KnightA-騎士A-
KnightA-騎士A- 1stワンマンライブ『Knight』
2021.2.14 チームスマイル・豊洲PIT
歌やゲーム実況、セリフなど、“声”を武器に活動する6人組グループ・KnightA-騎士A-(ナイトエー)が、2月13日と14日に豊洲PITにて初のワンマンライブ『Knight』を開催。コロナ禍やメンバーの活動休止を乗り越え、グループとしての存在感と個々の色を堂々と、鮮やかに放った6人。気高い騎士たちの秘めたる可能性は、天井知らずなのではないだろうか。そう思わずにはいられなかった公演2日目の模様をお伝えする。
ゆきむら。=パープル、ばぁう=レッド、そうま=イエロー、しゆん=グリーン、てるとくん=ピンク、まひとくん。=ライトブルーというメンバーのイメージカラーを灯したライトが目まぐるしく交錯するステージに現れ、客席に背を向けて立った横並びの6人。オーディエンスの期待感が最高潮に高まる中、全員でくるりと振り向き、順繰り歌をつないでいったのは「フィクサー」だ。歌声もパフォーマンスも衣装も6人6様でありながら、一丸となったときの団結力、爆発力といったら目を見張るほど。続く「フラジール」にしても然り、その“無双感”は、前日にKnightA-騎士A-として初ステージを踏んだとは思えない。
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一転、MCでしゃべり始めてみれば無邪気で自由奔放。やっぱり、ギャップはあればあるほどに愛おしさが募る。
ゆきむら。の「おまえら筋肉足りてんのか!?」、しゆんの「おまえらマッチョになりてぇよな!?」という“匂わせ”すぎる言葉から、全員でタイトルコールしたのは「お願いマッスル」。本来であればコール&レスポンスで盛り上がるナンバーだろうが、クラップしたり、両手に持ったサイリウムを打ち鳴らしたりと、声を出したい気持ちをぐっとこらえながら、ありったけの愛をステージへと届けるオーディエンス。感染予防のためにこれまでの当たり前を封じるしかなくたって、気持ちはひとつ。しっかりと通じ合っているのだ。
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「吉原ラメント」で、和の艶っぽさをたたえた歌声を響かせたばぁう。“歌ってみた”に初投稿した「ヒバナ」を、エモーショナルに歌ったまひとくん。。ファルセットも交え、優しく美しい歌声で「シャルル」を彩ったそうま。どうにもかわいさが止まらない「おじゃま虫」で、胸キュンさせたてるとくん。「悪魔の踊り方」で、鋭く扇情的に突き抜けたしゆん。自らのオリジナル曲「ENVY」で、“唯我独尊”をとことん感じさせたゆきむら。。ソロでよりはっきりと浮かび上がるそれぞれの“らしさ”に翻弄されるのもまた、楽しい。
さらに、「チューリングラブ」で念願のコラボが実現、お互いに送り合うハートが見えた気がしたてるとくん×まひとくん。。背中合わせに始まり背中合わせで終わるまで、「厨病激発ボーイ」で息もぴったりに遊び心を発揮したそうま×しゆん。「劣等上等」で歌やラップをスリリングにかけ合ったり、隣り合ってお立ち台に足をかけたり、ロングトーンで圧倒したりと高まらせたばぁう×ゆきむら。。そうま×てるとくん×ゆきむら。による「GO GO CRAZY」にしても、ばぁう×まひとくん。×しゆんによる「ダンスロボットダンス」にしても。6人ならどんな組み合わせにしたって面白いし、濃厚な“らしさ”をかけ合わせて生じる化学変化はとんでもなく刺激的なのだ。
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甘い歌声でドキっとさせた「幽霊東京」、ジャジーな「ヒカリユメ」(衝撃のラストをアカペラで魅せたゆきむら。も見事!)では、アグレッシブやポップ、妖艶な色気やかわいさとはまた違った、スタイリッシュなオトナっぽさも感じさせたKnightA-騎士A-。今後、オリジナル曲ができていくなら、その表情はもっと豊かになっていくだろう。「Very」の<誰も見たことない 星掴んで>というフレーズを歌う6人の姿は、とても頼もしく、眩しくもあった。
そして、鳴り止まない拍手に呼ばれ、再びステージに現れた6人。冒頭でも触れたように、コロナ禍でただでさえライブ開催が容易ではない中、まひとくん。が公演直前まで活動休止していたのだ。悩みもがきながらも諦めずに実現させた初ライブ完走を目前に、それぞれの胸には想いがあふれていた。
そうま「まひとが戻ってきてくれたから、こうしてライブができました。諦めてしまったら、そこで終わり。だから、俺にしかできないことを、これからも毎日やっていこうと思う。それにね、こいつら(5人を見ながら)すごくいいやつなんだよ。この6人でやってきてよかった。1日1日かみしめて、みんなで思い出を作っていこう!」
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てるとくん「KnightA-騎士A-は、6人でKnightA-騎士A-。活動を始めてすぐに友だちになったまひとくん。とは、「いつかグループを組んだり、ライブで一緒に歌ったりしたいね」って話していたから、その夢がこの2日間で叶ったことも本当に嬉しかった。最高の6人でここに立たせてくれたこと、僕に活動する意味を与えてくれたこと、リスナーのみなさん、本当にありがとうございます」
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ばぁう「この景色をメンバーと、きみと見られて、本当に、本当に幸せです。ずっと、人の目を気にして、他人と比べて自分は全然ダメだって思っていたけど、きみが俺の声を「好き」って言って認めてくれた。ありのままでもいいんだって気づかせてくれたきみがいてくれたから、ここまで来られました。ついてきてくれるきみに、これからも声を届けていきます」
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しゆん「KnightA-騎士A-がこれからつくっていく歴史は、思い出を積み重ねることなんじゃないかなと思っていて。初ライブを開催するまでのハードルがめちゃめちゃ高かったけど、みんなが声を出したいのに我慢して、一生懸命サイリウムを振ったり、拍手をしてくれたりする姿、ちゃんと見えてました。今日のこと、マジで一生忘れない!」
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まひとくん。「歌が苦手だった僕は、2016年にYouTubeを始めてからも歌に対してコンプレックスがあったけど、こうして素敵なメンバーとリスナーさんに囲まれて、初めてステージに立つことができました。活動休止期間中、KnightA-騎士A-に、自分のホームであるネットに帰ってくるのが、正直怖かったです。でも、やっぱりKnightA-騎士A-、ネットが僕の居場所なんだって再確認できました。みなさん、待っていてくれて本当にありがとうございます」
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ゆきむら。「今回のライブに至るまでは、本当に困難な道のりでした。でも、もう一度6人でそろってリハーサルして、配信したら、やっぱりこの6人だなって痛感しました。ゆきむら。、この6人じゃないとムリですね。それからさ、思っていることは言おう。好きなもの、好きな人、将来の夢。バカにされても、自分を曲げんなよ。人にそう言うからには、ゆきむら。はぜってー曲げねーからな! この6人で最高の景色見せるから、応援よろしくお願いします!」
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それぞれの言葉には、2日間通して得た確信と覚悟がにじんでいた。最後に歌ったのは、「ロキ」。KnightA-騎士A-の“信者”になったら最後、その沼からはなかなか抜け出せない。自らの表現欲求にどこまでも正直で貪欲なのが、KnightA-騎士A-というグループ。KnightA-騎士A-とだったら、きっと未だ見ぬ絶景を見ることができるだろう。
文=杉江 優花 撮影=林 晋介