールを貸し出してくれた工学院大学は、コロナウィルスの感染拡大により、登校できずにオンラインで授業を受けている学生も多いという。
そんな状況にTERUも「少しでも早くみんながこのキャンバスで勉強できる日が来るように願いを込めて演奏させていただきました」と挨拶。ライブ制作をサポートしてくれた学園祭実行員の学生たちは、「昨年度は台風で中止になり、今年度はコロナの影響で中止になり、2年連続で苦渋の決断をしました。このような状況で実行委員全員が関わることはできなかったんですが、今日来れなかったみんなの思いも背負って準備してまいりました。一つのかたちとして、ライブに携われたことを光栄だと思っています」と感謝の言葉を口にした。
「音楽は変わらず届けていきたい。今回のライブのサブタイトルになっていますが『FROM THE NEW WORLD』。新しい世界を作っていければと思います」と真摯に語るTERUの目はずっと未来を見据えている。
また、10月31日にGLAY appにて「GLAY app Presents PREMIUM ACOUSTIC LIVE Vol.05 LIVE at HOME」が配信されることが決定した。同ライブの配信チケットは10月13日12:00より発売となる。
出演するメンバーは企画者となるTERU、Vol.03にも出演したHISASHIとDJ Mass MAD Izm*、ベーシストのCHIYU、そしてゲストにC4のボーカルTOKI。ハロウィンにふさわしいメンバーによるスペシャルなセッションに加え、仮装が披露されるかにも期待が高まる。