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BAND-MAID オンラインライブを映像商品化、オフィシャルレポート&「about Us」ライブ映像を公開

アーティスト

photo by MASANORI FUJIKAWA

全世界的な支持を得るメイド姿のハードロックバンドBAND-MAIDが、2月11日に開催したONLINE OKYU-JI(配信ライブ)を映像商品化し、5月26日に発売することが決定した。また、このライブへ向けて制作し、ファンへのサプライズ・プレゼントとして突如配信した新曲「about Us」のライブ映像も併せて公開となった。

自身4回目となった「ONLINE OKYU-JI」は、配信中に全米Twitterトレンドで4位にランクイン。全世界の視聴国数が、過去四度で最多となる67か国を記録するなど、全世界規模で話題となった。過去4公演とも全世界での視聴国数が50か国以上を記録しており、まさしく全世界待望の映像作品化となっている。

今回映像作品化されるこの商品には、ライブ本編の映像の他、パッケージ用に特別収録したOKYU-JI(ライブ)映像5曲も収録される。なお、この本編映像から「about Us」がYouTubeオフィシャルチャンネルで先行公開されている。

なお、今回映像商品化される2月11日に開催したONLINE OKYU-JIのオフィシャルライブレポートも到着した。

オフィシャル・ライブレポート

ニューアルバム「Unseen World」をリリースしたばかりのBAND-MAIDが、オンラインお給仕(=配信ライブ)を2月11日に実施した。2020年は予定されていた国内外のツアーがコロナ禍により中止になったものの、三度にわたるオンラインお給仕が成功を収めたBAND-MAID。本来ならこの2月11日は初の日本武道館でのお給仕を開催するはずだったが、現在の社会情勢を鑑みて中止に。代わりに実施される2021年初のオンラインお給仕では、その幻の武道館公演で披露されるはずだったセットリストでお給仕(=ライブ)を敢行するという、熱い展開が用意された。

広大な宇宙に1本の木が大きく育っていく様が映し出されるオープニング映像に続いて、画面はライブステージに切り替わる。SEに乗せてメンバーが1人、また1人と姿を表すと、最後にSAIKI(Vo)がステージ中央に。シンフォニック調のイントロに続いて、バンドはそのまま「Warning!」から勢いよくライブをスタートさせる。AKANE(Dr)&MISA(Ba)が繰り出すヘヴィなリズム、小鳩ミク(Gt/Vo)&KANAMI(Gt)が織りなすギターアンサンブルがこのメタリックな楽曲を華麗に彩り、その上でSAIKIのパワフルな歌声が鳴り響く。要所要所で挿入される小鳩のハーモニーも良いアクセントとなり、1曲目からBAND-MAIDならではの世界観が構築されていった。

バンドは間髪入れずに「DICE」へと突入。MISAのグルーヴィーなベースが楽曲をリードする中、メンバーは不敵な笑みを浮かべながら楽曲を表現。ギターソロパートではKANAMIが流麗なプレイで観る者を圧倒させる。以降も「Screaming」「I can’t live without you.」「BLACK HOLE」と新旧のアップチューンを連発し、場の空気を掌握する。

ここで改めて感じたのは、「Warning!」や「BLACK HOLE」といったニューアルバム「Unseen World」からの新曲が果たす役割の大きさ。BAND-MAIDが本来持つハードさ、ヘヴィさを最良の形に消化させた新曲群はライブでさらにその魅力、威力を増しバンドのスケール感を一段高いものへと引き上げることに成功している。だからこそ、この新曲たちを武道館という大会場で聴くことができなかったのは、残念でならない。もちろん、その思いはメンバー5人も同じだろう。しかし、この日のライブでの攻めの姿勢を目にすれば、いずれ必ずBAND-MAIDは武道館へと到達できるはず……そう一貫できたはずだ。

そんなシリアスモードのライブから一変、MCでは「おかえりなさいませ、ご主人様、お嬢様。2021年、くるっぽーっ!」と小鳩の微笑ましいトークで柔らかな空気に包まれる。しかし、それもほんの束の間の出来事。いざ曲に移れば、再びハードモードのBAND-MAIDが戻ってくる。スクリーンに映された時計が逆戻りしたかと思うと、BAND-MAIDの方向性を確立させたターニングポイントの1曲「Thrill」でライブを再開。そのグルーヴィーなビートで観る者を夢中にさせる。続く「REAL EXISTENCE」でもヘヴィなミディアムテンポで濃厚な世界観を提示したかと思えば、「Don’t let me down」では再びアップテンポにシフトして観る者を圧倒させる。曲間では、先ほどは時間を遡っていた時計が再び表示され、今度はスピードを上げて時を刻み始める。まるでBAND-MAIDの歴史に沿って時が進むかのように、披露される楽曲も徐々に新しいものへと移行。「alone」ではSAIKI&小鳩のツインボーカルの気持ち良さを存分に味わえたかと思えば、「Don’t you tell ME」では曲冒頭でSAIKIがモニター前のオーディエンスを煽ってみせる。MCではこの構成を“Road to BAND-MAID”と呼んでいたが、バンドにとって節目となるはずだったこの日のライブでBAND-MAIDの歴史を振り返るようなセットリストが用意されていたと思うと、すでにそれだけ長い歴史を重ねてきたのだという事実に驚かされる。

「Thrill」以降、ここまで「New Beginning」「Brand New MAID」「Just Bring It」とリリース順に楽曲を披露してきたBAND-MAIDはMCを挟み、今度はニューアルバム「Unseen World」の楽曲を中心としたブロックへ突入。「After Life」や「NO GOD」で“原点回帰”&“現点進化”を提示した最新型のBAND-MAIDをたっぷりアピールしたかと思えば、前作「CONQUEROR」からの「輪廻」では原曲以上にアグレッシヴに進化した姿を見せつけ、インストゥルメンタルナンバー「without holding back」では楽器隊の演奏技術の高さを証明してみせる。特に「without holding back」では、タッピングを駆使したKANAMIのギターソロに目を奪われたという視聴者も少なくなかったことだろう。

ここからはライブもいよいよ折り返しに。小鳩の独壇場といえる“おまじないTIME”ではスクリーンに表示された観客やメンバーからのコメントと相まって、場の空気がどんどん和んでいく。しかし、小鳩がボーカルを担当する「サヨナキドリ」へと移ると、それまでの雰囲気が一変。タイトなバンドアンサンブルに乗せた切なさと力強さが入り混じった歌声で、観る者を再び別世界へと誘う。続くSAIKIのMCでは、「私たちが悲しんでいる場合じゃない。ご主人様、お嬢様のほうが気が病んでいて、これはいけないと思った。BAND-MAIDでみんなを元気づけたいと考えた」とこの1年の間に感じたことを吐露しつつ、「(武道館お給仕中止は残念だけど、この先)まだまだ広い会場でするし、連れていってあげるし。もう少し元気に頑張りましょう」とのメッセージを添えて武道館へ向けた楽曲として制作された新曲「about Us」を初披露。メンバー5人の今の思いが込められたこのエモーショナルな楽曲はこの先、さまざまな場面で奏でられることでさらにスケールの大きなものへと成長していくのではないか……そう実感させられたパフォーマンスだった。

「about Us」の世界観を引き継ぐように「Daydreaming」「Mirage」へと続くに連れ、歌とパフォーマンスはよりエモーショナルさを増していく。そこから「Bubble」「Manners」へと流れる構成では、バンドは再びアグレッシヴさを高めていくことに。さらに「onset」では再びバンドの力量の高さをアピールし、圧倒的な存在感を見せつけた。かと思えば、MCではストリングス隊の新しいギター/ベースを観客に披露したり、2月8日に誕生日を迎えたばかりのSAIKIを祝福したりと、ピースフルな空気に。そのまま「Choose me」で最終ブロックに突入しようとするも、同期と歌がズレてしまうというハプニングに見舞われる。バンドにとって初めてのトラブルに動揺するも、KANAMIが海外のご主人様、お嬢様に英語でメッセージを送るほか、AKANE、KANAMI、MISAが人生初の煽りをするという無茶ぶりも用意されるというサプライズで気を取り直し演奏を再開。以降も「Blooming」「Different」「Giovanni」と攻めの楽曲を連発し、ヒートアップを続ける。そしてSAIKIの「また絶対に会える日が来るまで、最後の曲、もっといけますか? 声出せますか? 届いているから! 観てるから!」のメッセージに続いて、「DOMINATION」にてクライマックスを迎え、2時間半以上におよぶ過去最多曲数のオンラインお給仕は幕を下ろした。

まだまだ不安な日常が続く中、最強のセットリストで我々を楽しませてくれたBAND-MAID。今はニューアルバム「Unseen World」からの楽曲含め、CDなどでBAND-MAIDの楽曲をじっくり聴き込んで、ライブ会場で彼女たちの歌や演奏を爆音で楽しめる日が戻るのを待ちたい。

(文/西廣智一)

セットリスト

  1. Warining!
  2. DICE
  3. Screaming
  4. I can’t live wtihout you
  5. BLACK HOLE
  6. Thrill
  7. REAL EXISTENCE
  8. Don’t let me down
  9. alone
  10. FREEDOM
  11. YOLO
  12. Don’t you tell ME.
  13. After life
  14. NO GOD
  15. 輪廻
  16. without holding back
  17. サヨナキドリ
  18. about Us
  19. Daydreaming
  20. Mirage
  21. Bubble
  22. Manners
  23. onset
  24. Choose me
  25. Blooming
  26. different
  27. Giovanni
  28. DOMINATION

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