葉加瀬太郎、1年越しの30周年記念コンサートツアーをスタート「音楽をできる喜びを噛み締めながらしっかりと演奏していきたい」
葉加瀬太郎が4月10日に埼玉・川口リリアにてコンサートツアー「葉加瀬太郎 30th Anniversary オーケストラコンサート2021 〜The Symphonic Sessions〜」をスタートさせた。
このコンサートは、2020年の葉加瀬のデビュー30周年を記念したもので、延期となっていた2020年春ツアーの振り替え公演。2020年3月に発売したアルバム「The Symphonic Sessions」を携え、バリエーション豊かな楽曲たちをシンフォニックにアレンジした豪華バージョンで、自身初となるフルオーケストラで披露した。同ツアーでは、川口リリアを皮切りに5月16日の東京・東京国際フォーラム・ホールAでの公演まで全国11ヶ所、13公演を行う。
コンサートは、「Another Sky」で幕開け。聴く者を大空へと誘うメロディーがオーケストラのサウンドによってより荘厳なものへと昇華しており、1曲目から来場客を音の楽園へとテイクオフさせた。演奏後、葉加瀬は「やっと実現することができましたこのコンサート。本来であれば昨年の春に行うはずでした。昨年2020年は僕にとりましてデビューから30周年というわけで、その記念の第1弾として何年も前から企画していたのがこのツアーでした。しかしながらリハーサルを終え、いざ初日を迎える直前に延期を決定せざるをえませんでした」と忸怩たる思いを吐露。そして、「昨年は僕たち音楽家のみならず世界中のみんなにとって経験したことのないくらい大変な一年ではありましたが、それを乗り越えてこうして今日皆と一緒に音楽をできる喜びを噛み締めながらしっかりと演奏していきたいと思います。そしてこれまで応援してくださってきたファンの皆さま、そして僕を支えてくれている全てのスタッフたちに心から感謝申し上げます。今日はどうぞ、このリッチでゴージャスなサウンドでたっぷりと僕の音楽を楽しんでいってください」と笑顔で挨拶した。
続いて、交響詩「希望」を披露した後、「僕は10歳の時にオーケストラと出合って、その時からずっと夢中になりました。これが楽しくてずっとヴァイオリンを続けてきたっていうのもあるんです」と“オーケストラ愛”を語り、「オーケストラのための曲たちもなかなか演奏する機会がなかったので、本当にうれしいですね」とにっこり。さらに、3曲目に冨田勲の「新日本紀行」、4曲目に「瑞風」をパフォーマンスし、幻想的な音で観客たちをファンタジックな旅路へと誘った。
第二部は「ひまわり」、映画『ティファニーで朝食を』の「Moon River」を披露。さらに、葉加瀬自身が影響を受けたクラシックの楽曲をカバーしたアルバム「Dal Segno 〜Story of My Life」に収録されているモーツァルトの「トルコ風コンチェルト」、ベートーヴェンの「ロマンス」というクラシックナンバーを演奏し、フルオーケストラの魅力を余すことなくアピール。そんな中、「WITH ONE WISH」をオーボエ奏者・最上峰行とのデュエットで奏でるスペシャルバージョンで届ける場面も。オーケストラの音の湖の中心の立つヴァイオリンとオーボエのサウンドに、客席からひと際大きな拍手が起こった。
その後、アンコールで登場した葉加瀬は「5月までこのツアーをやった後、夏の野外イベント、秋の全国ツアーとまだまだ楽しい企画が目白押しです。全力で頑張って駆け抜けて参りたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします!」とコメントし、「無事に開催されることを願って演奏したいと思います」という言葉を添えて、東京オリンピック・パラリンピックの応援歌として制作した「Legacy」を演奏。全13曲を豪華なオーケストラアレンジで披露し、メモリアルなコンサートツアーの開幕を彩る初日を締めくくった。