のんとも。M(のん/大友良英/Sachiko M)、横浜赤レンガ倉庫でレコ発記念ライブを開催
のんが「NON OUCHI DE MIRU LIVE vol.6(#のんおうちで観るライブ)」を12月23日、神奈川・横浜赤レンガ倉庫で無観客で開催。ライブの模様は動画配信サイトを通じて生配信を行った。
「おうちで観るライブ」は「みんなのお部屋がライブハウスになる!」をコンセプトにのんとギタリストのひぐちけいで開催する配信ライブ。この日は12月24日にリリースの、のんとも。M(のん/大友良英/Sachiko M)の1stアルバム「ショーがはじまるョ!」の発売記念ライブとして、大友良英、Sachiko Mを迎えた「おうちで観るライブ」特別編。
ライブは19時過ぎにスタート。先ずは4人で新アルバムの1曲め「ショーがはじまる!」を演奏。いつもの「おうちで観るライブ」ではスタジオなどを借り“自宅・お部屋風レイアウト”となっているが、この日の会場は赤レンガ倉庫。本来は有観客での開催予定であったが感染症拡大を受け急遽、無観客ライブとなったため、いつもと違ってステージが大きいのだ。ステージ中央には大きなクリスマス・ツリー、隣に三日月を模した巨大なオブジェ。
メンバーはそれぞれ蝶ネクタイをつけ、白のブラウスにサスペンダー付のパンツ姿。昭和のレトロ感を出しつつ、現代を意識した衣装で、赤レンガのバックとも世界観を統一した。「今日はまったりと、親戚との忘年会のようなゆる〜いライブをやります!」と開会宣言に続いて演奏されたのは「Sherry」。1962年8月にフォー・シーズンズが発表した全米No.1ヒット曲。自宅待機中に見た映画『ジャージー・ボーイズ』に影響受け、セレクトしたそうで流暢に英語詞も披露。
「眠れない」では、のんはお月さまオブジェに腰掛けて歌う。生配信のコメント欄には「テイタム・オニールの映画『ペーパームーン』みたい!」と寄せられる。この曲はノイジーとムーディが混じり合った不思議なエッセンスの曲。いつも深夜に新曲のデモを送ってくる「宵っ張りの、のんちゃんの気持ちを代弁しました(笑)」と大友良英が書き下ろした。
そして本アルバム収録のいちばんの問題作(?!)に。メンバー全員が口ひげをつけ、大友は「ビッグバンドで録音した曲ですが、今日は4人。演るのに勇気がいる曲です」と紹介されたのは、ハナ肇とクレージーキャッツが1963年に発表した怪曲「ハッスルホイ」。のんが両腕両脚を左右に動かしながら「ハッスル、ハッスル、ハッスルホイ」と歌うと「ジャンジャカ・ジャーン!!」と大友が合いの手をいれる。足りない楽器は口で賄う仰天のエア・ビッグバンド仕様。「ガッハッハッ!」と豪快に笑い飛ばすのんは平均(たいらひとし=植木等)そのもの。コメント欄には「元気が出た!/愉快愉快!/令和の無責任女!」と爆笑&絶賛のコメントが次々に寄せられる。最後はのんの「お呼びでない?これまた失礼しました!」で締め、稀代のコメディエンヌぶりを発揮した。
続いての「ひなげしの花」はアグネス・チャンの1972年11月発表のデビュー曲。クレージーキャッツの「ハッスルホイ」にこの曲はいずれものんの選曲。平成生まれの彼女から、どうしてこんな選曲が出てくるのか実に不思議。
ここまでは新アルバム「ショーがはじまるョ!」の収録順に演奏されてきたが、続いてはTHE BLUE HEARTSの「キスしてほしい」。公開中ののん主演映画『私をくいとめて』とマルコメ糀甘酒のコラボ企画“恋愛発酵学会”のCM曲だ。原曲と違いスロウテンポのアレンジでしっとりと歌うと「染みるわ〜/声が甘く発酵してる〜」とコメントが配信画面に寄せられる。
ライブもいよいよ終盤に差し掛かると、メンバー全員がサンタクロースの帽子を被って”Happy Birthday”を演奏。この日はSachiko Mの誕生日。クリスマス・ケーキもステージに持ち込まれ「誕生日に働いてみるもんだ〜」とSachiko Mもこのサプライズに感無量。この流れで次はのんが2019年12月に配信したオリジナルの「クリスマス・ソング」に。お月さまのオブジェに腰掛け、黒のアコースティック・ギターを弾きながらクリスマス・ムードたっぷりに歌う。
続いての「いつでも君は」は昭和時代の歌謡曲のようなタイトルだが、のんが本アルバムに向けて書いた新曲。大友のバンジョーとのんのアコギで奏でられるサウンドは70年代のフォーク!時折、大友の吹く口笛も入り、なんとも滋味深い曲。のんの歌うさまはフォーク・シンガーのよう。あの頃のフォーク曲はみんなで一緒に歌う曲が多かった。そんな雰囲気を見事に現代に蘇らせたのが「さなえちゃん」。フォーク・デュオの古井戸が1972年に発表した楽曲で、のんとも縁深い仲井戸麗市が書いた曲。ボーカルはのん、大友、Sachiko Mと歌い継ぎ、最後はみんなで歌う。ステージは70年代にタイムスリップしたようなムードに包まれる。
のんから「最後にふさわしい希望に満ちた曲です!聴いてください!と紹介されたのは本日のラスト・ナンバー「明日があるさ」。坂本九が1963年12月に放ったニッポンのスタンダード・ナンバー。コロナ禍の中のモヤモヤした空気を吹き飛ばす、まさに明日への希望に満ち溢れた楽曲で大団円。画面の向こうで、みんな一緒に歌ってるさまが目に浮かぶ。すべての演奏が終わると「やりきりましたね!ありがとうございます!」とのんも大興奮。
エンディングは「おうちで観るライブ」恒例の”もぐもぐタイム”。出演者各々が好きなフード&ドリンクを持ち込むトーク・コーナー。この日はさきほどSachiko Mに送られたバースデイ・ケーキをみんなで頂きながらトーク。「ステージでホントに食べちゃってイイの?」と大友も戸惑いながら参加。和気あいあいとしたムードの中、のんからの「それではバイバイ!メリークリスマス!良いお年を!」で90分超に及んだ「NON OUCHI DE MIRU LIVE vol.6」が終了。この日の模様は1月2日23:59までアーカイブ視聴できる。チケットは12月30日23:59まで販売。
のんおうちで観るライブvol.6 セットリスト
2020年12月23日19:00/神奈川・横浜赤レンガ倉庫
01.ショーがはじまる
02.Sherry
03.眠れない
04.トキメキ
05.ハッスルホイ
06.ひなげしの花
07.キスしてほしい
08.snow dance
09.lalala にちようび
10.クリスマス・ソング
11.いつでも君は
12.さなえちゃん
13.明日があるさ
出演:のんとも。MK(のん、大友良英、Sachiko M、ひぐちけい)