大塚直哉(C)T. Kaneiwa
2022年3月26日(土)神奈川県民ホール小ホールにて、C×Baroque(シー・バイ・バロック)『大塚直哉が誘うバロックの世界Vol.1 バロックの生まれた時~オペラの誕生』が開催される。
日本を代表するチェンバロ、オルガン、クラヴィコード奏者で、レクチャーコンサートやワークショップなどバロック音楽の普及にも力を注ぐ、古楽のスペシャリスト・大塚直哉。大塚は神奈川県民ホールでは、2013年から舞台芸術講座シリーズ「チェンバロの魅力」の講師を務め、演奏とトークで古楽の魅力を届けてきた。この「チェンバロの魅力」をリニューアルした全5回の本格コンサート・シリーズが、今回の『大塚直哉が誘うバロックの世界』だ。新シリーズでは、公演ごとに異なるテーマを設け、大塚直哉とゲストアーティストの演奏を楽しみながら、バロック150年の歴史を辿り、バロック音楽の世界を探訪する。
大塚直哉(C)T.Kaneiwa
神奈川県民ホールのチェンバロ (C)T. Kaneiwa
第1回のテーマは、「バロックの生まれた時~オペラの誕生」。2人のソプラノ、鈴木美登里と中山美紀をゲストに迎え、モンテヴェルディ『オルフェオ』や、ヘンデル『エジプトのジュリオ・チェーザレ』といったバロック・オペラの名場面など、バロック音楽が花開いた17世紀イタリアの作品を中心としたプログラムを届ける。
大塚直哉メッセージ
大塚直哉 (C)E. Shinohara
ゆがんだ真珠を意味すると言われる「バロック」という言葉が、いまなおわたしたちを揺さぶり、惹きつける力を持っているのはなぜなのでしょう。17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパのいわゆるバロック音楽、直線や均等なものよりも、美しい装飾をまといながらうねる曲線や、光と影のようなダイナミックな対比に生命力を感じ、そして大胆な空間意識の中に、宇宙の、自然の、そして人間の真理を追究しようとした芸術です。この時代の音楽を代表する楽器のひとつ「チェンバロ」の奏でる音は、瞬時に多くの人に届けようとする現代のアートシーンの表舞台には出にくいものですが、しかし、心のひだにそっと届いて、思いもかけない感情を揺さぶる力を秘めています。
このチェンバロという楽器をナビゲーターに、毎回、様々なゲストをお招きしながら、この古くて新しい「バロック」音楽の世界を見渡そうというシリーズが始まります。
初回は、「バロックの生まれた時~オペラの誕生」と題して、鈴木美登里さん、中山美紀さんという素晴らしい二人の歌手とともに生まれたばかりのバロック・オペラの名場面など、17世紀イタリアの作品を中心にお届けします。ぜひ、お楽しみに!
ゲスト
鈴木美登里
中山美紀 (C)Kohán István