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bloodthirsty butchers、リマスターを経て再公開となるドキュメンタリー映画『kocorono』10年前の特報と予告編を解禁

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映画『kocorono』

公開から10年、デジタル・リマスターを施した新たなマスターにて11月12日から12月2日までの3週間、東京・シネマート新宿にて再公開となる、2011年に公開となった北海道出身のバンド bloodthirsty butchersのドキュメンタリー映画『kocorono』(川口潤監督作品)の10年前の特報と予告編をひさびさに解禁した。

本年はバンド結成35周年、映画のタイトルの元となったバンドの代表作、アルバム「kocorono」の25周年であり、バンドの初ライブの日、1986年11月14日からちょうど35年となる11月14日をまたぐ日程での10年ぶりのロードショー公開となる。

唐突にメンバー同士の激しい言葉の応酬により幕を開ける映画。1986年札幌で結成以来、日本屈指のロックバンドとして君臨し続けた bloodthirsty butchersは、だからこそ産まれる複雑な人間模様や長い活動期間特有の危うい不均衡に立っていた。

吉村秀樹という圧倒的で絶対的な存在を中心に、常に揺れ動くメンバーの思い、あたかも倒れそうな独楽の様になりながらも回り続けるバンド。拾い集められたメンバーそれぞれの吐露は、一方で語られる彼らの偉大さや尊敬を自ら否定していく。『kocorono』は、退路を断ち、ロックに身を捧げることを選択した個によって成り立つ特別な運命共同体=バンドの、存在し続けることの奇跡を描いた映画だ。

監督は『77BOADRUM』(2008)『山口冨士夫/皆殺しのバラード』(2014)の川口潤。バンド内に起きている紛れもない不協和音に正面から向き合い、張り詰めた緊張感をカメラにおさめた。被写体であるバンドを美化するものでもなく、音楽のプロモーションのためのものでもなく、さらには熱狂的なファンに向けたものでもない『kocorono』は映画評論家から日本の音楽ドキュメンタリーの在り方の分岐点となった作品と評されるなど、その作品の独立性が支持された。

映画のタイトルは、「2月」で始まり「12月」で終わる11か月の心象風景を綴ったbloodthirsty butchersの代表作、アルバム「kocorono」(1996年作品)から。

この度の10年ぶりの再上映に際しては、元々デジタルで撮影された本編マスターを監督監修のもと色補正などを行うグレーディング作業を実施。だがその作業は作品の改変や色の変更は一切ない、映画館で上映されるフィルム作品に近い質感を得るためのリマスターで、10年前の上映素材は DVCAMやBlu-rayが使われていたが、この度のリマスターにより本作初のDCP素材での上映となることとなった。

このリマスターは古いフィルム撮影された作品の映像をピカピカにキレイにしてデジタル化する方法論とはまったく異なり、デジタル撮影された作品が映画館での鑑賞に最も適した画質とかたちの上映となるように行われたもの。10年前の上映やDVDなどとはまったく異なる新たな素材での上映が記憶とともにどのように映るのか注目だ。

そして今回解禁となる特報と予告編だが、配給元が当時のデータを捜索して発見した、当時のもの。特報はテロップやキャッチコピー、映画本編の言葉などを使わず、ブッチャーズの音楽と映画のシーンをつないだ40秒間の映像。当時も本予告ができるまでの短い期間しか使われなかった素材で、久々に観た監督も思わず「なつかしい!」と叫んだ貴重な素材。バンドメンバーの笑顔のカットも多く、この時点では映画本編のヒリヒリした空気はまだ表出していない。

そして予告編は映画本編のシーンを音、台詞とともにふんだんに使い、映画本編の中身をダイレクトに伝える大変な緊張感に包まれたものとなっている。散りばめられたメンバーの発する言葉の数々に「大丈夫か」と不安になること必至。なお、予告編のテロップなどの情報はすべて当時のものとなっている。

そして11月14日、ブッチャーズは結成35周年を迎えるが、これを記念して、「bloodthirsty butchers since1986」と題した展示が決定。1986年から彼らが歩んだ軌跡を象徴するメモラビリアの一部、ライブのフライヤー、アルバムの発売告知ポスター、ジャケットに使われた原画などがライブハウスである東京・新代田FEVER内のPOOTLEで展示される。開催期間は11月11日〜21日となっている。

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