鬼才レオス・カラックス&スパークス 夢のコラボ実現、カンヌ映画祭オープニング作品『アネット』オリジナル・サントラ公開中

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『アネット』オリジナル・サウンドトラック

第74回カンヌ国際映画祭で上映されるフランスの鬼才レオス・カラックス監督最新作『アネット(Annette)』。音楽とオリジナル・ストーリーをアメリカのアート・ポップ・デュオ=スパークスが手掛けており、世界が注目するこの最強のコラボレーションによるオリジナル・サウンドトラックが配信中だ。

全編ミュージカル仕立てで、主演のアダム・ドライバー、マティオン・コティヤール、サイモン・ヘルバーグ等キャストの歌唱を収録している。歌詞はスパークスとレオス・カラックス共同で書かれ、スパークスは演奏とプロデュースにクレジットされている。

スパークスはロンとラッセルのメイル兄弟によって結成され、1969年ロサンゼルスで活動をスタート。半世紀に及ぶ活動期間の中で25枚のアルバムをリリースしており、カルト的な人気を誇る。数多くのバンドに影響を与え、兄弟バンドとしてもパイオニア的存在といえる。当初“アネット”は、スパークスのオリジナル・スタジオ・アルバムとして構想されたが、2013年カンヌ国際映画祭後にレオス・カラックスと実際会う機会を得て本プロジェクトは映画化に向けて動き出した。

「カラックスとカンヌでミーティングした時、僕たちは彼の中に我々とすごく近いものを感じたんだ。何の期待もなくカラックスに我々スパークスを知ってもらうためにも“アネット”を彼に送るしかないと思った。そうしたら驚くなかれ、彼はアルバムを気に入ってくれ、次のプロジェクトとして検討しようと言ってくれたんだ。この予期せぬ嬉しいサプライズは最高にハッピーな瞬間だった。カラックス作品のファンとして、彼が僕らの作品を監督してくれるなんて、夢が叶う以上の喜びだった」とスパークスはコメントしている。

そして、レオス・カラックスは次のように付け加える。

「スパークスを知ったのは、確か14歳頃だったと思う。パリのデファンス地区にある店で彼らのアルバム『プロパガンダ』(74)を手に入れた。ジャケットのビジュアルに惹かれたんだ。それからほどなくしてパリのオランピア劇場で彼らのライヴを見た。『プロパガンダ』とその次の『インディスクリート』の2枚はもう自分の人生の一部と言っていい。彼らの曲は自分が知る限り最も喜びに溢れている(もちろん、辛辣なところもあるが)。自分にとってのスパークスの音楽というのは、子供の頃の家であり、嫌な思い出が一切ない。彼らがいなかったら、映画の道に進んで以来自分がずっと夢見ていた“音楽の映画”をつくることはなかったと思う。」

独自の世界観で我々を魅了するスパークス、その創作活動の勢いは止まらない。なお、今年のサンダンス映画祭で「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督によるスパークスのドキュメンタリー映画『The Sparks Brothers』が上映された。

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