NightOwl
折原伊桜(オリハラ イオ)、百城凛音(モモシロ リノン)、雨夜憧(アマヤ アコ)、長谷川嘉那(ハセガワ カナ)の4人からなるアイドルグループNightOwl。プロデューサーがNightOwlの完成系と語っていた5人体制でのラストライブを経て、新たに羽ばたき始めた彼女らに、4人で歩んでいく未来への想いを率直に訊いた。
――10月9日・東京での出演イベント、10月12日・大阪のワンマンでお披露目をして、4人体制での活動がスタートしたNightOwl。4人になっての感触は?
折原:まだ、NightOwlをずっと好きでいてくれてる人の中にも、「どんな感じやろ?」みたいな空気はあって。私たちも「4人のNightOwlもいいね!」と言ってもらえるにはどうしたらいいか、手探りで見つけている最中といった感じですね。
百城:4人になってからはより個々が見えるので、個々がスキルアップする時期だとも思ってて。個々のスキルアップがグループに反映出来ればいいなと思って頑張っています。
折原:でも4人になってから、ダンスの面で長谷川がリードしてくれてる部分もあって。その日によって、フォーメーションが変わる場合があるんですけど。そんな時はライブの直前に「ごめんやけど、フォーメーション考えてくれへん?」って長谷川に相談したり。結構、頼りになるんです。
――では、長谷川さんのグループ内での役割も変わってきた?
長谷川:そうですね。新メンとして私と望月が入った時は、3人に助けてもらうことが多かったんですけど。もう新メンと言って、甘えていいほど浅くないし。プレッシャーや焦りはあるんですけど、ダンスでは負けたくない!という気持ちもあるので、ダンスで引っ張って行きたいと思うようになりました。
――雨夜さんは4人になっていかがですか?
雨夜:私は5人になった時に人数が増えると同時に、それぞれの良いところがたくさん見えて。「私はどうなんだろう?」って、自分を見つめ直す機会にもなったんですけど。「自分は自分でいいんだ」と思えた時にスッキリして、髪を切って見た目も変えたんです。いまは4人になって、それぞれが地に足つけて立たなきゃいけない時期だと思うので。私もみんなも自分を出せればいいなと思ってます。
NightOwl
――10月4日の5人体制のラストライブを見させてもらった時、オリジナルメンバー3人はそれぞれが魅せ場を作って、すごく個性が際立っていて。5人になって頼れる背中も見せなきゃいけないし、意識や責任感ってところで大きく成長したんだろうなと思いました。
折原:5人になってすごい悩みました。悪い意味で5人が並列じゃいけない、馴染み過ぎちゃいけないと思って。私も「自分とは?」というのを見つける期間だと思ったし、「どうしたらいいかな?」ってよく話し合ってました。そこでYouTubeで「折原伊桜が歌ってみた」で色んな曲に挑戦したりして。意思表示じゃないですけど、歌やダンス以外にも個々のキャラを出していけたらいいなと思ったし、そこから何か始めたいと思ったし。
百城:私は「自分をこう見せたい」というのが分からなくて悩んでたんですけど、5人になった時に「しっかりしてないと埋もれちゃう!」って焦ったんです。そこで自分の軸にあるものを考えた時、「そうか、私は人に元気を与えたいんだ」と思って。歌とダンス以外にも、色んな表現でみんなの心を動かしたいと思ったし、それを伸ばしていったら自分らしさが出せるのかな?と思って。いまはそこをどんどん伸ばしていこうと思っているんです。
――オリジナルメンバーにしたら、新メンが入って引っ張っていかなきゃいけないけど、自分自身も高めなきゃいけない。グループとしては、3人でやっていたことを5人で再構築しなきゃいけない。5人になったばかりの頃は課題がたくさんあって、大変な時期だったんですね。長谷川さんはNightOwlに加入した時の気持ちって?
長谷川:「どうしたらいいんだろう!?」って不安ばかりでした。みんなの足を引っ張ってると思ったし、一人で色々抱え込みすぎて、「出来ない出来ない!」ってパニックになってたところもあって。いまも個性は出せてないと思うし、考えていかなきゃいけないことだらけで、悩んでばっかりいるんですけど。入った当初と比べたら、少し心に余裕を持ってやれているかな?と思います。
――確かに5人のお披露目の時は戸惑いや不安も見えたけど、10月4日のライブでは、長谷川さんの真剣な表情から「私はここからも続けていくんだ」という覚悟が見えました。
長谷川:お客さんからは「大丈夫?」って言われることも多いですけど(笑)。一緒に入った望月が抜けて、「パフォーマンス力が落ちたね」と思われるのは絶対に嫌で。人数は減ったけど、パフォーマンスは上げていきたいし、早く自分を出せていけたらいいなと思いながら、いまも悩み中です。
長谷川嘉那
折原伊桜
――長谷川さんが個性を出していくってところで、3人から見る、長谷川さんの魅力やみんなに見せていきたい部分ってどこですか?
百城:実は色々隠し持ってるんです、彼女は(笑)。
折原:まず、思ったよりクレイジーだよね?(笑) 肝が座ってて、「ここで変な顔して!」みたいな無茶振りもサラッとやるし。
雨夜:ダンス練習の休憩の時とか、折原が奇怪な動きをすると、長谷川がそれを真似して、振り付けみたいに踊ってたりね(笑)。そうするとダンスが上手いから、奇怪な動きがダンスに見えて来るという不思議な空間が生まれて、すごい面白いんです。
――それは今後の振り付けに繋がるヒントかも知れない(笑)。
長谷川:はい。5人での活動を経て、4人になっても私はNightOwlに居続けて。ここからは望月の良さも受け継いでいきたいと思ってるので、5人の時期があったのはすごく良かったと思っています。
――短い期間ではあったけど、5人になってそれぞれが悩んで考えてという時期は、すごく重要な期間だったんですね。
折原:そうですね。5人の期間があったからこそ、いまは「4人でも5人を越えたい」って気持ちもすごいあるし。プロデューサーの小山さんには“5人が完成形”と言われてるんですけど、4人でも完成形を見せてやりたいと思ってるし。どんな時でも最新型のNightOwlを自信を持って見せて、「これがNightOwlです!」と言えるようにしたいと思ってます。
NightOwl
――長谷川さんがグループに馴染むまでは、時間かかりました?
長谷川:時間かかりました(笑)。最初はすごく怖くて、「どう接したらいいんだろう!?」と思ったし。「凄い人たちだ」って思っていたから話しかけづらかったし、今も慣れてるかっていうと……。
雨夜:え、まだ慣れてないの!?(笑)
折原:長谷川のときは最初のオーディションだったので、私たちも構えてしまっていてその時の印象が残ってたのかも。オーディションは3日くらい一緒にレッスンして、NightOwlの曲を一緒に歌って踊ったんですけど。この段階で本気になれない人とは一緒にやれないと思って接してました。私たちも人生かけてるから、それくらい真剣だったんです。オーディションを受ける側も大変だったけど、こっちも大変で。終わった後、ドッと疲れが出ちゃいました。
――でも、長谷川さんはそれを乗り越えて加入して、いまも食らいついてますからね。根性ありますよ!
折原:今は長谷川がいないと踊れないパートもあるので、本当にありがたいと思ってます。
雨夜:ダンスがすごく上手いから、私たちはもっとダンスを頑張らなきゃいけないなと思えて、逆に長谷川や望月から貰ってたものがありました。
長谷川:……そんな話、初めて聞いたのでドキドキしてます(笑)。
――改めて話す機会も無いでしょうし、このタイミングでそれぞれの気持ちを聞けたのは良かったかも知れないですね。
折原:そんな経緯があってNightOwlは、今年の1月に5人になったんですが。コロナ禍で半年以上、活動が出来ない期間が続いて。望月の脱退が決まってからもライブが延期したり、ここぞのところで活動が止まっちゃって、私はめっちゃモヤモヤしてたんですけど。昔のカメラロールを眺めてた時、みなさんと撮ったチェキがいっぱい保存してあって。初期の頃からいまも来てくれている方がすごく多いことに気付いて、こんなに活動出来ない期間があったのにいまも来てくれることが本当に嬉しかったし。ライブが出来なくて悔しい思いをしてる時も「次、頑張ろな」と言ってくれる人がいて、私たちも「絶対に立ち続けるから!」と言って。NightOwlと応援してくださる方の関係性がまた強くなったのを感じて、本当にありがたかったんです。
百城凛音
雨夜憧
――長谷川さんは望月さんが辞めると言った時、「じゃあ私も……」って気持ちがよぎった瞬間はあったんですか?
長谷川:全然無かったです。望月とは4年来の仲で、ずっと一緒にいたんですけど、あの子と私の選ぶ道がだんだん別々になっていって。あの子はあの子、私は私の人生があって、あの子が決めたなら、「応援するよ」って言ってあげるべきだと思って。辞めるのを聞いた時はめちゃくちゃショックで落ち込んだし、号泣しまくったんですけど。すぐに「あの子のぶんまで頑張ろう!」と思えたんです。
――出会って4年、いつの間にか二人とも自分の道が考えられるまで成長してたんですね。
折原:なんかそのエピソード、NightOwlっぽいな(笑)。私たちは「自分はやりたいから!」って人間の集まりですからね。
――あはは。決して順風満帆な活動ではないけれど、ファンの人はその中で必死に頑張ってることを理解してくれてるし、きっと自分のことのように心配して応援してくれていて。このドラマチックな展開もNightOwlの魅力のひとつになっていると思いますよ。
折原:応援してくれる人たちは本当に私たちのことを想ってくれてて、どう恩返したらいいんだろう?と思うくらいで。本当に幸せです。
NightOwl
――そこは素晴らしいライブや音源で恩返しするのが一番で。最新EP『Answer』を届けられたのも恩返しだし、ライブで新しい魅力を見せていくのも恩返しだと思うのですが。『Answer』の新曲たちは、NightOwlにどんな影響を与えましたか?
百城:いままでのNightOwlに無かったタイプの曲が入ったEPなんですけどこんなNightOwlも「良いな!」と思わせるのも私たちの役目だと思ってるので。そこでまたみんなのギアが上がって、気合いも入ったし。お客さんも一緒に踊れる曲もあるので、みんなで作り上げていくEPになったなと感じています。
雨夜:「Answer」に収録されている曲たちはツアーの中で、お客さんたちや望月を含めた5人で過ごしてきた時間を経て、どんどんNightOwlの曲になってきて。他の曲もそうなんですけど、お客さんやメンバーと重ねてきた時間が増えれば増えるほど伝えたい核の部分がより深くなると思ってて。特にアルバムタイトルにもなっている「Answer」は、その答えになってくれる曲だなと気付いて。前に進んでいれば迷ったり悩んだりすることもあるかもしれないけど、この曲を連れて歩いたら、きっとこの先の答えも出してくれるし、それに合わせてどんどん進化する曲だと思ってるんです。
折原:私はEP全曲に言えることで、曲をいただいた時に歌詞がなんだか入ってこなくて。例えば、「16進数の海辺」とか、<5分だけずれた時間の中で すれ違う>って最後の歌詞がちょっと重いなと思って歌ってたんですけど。ツアーでお客さんの顔を見て歌ってる時に、重いまま伝えるのは私たちらしくないなと思って。改めて読み解いていったら、「後悔って振り返る時にするのが後悔なんじゃないか?」って気付いて、「後悔するということはもう先に進んでるから大丈夫」って解釈で歌えるようになってきて。お客さんを前にした時に伝えたいことが見えて、歌の意味が変わってきたんです。
――長谷川さんは『Answer』が加入後初の音源になります。
長谷川:3人時代の曲もすごく大切なんですけど、短い時間でも5人で残せた『Answer』は特別で。歌自体もそうなんですけど、振り付けの面で携わらせてもらうことになって、レコーディングが終わった後に振り付けを考えて、「ここは誰が歌うから、誰が綺麗に見えるように」とか考えるのもすごく好きで。これから振り付けをどんどん考えられるようになったらもっと楽しいだろうし、こうしてひとつ形を残せたことも嬉しくて思い入れはめちゃくちゃ強いです。「この曲たちは5人だったよ」ってことも伝えつつ、このEPの楽曲たちと一緒に成長していけたらいいなと思っています。
――では最後にこの先、4人で歩んでいく未来ってところで、具体的な目標などはありますか?
折原:望月が脱退するって決まったのも急だったので、5人のラストと4人の始まりを並行して練習して、バタバタの中で脱退ライブにもなったツアーファイナルを迎えて。正直、まだ4人の形に慣れていなくて。もっと規模の大きなワンマンがしたいとか、全国ツアーがしたいとか、やりたいことは小さいことから大きいことまでいっぱいあるんですけど、ライブでも4人の空気を掴み始めているので、ここから次の道や目標も見つけていくことになるんですけどそんな中でも「いまのNightOwlが一番ええから!」って気持ちだけ忘れず持ち続けて、お客さんが見ててワクワクする4人の目標を見つけたいです。
取材・文=フジジュン 撮影=大橋祐希
NightOwl