藤井フミヤ、8/21横アリ公演を急遽開催中止 ツアー最終公演となった大阪公演のレポート到着
8月21日に予定されていた藤井フミヤの神奈川・横浜アリーナ公演が、感染症拡大を受け急遽、開催中止になった。
同公演は2020年10月に始まり2021年7月に終了した全国ツアー「ACTION」の追加公演。10ヶ月に及ぶ長いツアーの千秋楽になる予定であった。チケットの払い戻しは藤井フミヤ公式サイトを参照のこと。
横浜アリーナ公演中止に伴い、8月9日に大阪城ホールで行われた“One more ACTION”公演が、全国ツアー「ACTION」の最終公演地となった。
大阪城ホールはフミヤにとっても思い出深い会場だ。同ホールが完成したのはチェッカーズがデビューした1983年。翌1984年7月30日に初めてコンサートを行って以来、大阪ではチェッカーズの最後のコンサートまで同ホールを使ってきた。フミヤのソロを含めると大阪城ホールでは80回もやっているそう。
「初めてここでやったとき(’84年)、A席が2500円。その年のマッチ(近藤真彦)のチケットが3000円だったので、俺たちグループなのに、マッチより500円安かったんです」とこぼすと、場内は大爆笑。終始、あたたかいムードの中、今ツアー初のアリーナ・コンサートは進行する。
今回のツアーは、「涙のリクエスト」「ギザギザハートの子守唄」「ジュリアに傷心」といった、これまでのソロ・コンサートでは殆ど演奏されることのなかったチェッカーズ初期のヒット・ナンバーを大放出したことが大きな話題となった。長年のファンには嬉しい1stアルバム(1984)収録の「危険なラブ・モーション」が演奏されると、声援こそあげられないが、オーディエンス全員が大興奮している感じが会場中に伝わってくる。
追加公演となった本公演では、ツアーで演奏されなかった1stアルバム(1984)収録の「危険なラブ・モーション」が新たに加わると、声援こそあげられないが、オーディエンス全員が大興奮している感じが会場中に伝わってくる。
「ACTION」ツアーはコロナ禍の中、何度も中止や延期を繰り返し、10ヶ月にも及ぶ長いツアーとなり、フミヤをサポートするバンド・メンバーもスケジュールの関係で変更を余儀なくされた。その中でもバン・マスの大島賢治(Drums)と山田“Anthony”サトシ(Bass)のふたりはツアー開始から最後まで同行した。この鉄壁のリズム・セクションがあったからこそ、長いツアーが完走できたといっても過言ではない。
そして、もうひとり。最初から最後まで、寄り添ってくれたのがフミヤの弟である藤井尚之だ。随所で印象的なサックスを奏で、ときにはアコースティック・ギターも演奏した。フミヤと尚之といえばF-BLOOD。このふたりが揃っていたのに、実は本ツアー中、同グループの曲はいちども演奏されず、訪れたファンの間でも待望されていた。そんな想いに応えるかのように、この日はかつて猿岩石に書いた「白い雲のように」とF-BLOODの最新アルバム(2020)収録の「君を探しに」の2曲を披露。チェッカーズ・ナンバーに加え、F-BLOOD曲まで聴けた、この日集まったオーディエンスは大満足だったことであろう。
フミヤは「コロナって映画みたいなこと、本当に起こるんだね。でも、これ乗り越えたら俺たち結構強いと思うよ」と昨年秋から始まった何度も中止延期となった長いツアーを振り返る。「こうやって、聴きに来てくれる人がいないとダメなので、本当に今日はありがとうございました」と改めて聴衆に御礼。ツアー・タイトル「ACTION」は、声も出せない状況の中、心で踊ってほしい(ACTION)という思いを込めてフミヤがつけた。「いつか大騒ぎできるようなコンサートができるように・・その時は、また宜しく!」と告げ、最後は観客全員と共に一丁締めで締め「また一緒に遊ぼうぜ!」とステージを降りた。
この日、MCでフミヤは、十音楽団としてこの冬、ツアーを行うことを発表。“十音楽団(とおんがくだん)”はバンドと室内楽アンサンブルの10人の演奏家で編成。シアトリカル要素もある意欲的なステージだ。2019年に16都市で26公演が行われ、今冬のツアーは2年ぶりの開催。詳細は近日発表される。
セットリスト
01.BET
02.TOKYO CONNECTION(※)
03.UPSIDE DOWN
04.Style
05. Rolling my Stone(※)
06.この空の真下で
07.I have a dream(※)
08.星屑のステージ(※)
09.ジュリアに傷心(※)
10. I Love you,SAYONARA
11.Song for U.S.A(※)
12.白い雲のように
13.君を探しに
14.ティーンネイジ・ドリーマー(※)
15.Another Orion
16.TRUE LOVE
17.危険なラブ・モーション
18.GIRIGIRIナイト
19.女神(エロス)
20.NANA(※)
21.ギザギザハートの子守唄(※)
ENCORE
22.涙のリクエスト(※)
23.ALIVE
24.エンジェル
(※)=チェッカーズ・ナンバー