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三阪咲「自信を持って、聴いてください!と言える作品になりました 」 挑戦心と表現欲に満ちたメジャーデビューEP『I am ME』を紐解く

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三阪咲

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18歳のシンガー・三阪咲がソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューし、EP『I am ME』を2021年11月1日にデジタルリリースした。『I am ME』は、新たな試みや洋楽的アプローチで魅せる表情豊かな4曲が収録されており、タイトル通り“私は私”という芯の強さを感じさせるEPとなっている。
そんな今作を紐解くとともに、改めて“メジャーデビュー”についての心境を訊いた。

――まずは、メジャーデビューおめでとうございます!

ありがとうございます! 今の時代、メジャーであれインディーズであれ自分らしく活動していくことができるとは思うんですけど、小さいころから歌が好きで続けてきたので、メジャーデビューという大きな機会をいただけたことは、やっぱりすごく嬉しいです。

――小さいころから歌が好きだったという三阪さん、どんなきっかけから歌に目覚めたのでしょうか。

母は音大出身、父はもともとバンドのボーカリストだったからか、音楽がいつも身近にあって。幼稚園のころだったかな? Superflyさんのアルバム全曲とか、宇多田ヒカルさん、コブクロさんの歌を口ずさんでいたみたいです。ただ、最初に習ったのはダンスなんですよ。

――小学校低学年のころですか?

そうです。その後、上級クラスに進むためにダンス&ボーカルのスクールに移ることになったら、ダンスだけじゃなくてボーカルコースも受講すると半額になるよっていうことを聞いて、歌も習うようになったんです(笑)。

――歌のレッスンを始めてみたら……。

すごく楽しくて! レッスン開始から3か月くらいのタイミングで、スクールのボーカルコンテストがあったんですけど、そこで賞をいただいたんです。

――スーパーキッズなエピソードが次々と出てきて驚きますが、そのボーカルコンテストで賞をとった時点でまだ小学生ですよね?

小学校4〜5年生くらいですね。そこから、ライブハウスのステージに立つようになって。ポップロックとかヘヴィメタルとか、いろいろなジャンルのバンドさんに混ざりながら歌っていました。

――生まれ持ったとてつもない歌唱力は、そうやってますます磨かれていったのですね。その後、路上ライブをスタートさせたそうで。

ライブハウスってだいたいはお目当ての人がいて足を運ぶところなので、もっとたくさんの人に自分の歌を聴いてもらいたい!と思うようになって。その後、両親の協力もあり、『MUSIC BUSKER IN UMEKITA』(複合商業施設のグランフロント大阪とFM802による、ストリートミュージシャンを応援するプロジェクト)のオーディションを受けて、ひとりでストリートライブをするようになったのが中3くらいのことです。

――その歳で不特定多数の人の前で、しかもひとりで歌うって相当な肝っ玉です。

スクールに通っていた時に、スタジオをちゃんと許可を取らずに使ってしまったために、しばらくスタジオが使用禁止になり、寒さに震えながら公園で練習するしかなかったっていう経験もあったので……それより怖いものはなかったというか(笑)。メンタルがすごく鍛えられていたんでしょうね。ひとりでステージに立つことも、はじめましての人に観てもらうことも平気でした。それは、いつでも協力して応援してくれた両親のおかげもあるなと思います。

――今回のメジャーデビュー、ご家族もさぞや喜んでくれていることでしょう。

すごく喜んでくれているし、メジャーデビュー作『I am ME』を聴いて、父が「かっこいいね」って言ってくれました。

――それは嬉しい言葉ですね。なお、第98回全国高校サッカー選手権大会の“応援歌”に「繋げ!」が、“みんなのアンセム”に「We are on your side」が起用され、大会史上初めて“応援歌”と“みんなのアンセム”を同時担当するという快挙を遂げたのが、2019年。以降、「私を好きになってくれませんか」「僕でいいじゃん」がABEMAの人気リアリティーショー『今日、好きになりました。』のテーマソングに、「友よ恋よ」がドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』主題歌に、「Bling Bling」がティーン向け女性ファッション誌『Seventeen』創刊以来初となるテーマソングに起用されるなど、ここまでも活躍目覚ましい三阪さんですが、振り返って自分的なターニングポイントは?

本当にたくさんの経験をさせていただいているんですけど、中3のときに出演した『音楽チャンプ』は自分の中でとても大きいですね。準優勝して、そのタイミングで過去の路上ライブ映像をファンの方がYouTubeにたくさん上げてくださって、それがTikTokでも広まって……たった1〜2週間で、SNSのフォロワーが1000人くらいから10万人以上になったんですよ。そこから、全国各地のライブイベントに呼んでいただいたり、高校サッカー選手権大会の“応援歌”と“みんなのアンセム”を同時担当することになって、決勝戦が行われた埼玉スタジアムで歌唱もさせていただいたりしたので。『音楽チャンプ』出演で、自分の人生が変わっていったと思います。

――ドラマや映画になりそうなサクセスストーリーです。

埼玉スタジアムで歌った直後コロナ禍に見舞われて、2020年2月に行われる予定だった全国ツアーがなくなったりもしたんですけど、『今日、好きになりました。』や『荒ぶる季節の乙女どもよ。』、『Seventeen』のテーマソングを担当させていただくことで、同世代の女の子はじめ、たくさんの人に私の存在や歌を知ってもらうことができたので。素敵な機会をいくつもいただけて、本当にありがたいし、幸せだし。全部意味があるんだろうなと思います。自分の一番の居場所であるステージに立つことがなかなかできなくてもどかしさはありましたけど、ピンチはチャンスでもある、みたいな。ただ、支えてくださる方や応援してくれる方があってこその活動ではあるので、その感謝の気持ちはこれからも忘れたくないです。

――そして、いよいよリリースされるデビュー作『I am ME』。ジャンルレスで表情豊か、新たな試みや洋楽的アプローチでも魅せつつ、タイトル通り“私は私”という芯の強さを感じさせるEPになっていますね。

そう感じていただけて嬉しいです! 今回は全曲を海外の方に作っていただいて、これまでは等身大な三阪咲として自分で書いていた歌詞も作詞家さんにお願いして。ぐっと大人な表情を見せることができました。

――今回、自ら作詞をしなかったのは敢えてのことでもあるわけですか。

これまでたくさんの曲をカバーしてきて、その曲その曲の世界を自分なりに伝えるということが大好きで、このメジャーデビューというタイミングで“歌で勝負する”という挑戦をしたくて。4曲それぞれ、作詞家さんとしっかり意思疎通しながら、自分の想いや歌いたい言葉を歌詞にしていただきました。これも私、それも私、どれも私なんだよ、ということを示せたと思っています。

――歌で勝負するという三阪さんの決意は、出だしのフェイクから心惹きつけられてしまう「My Type」で、すぐさま伝わってきます。ファルセットの重ね方も丁寧で美しいです。

これまでの曲では声を張って歌うことが多かったんですけど、「My Type」は繊細に表現しないといけない歌で。英語詞が多くて、ところどころに入ってくる日本語を日本語っぽく歌ってしまうと違和感が出てきちゃうから、日本語のところも英語っぽく歌ってみました。

――そのさじ加減が絶妙なのでしょうね、耳に心地よい歌声です。

聴き心地のよさを大事にしたかったのでよかったです。新しいアプローチで難しさはあったんですけど、大人っぽく歌えた手応えはあります。

――<you’re my type type type>というフレーズ然り、“君”に夢中な歌詞には、“instagram”や“DM”といった今っぽいワードがあったりして。

会ったことはないけどSNSでつながることって、今は当たり前にあることで。そこから始まる恋愛を「My Type」の歌詞では描いてもらったんです。止められない想いに揺れるキュートな女の子がイメージできるんじゃないかなと思います。

「My Type」Official Music Video

――一転して、タイトルそのまま、“強くなる”という意志をにじませる「Get Stronger」。低めの歌声、ラップパートも凜としてかっこいいですね。

ラップの韻の踏み方とか、めちゃめちゃかっこよくて。デモ音源をいただいた時点で、テンションが上がりました!

――<負けからI’ll be back> <I’m not stopping さあ見てな> <Don’t give up on what you want ya>など、不屈の精神を宿すフレーズがちりばめられた「Get Stronger」の歌詞は、聴き手を奮い立たせてくれます。夢を追い、自分を信じて歩んできた三阪さんの人生観が投影されているのでしょうか。

まさにそうですね。たとえば試合やコンテストで勝てなかったとしても、負けたからこそ得るものや気づくことがあると思うし、勝ちがすべてじゃないし。全国高校サッカー選手権大会に歌で関わって熱い闘いを目にしたり、自分自身が『音楽チャンプ』で優勝できなかったり、そういう経験を通して明確になっていった想いを言葉にしていただきました。学生だったら、中間テストで自分の目指す順位をとれなかったとしても、じゃあ次の期末テストで頑張るぞって思ったりとか。<ダサい日もneed it>で全然いいし、負けた悔しさもバネにして進んでいくぞ!っていうときに、「Get Stronger」がその背中を押せたらいいなと思います。

――タイトルといい、ラテンテイストといい、突き抜けるようなサビといい、インパクト大な「DANNA」はとんでもなく中毒性の高いナンバーです。

最初に聴いたときは、どんな歌!?って思考が追いつかなかったんですけど(笑)、キャッチーさはちゃんとあるので、気づいたら口ずさんでしまうという。かなりパンチのある曲に仕上がりました。

――三阪さんのパワフルな歌声がまた素晴らしいです。

力を抜いて歌う曲が多い今回のEPの中で、「DANNA」はガツっと歌う感じの曲なので。すごく楽しかったし、伸び伸び歌えました。

――タイトルでは“DANNA”、歌詞では“ダンナ”と表記されていますが……。

これ、“旦那”なんですよ!

――女子高生がなかなか口にしないような単語な気がします(笑)。

それがですね……私は女子校に通っているんですけど、みんな自分の好きな俳優やアイドル、タレントさんのことを“旦那”って呼ぶんです。

――なるほど、自分の推しを“旦那”と言うわけですね。

そうですそうです。「ウチの旦那のビジュやばい!」とか(笑)。っていう話を制作陣としていたら、「じゃあそれを歌詞にしようよ」っていうことになって。そのまんま歌詞に入って、タイトルにまでなってしまうとは思っていなかったから、私も驚きました(笑)。「DANNA」の歌詞、“ダンナ”のほかは“ワタシ”と“ダメ”しか日本語が出てこないっていうのも、攻めていて好きです。

――続いて、「Rollercoaster」は三阪さんの伸びやかなハイトーンが映えるナンバーですね。

デモ音源には英語の仮歌が入っているので、日本語の比率が高い「Rollercoaster」は「My Type」以上に日本語詞を歌うのが難しくて、実はレコーディングするのに12時間くらいかかったんです(苦笑)。王道な展開でサビでドカンとくるところも大好きだし、歌っていてすごく爽快感があります。

――ローラーコースターをモチーフに、なかなか素直になれない主人公が<落ちる瞬間だって 君となら>と本心をのぞかせる歌詞は、多くの共感を呼びそうです。

作詞していただいた方と恋バナをした上で生まれた歌詞なんですけど、主人公のツンデレなところがかわいいですよね。きっとたくさんの人にわかる!って思ってもらえる歌詞だろうし、すべてをさらけ出せる“君”に出会えたらめっちゃ素敵なはず、ワタシもこういう恋愛ができたらいいなって憧れたりもします。

――ちなみに、「Rollercoaster」の“君”は、三阪さんにとってのファンの方たちでもあるのかなと感じましたが……。

確かに、一緒なら怖くないし、隣にいてもらえたらと私がまず思い浮かべる“君”は、ファンのみなさん。『I am ME』は新しい挑戦をたくさんしている作品だから、「三阪咲、変わっちゃったのかな」と思う方もいると思うんですけど、それも私なので。進化していく姿をこれからも見続けてほしいし、この作品を通してその気持ちがファンのみなさんに伝わるように願っています。

――新たな扉を開いた『I am ME』の制作を通して、なにか見つけものはありましたか?

もともと洋楽が大好きで、ライブでカバーしてきたりはしましたけど、英語がこんなに入っているオリジナル曲を歌うのは初めてのことで。英語での表現に向き合うことで、日本語での表現にもあらためて向き合うことができたんです。今後、自分で英語詞を書きたいし、音楽的にももっともっといろんなチャレンジをしていきたいなって思わせてくれた作品でもあります。

――そうした挑戦心や表現欲に満ちた『I am ME』に触れれば力が湧いてきますから。この作品にたくさんの方に出会ってもらいたいですね。

本当にそう思います。自信を持って、聴いてください!と言える作品になりました。この曲を聴くと元気が出るとか、この曲はテンションが上がるとか、この曲は浸れるとか……みなさんと感覚を共有できたら嬉しいし、みなさんの日常に彩りを添えることができたらいいなと思っています。

――メジャーデビューという、大きな一歩を踏み出した三阪さん。この先に向け、どんな期待感を抱いていますか?

自分の一番の居場所はやっぱりステージ。曲をたくさんの方に聴いてもらって、愛してもらって、もっと大きなステージに立ちたいし、何度かイベントで出させていただいている地元・大阪の大阪城ホールをひとりで埋めたい、という気持ちは強いです。そして、コロナ禍が明けたら、『I am ME』の曲をはじめ、ライブ会場でみなさんと一緒に歌声を重ねたいし、『I am ME』で英語詞を多く取り入れたのは海外での活動も視野に入れてのことなので、いつか海外でもライブしたいし。一歩一歩を大事にしながら、思い描いている夢を実現していきたいです。

取材・文=杉江優花

『Saki Misaka One-Man Live 2022 at KT ZEPP Yokohama』

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