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avex ROYALBRATSが初代チャンピオンに輝いたダンスプロリーグ「第一生命D.LEAGUE20-21」をレポート

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2021年1月10日に開幕し、約半年間に渡って繰り広げられてきたダンスプロリーグ「第一生命D.LEAGUE20-21」。12ラウンドを戦い抜いた上位4チームによるチャンピオンシップが遂に開催された。初代チャンピオンとして歴史に名を刻むのは果たしてどのチームなのか。

全9チームの中から勝ち残り本戦へと駒を進めたは、KOSE 8ROCKS、SEGASammy LUX、aves ROYALBRATS(以下aRB)、FULLCAST RAISERZの4組。

この日の勝敗を決めるジャッジはこれまで以上に豪華な顔ぶれだ。ダンサー枠にはレギュラーの坂見誠二、ゲストにSAM、マシーン原田、YOSHIEという文句なしのレジェンド達が揃った。またエンターテイナー枠にはレギュラーの黒須洋嗣、ゲストに秋元康、テリー伊藤、南流石が参加。

今大会では、ジャッジの採点方法がこれまでのポイント方式ではなく、対戦した2チームのどちらか一方に投票するという極めてシンプルなものに変更。ジャッジ8名による1票ずつとオーディエンスによる1票、計9票のうち1票でも上回った時点で勝敗が決まる。

まず準決勝の1stマッチを戦うのは、我らが aRB VS SEGASammy LUX(以下LUX)。aRBはカラフルでプレイフルな衣装で華々しく登場。ヘアカラーをチームカラーのブルーで揃え、気合も結束力も充分だ。

このセミファイナルでは驚くことに両チームによるソロムーヴから開始するという嬉しいサプライズがあった。今大会のためだけに用意された特別な演出に、会場のオーディエンスは大熱狂。

ソロでもしっかり踊ってアピールしてみせたLUXに対して、aRBはダンスで魅せるというより、力んだ感じを全く出さずに表情や持ち前のグルーヴで魅せている印象だった。どのメンバーも余裕の表情でカメラにアピールしたり、会場を煽ったり。KAITAとKAZ the FIREが前宙をカマして沸かせたのには痺れた。そして今回もSPダンサーとして参戦のディレクターRIEHATAの番になると、もう全て持っていかれた。彼女が登場するだけで空気が一変するほどのオーラを放つのだ。まだ本戦が始まっていないというのに、この時点で鳥肌が立ち、勝利の予感がした。

期待しかない中で始まった本戦パフォーマンス。先攻のLUXは、真骨頂とも言えるミドルスクールな振りとグルーヴが存分に発揮されたLUXらしさ全開のパワフルなステージを展開。

対する後攻のaRB。彼らの曲が鳴った途端に、動き出した途端に「そう、これこれ!」と思わず心の中で叫んだ。これぞ世界に誇るRIEHATAスタイル! THE SWAG!! RIEHATAの圧倒的な存在感がチーム全体を引っ張り、パッションもクオリティも底上げしているのはもちろんなのだが、「自分たちの本来の姿はコレだ!」と言わんばかりに、これまであえて温存していたとっておきのものを爆発させるエネルギーと自信に満ち溢れていた。何よりメンバーたちの表情が、これまでのラウンドで主役を張っていた時ともまた違う、実に生き生きと楽しそうなのが印象的だった。「SWAG!」で締めくくったラストに全てが込められていると感じた。これには全国のaRB、RHTファンも歓喜したのではないだろうか。

ジャッジの結果は、LUXが3票、aRBが6票で勝利した。まずは準決勝を突破し、ファイナルへの進出が決定。

「ラストラウンドからこのチャンピオンシップまで、LUXも私達も本当に過酷な9日間を過ごして今日を迎えた。全力でみんなと戦えたことが達成感でいっぱい。感無量」とRIEHATA。

aRBに1票を投じたジャッジの坂見氏は、「ソロ回しの時はLUXが上回っていて本領発揮という感じだったが、コレオグラフになるとaRBの振りの作り方のうまさや、合わせるところ、抜き方など、振り付け能力の高さにやられた」と評価した。

続く2ndマッチでは、KOSE 8ROCKS(以下8ROCKS)とFULLCAST RAISERZ(以下RAISERZ)が激突。両者ともコンテストやバトルに強いチームが前身なだけに、ソロムーヴからスキルを見せつけ合い、前菜なのにメインディッシュかと思えるほど見応えのある贅沢な時間と空間になった。本戦では両チームともこれでもかとエナジーを激しくぶつけた熱いパフォーマンスを披露。ジャッジの結果、軍配が上がったのは6票を獲得したRAISERZだった。

この時点でファイナルはaRBとRAISERZとの戦いが決定。その前にLUXと8ROCKSによる3位決定戦が行われた。その結果は、5対4という僅差でLUXが勝利をもぎ取った。

そしていよいよシーズンチャンピオンを決める大決戦の時。aRBはメタリックなシルバーとブルーの衣装にチェンジ。ここでもSPダンサーとしてRIEHATA降臨。彼女がいるだけで信頼感と安心感がチームを包み込む。

セミファイナルとはまた違ったイメージの音と世界観で、前戦が“陽”なら、こちらはどこか“陰”なムードだ。と言ってもそれはネガティブな陰ではなく、ダークな攻め、クールな熱さと言えばいいだろうか。アップビートに乗せた高難度の高速な振りをバチバチに合わせてくるあたり、さすがRHTファミリー。トラックもフォーメーションもめまぐるしく展開し、緩急のメリハリが秀逸。KAITAとSHOTAのアクロバティックなムーヴも効いていた。終始飽きさせないどころか瞬きするのが惜しいほど、作品に引き込まれてあっという間に終わってしまった。

これまでの12ラウンドで見せてきたどの作品とも違った世界観で、RIEHATAの引き出しの多さ、クリエイションの豊かさには感心を超えて尊敬しかない。コレオグラフや演出だけでなく、毎回制作している楽曲においてもだ。歌唱もラップも、作詞作曲も自身でこなしているのだから。彼女はいったいどれだけの才能を持ち合わせているのだろうか。

対するRAISERZは大胆にも無音で、己の身体と声のみで音とビートを奏でるSTOMPスタイルで挑んできた。さらにSPダンサーとしてディレクターのTWIGGZ “JUN”も参戦。会場は彼らの鍛え抜かれた肉体から発せられる迫力のパフォーマンスに目を凝らし、耳を傾けた。ファイナルでこれを持ってきたのは、彼らにとって賭けでもあった。

これまでトータルランキングで何度も1位の座を競ってきた戦友同士。どちらも出し切った。どちらが勝ってもおかしくない。

そして結果は、5対4で見事aRBが初代チャンピオンの座に輝いた。その差わずか1票という接戦だった。

優勝が決まった瞬間、メンバー同士抱き合い涙しながら喜びを分かち合ったaRB。それだけじゃない、対戦相手ともハグしたり握手をしたり、互いの健闘を讃え合う姿が本当に美しく、感動的だった。

それは惜しくも敗れた8ROCKSとLUXも同じだ。どのチームからも互いへのリスペクトが感じられ、それだけでも目頭と胸が熱くなる決戦だった。

最後のコメントの中でRIEHATAはリーグへの思いを語った。「誰も何もわからないまま始まったD.LEAGUE。ダンスってジャンルも違うし、スポーツのように技によってジャッジできるものでもない。だからどうやって勝つかものすごく考えた。戦い方や、一般の方に向けてどれだけ自分たちの努力が伝わるか。そういったことを一生懸命考えながらこのシーズンを過ごしてきた。そんな中で一緒に全力で戦ってきた9チームを本当に誇りに思う」と、試行錯誤しながら共に戦ってきた全チームを讃えた。

そして「これまで観てくれて、応援してくれてありがとうございました! またシーズン2も一緒に盛り上げてください!」と締めくくった。

続いて総評コメントを求められた黒須氏は、涙ながらに話した。「ただただ感動している。みんな素晴らしい。これが次世代の人たちにダンスを繋げるロールモデルになればいいなと思う」。

日本のダンスシーンを長年見続けてきた黒須氏の言葉を、まさに次世代を担う若きDリーガーたちも涙して受け止めていた。

そしてこの日のラストには、これまで共に戦ってきた全チームが登場し、皆で踊って晴れやかにシーズン1の幕を閉じた。

https://www.youtube.com/watch?v=jTrsD4mBVtY

https://www.youtube.com/watch?v=i4UwMLfvtTM

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