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mahinaの『TORCH』ツアーファイナルが、11月10日(水)東京・SHIBUYA CLUB QUATTROで開催。オフィシャルレポートが到着した。
先月10月6日、昨年からのデジタルシングルと新曲を収録した初のフルアルバム『TORCH』をリリースしたmahina。
既に2020年のシングル「everyday」が全国24局のラジオ局でパワープレイに選出されるなど、壮大な世界観を持った楽曲、ゆらぎのある低音と美しいハイトーンボイスが音楽ファンの間で話題となっていたが、意外にも今回が自身初のツアー。その声を生で体感したいと待ち侘びたファンも多く、チケットはソールドアウトとなった。
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大きな拍手と共にステージに登場したmahinaが、マイクスタンドにあしらわれた「TORCH」に火を灯し、今アルバムのCD限定トラック「Good Night My Dear」からライブがスタート。
美しく神聖な声が静かに会場を包むと、一瞬でmahinaの世界観に引き込まれる。続けて「YOU」のイントロが始まると、笑顔のmahinaが観客に手拍子を煽る。
幻想的なオープニングとは打って変わり、ハイトーンが続く曲をのびやかに歌い上げていく。mahinaの楽曲の特徴でもある重厚なコーラスも心地いい。続けてアコースティックギターの音色から心地よいストリングスが織り交ざる、まさにmahina流アッパーソングとも言える配信シングル曲「僕のSOS」で会場のボルテージが一気に上がっていく。
3曲を歌いきって「皆さん、こんばんは!」と、ひとこと挨拶をすると、拍手がしばらく鳴り止まず、話し始めるタイミングを迷う場面も。これは、オープニングからファンの期待に応えられた証明だろう。
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不思議な浮遊感のある「chandelier」の後に披露された、アルバム「TORCH」収録の新曲「翔べない鳥」は、サビでバンド、コーラス、そしてmahinaの声を全身に浴び、まさにライブの醍醐味を味わえる前半のハイライトの一つとなった。
「TORCH」では、ストリングスを多用した壮大なアレンジや、ゴスペルの響きを感じるコーラスといった世界観が確立されているが、それ以前の楽曲の幅広さにも驚かされる。
ライブ中盤、ゲストとして招き入れられたAnlyと披露した共作曲「4:00 a.m.」の日本語ラップ、「I love you Orchestra Swing Style feat. mahina」としてリリースされている「Night Distance」のチル感、アッパーな「eyes」での力強さなど、様々なタイプの楽曲を自由自在に表現しながらも、その中心にあるmahinaの声の存在感は全く揺るがない。
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そして何より、mahina自身が歌うことを心底楽しんでいるように見え、その様子に観客もますます触発されていく。
アコースティック、バラードのコーナーも、mahinaのよりピュアな部分を堪能できる時間となった。そして、本編ラストに披露されたのは、NulbarichのJQがプロデュースした「Lamplighter」。自然と起こる手拍子や、両手を挙げ自由に体を揺らす観客。その平和で満足感に満ちた空気に、ふと夕暮れ時の野外ステージで歌うmahinaをイメージした。
アンコールを求める拍手に応じ、ツアーグッズのTシャツをリメイクしたワンピース姿でステージに戻ってきmahina。ここで、この公演の後日配信と、2022年1月のシングルリリースが発表された。続けて「沢山の人に支えてもらい、感謝という言葉や“ありがとう“では足りない。今日ここに立って、本当にそう感じます。」と、ゆっくり言葉を選びながら伝える姿は初々しく、それでいてとても心に響く。
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アンコール曲の「羊」と「everyday」では、スケールの大きなサウンドと、全身を使ってメッセージを伝えるmahinaの切実な姿に、会場の一体感と開放感もピークに。mahinaの歌声にはまだこんな強さと美しさがあったのかと驚かされる。彼女の世界観の代表とも言える荘厳かつ高揚感のあるこの2曲は、よりエモーショナルな感情が歌声で表現され非常に濃厚な締めくくりとなった。
こうして、粒揃いの楽曲とその天性の歌声を存分に発揮し、会場いっぱいに幸福な余韻を残してmahinaの1st Tourは幕を閉じた。このライブの模様は、12月19日(日)20時〜スペースシャワーTV公式LINEアカウントにて無料配信される。会場に足を運べなかったファンのみならず、ぜひこの機会にmahinaの唯一無二の歌声に触れてほしい。
撮影=藤田 駿