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春野寿美礼インタビュー ビルボードライブ第4弾『春の LIVE 4th』に臨む思いとは

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春野寿美礼

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卓越した歌唱力で、ミュージカル界で輝き続ける春野寿美礼が、2011年から不定期に開催しているビルボードライブ第4弾『春の LIVE 4th』が、2021年1月13日(水)、14日(木)大阪 Billboard Live OSAKA、1月19日(火)~21日(木)、東京 Billboard Live TOKYOで開催される。
今回は大阪の全日程と東京公演の1月20日、21日に石井一孝、東京では1月19日に廣瀬友祐がゲストとして登場。生演奏の下、様々なジャンルの音楽が繰り広げられる。

そんな煌めきのライブに臨む春野が、ミュージカルの舞台とライブステージそれぞれの魅力の違い、豪華ゲストのこと、また今回取り組みたい音楽についてを語ってくれた。

役ではない私自身が直接お客様と共に過ごせる時間

ーービルボードライブ待望の第4弾となりますが。

当日観にいらしてくださったお客様・ミュージシャン・アーティストが、その時間や空間を共に楽しむこと、これが私のビルボードライブの定義です。と言ってしまうと固くなってしまいますが……。私が今まで多くやってきた舞台、ミュージカル作品は、大きな劇場で自分ではない別の人物になります。つまり役を演じているのです。そして、舞台の空間を埋めるように存在し、歌を歌っていく作業なんです。そこがこのライブとは大きく違っています。役を演じていない私自身がお客様と共に空間と時間を共有できることが楽しみですし、とても大切にしています。前回のライブから6年間と言う長い時間が経ってしまったのですが、その間、私自身様々な経験をさせて頂きました。自分の環境も変わりましたし、新たな気づきや思考は確かに生まれています。そんな私が6年ぶりの音楽ライブをやらせて頂くので、何か大きな変化があるのかもしれないと考えています。とは言っても、実際ライブをやってみたらとりたてた変化はなく「今まで通りの私じゃない」と感じられる可能性もあるのですが(笑)、自分でも楽しみです。​

春野寿美礼

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ーービルボードライブというと、とても大人の空間を想像してしまいます。私自身もBillboard Live TOKYOに足を踏み入れたのは春野さんのライブが初めてだったので、何を着ていったら良いのか……から考えたものですが。

最初は、宝塚歌劇時代からずっと応援して下さっているファンの皆様は、劇場に行くのは慣れているけれど、こういったライブレストランに行くのは初めてという方も多かったと思います。ライブレストランに入るところから、ドキドキされていたりもしたと思います。でも2011年、最初のビルボードライブで私がステージに立って驚きを感じたくらい、お客様との距離がとても近いんです。劇場で観劇するのとは全く違う感覚を味わって下さったようで、「楽しかった」というお声をたくさん頂きました。今回は第4弾ですからお客様にとっても心地良い場所になっていると思います。

ライブならではの生の感覚を味わってもらいたい

ーーそんなライブの第4弾ですが、内容について、お聞きしてもよいでしょうか?

大体の構成は今までやってきたライブと同じで、3つか4つのセクションに分けてやらせて頂きます。導入は私自身がセレクトしたJ-POPの曲を歌わせて頂き、ゲストの方とデュエットもさせて頂きます。また、毎回行っているミュージシャンとのセッションは、お客様からご好評を頂いております。こちらも楽しみにして下さい。​

ーーあのコーナーは本当に素敵ですよね。特にドラムと春野さんのセッションでは、メロディーは春野さんのお声しかない中で素敵に聞かせて下さるので、これは本当に歌の上手い方でなといとできないなと、いつも感心します。

ライブなのでハプニングもたくさんあります(笑)。でもそこで大切にしているのは、楽しんで頂くこと。何かを完璧に完成させるとか、上手に作り込むことではなく、その時のコンディションや感覚を、どれだけストレートに音で表現できるかと言う、ライブならではの生の感覚なんです。だから東京と大阪、今回だったら8ステージですが、毎回絶対に同じことはできません。もしかしたら本当にトラブルもあるかもしれない(笑)。そんな緊張感をお客様にも楽しんで頂きたいと思います(笑)。​

春野寿美礼

春野寿美礼

ーー一期一会の楽しみですね! また今回は大阪では石井一孝さん、東京では石井さんと廣瀬友祐さんという素敵なゲストが登場しますが、やはりお相手によって歌われる曲も変わるのですか?

今のところは変えていこうかなと考えています。何を歌うかはまだ「お楽しみに」なのですが。

ーー『ロミオ&ジュリエット』での共演の記憶も新しいお二人ですが、それぞれの魅力をどう感じていますか?

石井さんは熱いパッションをお持ちの、情熱的で素敵な方だと思います。はじめて石井さんとお会いしたとき、アニメの主題歌を歌ってくださったんです! ヒーローものでした(笑)。それが本当にぴったりで、とても感動しました。そんな出会いから、いつか二人で共演できたらいいねと言いながら、ようやく20年以上経って『ロミオ&ジュリエット』で共演できたんです! でも役柄的にほとんど接点がなく、デュエットナンバー等ももちろんありませんでした。今回は、石井さんのあの情熱的で張りのある声をたっぷりと堪能させて頂きたいと思います。そして、トークがとてもお上手で、歌のライブがトークライブになったというお話を聞いたことがあります。今回はどうなるのでしょうか、お楽しみに!​

ーー廣瀬さんとは、『ロミオ&ジュリエット』でキャピュレット夫人と、甥のティボルトと言う役柄で組まれていて。

禁断の大人の愛を描いたお芝居をやらせて頂きました。廣瀬君のティボルトは、鋭い刃を隠し持った青年というイメージでしたが、廣瀬君自身は、とても純粋で思慮深い方だと思っています。と言うのも『ロミオ&ジュリエット』とほぼ時を同じくして、ソロアルバムを出されていて、何曲がご自身で詞もお書きになっているんです。その歌詞に、ご両親や、周りの方への感謝を綴ったものがあって、そこにとても素直な気持ちを表現されている印象を受けました。ティボルトを演じている廣瀬君とは全く別の、繊細な心がはっきり伝わってきました。稽古や舞台を重ねていくうちに、とても優しくて丁寧な方とは感じていたのですが、そのアルバムから確信したものがありましたし、他にもたくさんの素晴らしい才能を持っている方だと思います。廣瀬君の感性をもっと見せて頂けたらと思っています。

春野寿美礼

春野寿美礼

ーー春野さんのキャピュレット夫人があまりにもお綺麗だったので、ティボルトとお似合いだなと思ったくらいでしたが。

結構、ティボルトには邪険にされていたんですけどね(笑)、彼は娘のジュリエットに心を奪われていましたから。でもとても素敵なティボルトだなぁと、心から惚れ込んで演じさせて頂いていたので、今回もとても楽しみです。

作品との出会いから触発されたラテンミュージック

ーーでは、ミュージカルナンバーもありそうですか?

入っていますが、今回のテーマのひとつにラテン系の音楽や、スパニッシュ寄りの音楽を取り入れて、盛り上げたいと考えています。ミュージカル『ドン・ジュアン』に出演して、そこで使われたスペインの楽曲に触発されるものがありました。私のイメージからは「パッション」という言葉は結び付かないと思いますが、そんな私に「情熱的なラテン系、スパニッシュ系の音楽を表現してみよう!」と思わせてくれたのが『ドン・ジュアン』でした。是非ひとつのコーナーを作ってやってみようと思っています。​

ーーそうしたご自身の新たな出会いなども、どんどんこのライブにはフィードバックされているのですね。

今後もライフワークの一環としてビルボードライブを続けていきたいと思っています。私の原点は舞台ですから、もちろん大好きなミュージカルにはずっと携わっていきたいです。ですが、宝塚歌劇出身ということもあって、綺麗なイメージの役を頂くことが多かったように思います。でも、徐々に年齢や経験を重ねて、もっと幅広く色々な役を演じられる役者になりたいと思っていますし、様々な挑戦もしたいと考えています。ただ、先ほども申しましたように、演目の中で役を演じる舞台と音楽ライブでは表現するものがまったく違います。自分の気持ちや感情を、歌に投影するビルボードライブを自分発信の場として続けていきたいと思っています。​

ーーそんな春野さんの自分発信である、ビルボードライブに期待が高まりますが、是非楽しみにされている方々にメッセージを。

素晴らしいミュージシャンの方と素敵なゲストお二人をお迎えして、皆様に楽しんで頂ける空間をお届けしたいと思っています。4回目となるビルボードライブに是非多くのお客様にお越し頂きたいと思っています。お待ちしています!

春野寿美礼

春野寿美礼

<プロフィール>春野寿美礼(はるのすみれ)
1991年宝塚歌劇団に入団、2002年花組トップスターに就任。
端正な容姿と三拍子揃った実力で将来を嘱望され、緩急自在な歌唱力が絶賛を浴びる。
2004年度芸術祭演劇部門新人賞を受賞し2007年退団。
その後、女優として活躍を続け、シンガーとしてもライブ活動を精力的に行なっている。
近年の主な出演作品は『ロミオ&ジュリエット』『ドン・ジュアン』『ハウ・トゥー・サクシード』『NINE』など。

取材・文=橘 涼香  撮影=もろだ こずえ

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