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まふまふ、東京ドーム史上初の無観客無料配信ライブに全世界から合計約40万人が同時接続

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2021年5月5日(水・祝) ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーままふわーるど2021@東京ドーム~ONLINE Photos by 小松陽祐(ODD JOB LTD.) / 岡本麻衣(ODD JOB LTD.) / 堀卓朗(ELENORE) / 今田和也(ELENORE)

史上初となる、東京ドームから全世界への無料配信ライブ。全世界合計で約40万人以上が同時視聴した記録的なオンラインライブは、沢山の人の記憶に強く刻まれるものになったはずだ。

5月5日、まふまふによるオンラインライブ「ひきこもりでもLIVEがしたい!〜すーぱーまふまふわーるど2021@東京ドーム〜ONLINE」が、自身のYouTube公式チャンネルと中国の動画配信サイトbilibiliにて開催された。

開演時間の18:30を少し回ると、オープニング映像を経て、空から羽が降りてくる演出と共に、ステージには絢爛豪華な衣装を身にまとったまふまふが登場。力強く左手を挙げると、そこから光の柱が立ち上がるド派手なスタートだ。

「東京ドーム! 一世一代の大舞台、幕開けだ!」と叫び、ライブは「ベルセルク」からスタート。「最終宣告」「罰ゲーム」と、序盤はアグレッシヴなナンバーを続けていく。六角形の広いステージの真ん中に立ちハイトーンのシャウトで魅了するまふまふの存在感はもちろんのこと、テクニカルなバンドメンバーの演奏、華やかな演出にも目を奪われる。広いドームの空間にレーザーの光が飛び交い、ステージ周囲に特効の火柱が立ち上がる。背後と頭上の巨大LEDビジョンに映し出された映像、空間全体を照らす照明の光もあいまって、東京ドーム全体が異世界になったかのような不思議な光景が広がる。「この舞台は、今日、俺たちだけのものだ!」と、まふまふが叫ぶ。

「みんな、僕の声は聞こえてますか?」と少し緊張気味なMCを経て、激しく情熱的なピアノが駆り立てる「アルターエゴ」、そして「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」に提供した「悔やむと書いてミライ」「携帯恋話」の2曲を続ける。

「自分の大切な思い出の楽曲たちをドームに連れていきたかったので。一つやり遂げた感があります」と告げると、続いてはダンサブルな「デジャヴ」、そしてこの日が初披露となった新曲「おとといきやがれ」と続ける。どれも2019年リリースのアルバム「神楽色アーティファクト」以降に発表してきた楽曲だ。特に、跳ねるグルーヴのバンドサウンドに乗せて「おとといきやがれ クソ野郎」と挑発的な言葉を歌い上げる「おとといきやがれ」には、新境地の興奮を感じる。

三矢禅晃(Gt)、清水”カルロス”宥人(Gt)、白神真志朗(Ba)、宇都圭輝(Key)、新保恵大(Dr)という鉄壁のバンドメンバーによるセッションを経て、続く「女の子になりたい」では、キラキラと光る白いパーカーに身を包んだまふまふが、LEDペンライトが一つ一つの座席に設置されたスタンド席を歩きながらキュートに歌う。見渡す限りのペンライトの光が織りなす光景の中「一人で歌ってるように見えて、お客さんに囲まれてるからね」と語りながらステージに戻ったまふまふは、続けて忍者に扮したダンサーを従えた「忍びのすゝめ」、昨年に久々のボカロ楽曲として投稿された「イカサマダンス」、ドラマティックなバラードの「ユウレイ」「さえずり」と続けていく。多彩なまふまふの世界にオーディエンス全員を惹き込んでいくような展開だ。

再びのバンド演奏を経て、和装に狐の面をつけたまふまふがステージに登場。「ひともどき」の繊細なメロディから、壮大でドラマティックな曲調に乗せて胸が張り裂けるような歌声が響く「生まれた意味などなかった。」、そして“歌ってみた”の投稿が大きな反響を巻き起こしたカンザキイオリ作の「命に嫌われている。」と、後半はダークな楽曲を迫力たっぷりに披露。全身の力を絞り出すかのようなシャウトを響かせた「輪廻転生」から、「暴れ足りねえなあ!」と告げて披露したKemu作の高速ラウドナンバー「拝啓ドッペルゲンガー」へと、この日ならではのスペシャルなセットだ。

最後のMCでは「10年間、活動を続けてきました」と、これまで歩んできた道程を振り返る。「顔を出すのが怖い10年間でした。人前で歌うことが大嫌いな日々でした。いつの間にか、このご時世で、みんなの前でライブをすることがなくなり、とてつもない虚無感と喪失感を日々感じていました。いつの間にか、僕はライブが好きだったんだな、みんなと会うのが楽しみだったんだな、人前で歌うこと、上手く歌えても、下手くそな日でも、それよりもみんなに聴いてほしかったんだな。そんなことを感じて、今回のライブをさせていただきました」と、ライブにかけた思いを訥々と語った。

そして、ライブは終盤へ。「日本とはまた別のところに住んでいる人達のことを考えて作った曲」という「曼珠沙華」では、中国語を交えた歌詞に双喜紋をデザインした映像が映える。「1年前に約束していたみんな、それを楽しみしていたみんなに向けて作った曲」と告げた「夜空のクレヨン」では、星型の照明がドームの屋根を照らし、幻想的な空間を描き出す。

そして最後は「僕の一番大切な曲」と語った「夢のまた夢」。「お別れの時間です。今日、僕を見つけてくれてありがとう」と告げ、万感の思いを込めて歌い上げた。

世界中に向けて、自身の音楽を全身全霊で届けきったまふまふ。ライブ配信のチャット欄には英語や各国語での熱い感想も並んだ。国境を超え、多くの人たちが興奮を共有した時間だった。

Text by 柴那典

Photos by 小松陽祐(ODD JOB LTD.)/ 岡本麻衣(ODD JOB LTD.)/ 堀卓朗(ELENORE)/ 今田和也(ELENORE)

まふまふ「ひきこもりでもLIVEがしたい!〜すーぱーまふまふわーるど2021@東京ドーム〜ONLINE」セットリスト

01.ベルセルク
02.最終宣告
03.罰ゲーム
04.アルターエゴ
05.悔やむと書いてミライ
06.携帯恋話
07.デジャヴ
08.おとといきやがれ
09.女の子になりたい
10.忍びのすゝめ
11.イカサマダンス
12.ユウレイ
13.さえずり
14.ひともどき
15.生まれた意味などなかった。
16.命に嫌われている。
17.輪廻転生
18.拝啓ドッペルゲンガー
19.曼珠沙華
20.夜空のクレヨン
21.夢のまた夢

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