「新国デジタルシアター」
新国立劇場が、主催公演等の映像配信を行うプラットフォーム「新国デジタルシアター」を開
設したことを発表した。
「新国デジタルシアター」は、小さなお子様から年配の方まで、時や場所を選ばずに、より自由な形で舞台芸術を楽しめるよう、また、新国立劇場と多くの方々の出会いの場となることを目指し企画された。今後、「新国デジタルシアター」では、新国立劇場の多彩な舞台作品を映像で配信していく、とのこと。
今回、2021年のクリスマスイブより3週間、オペラ『セビリアの理髪師』、演劇『消えていくなら朝』の2作品の公演映像を年末年始特別配信として無料でおくる。
オペラ『セビリアの理髪師』 2020年2月 撮影:寺司正彦
オペラ『セビリアの理髪師』(2020年2月11日上演)は、軽妙洒脱なストーリー展開と軽やかな声の妙技が楽しいロッシーニ随一の人気作。
オペラ『セビリアの理髪師』 2020年2月 撮影:寺司正彦
オペラ『セビリアの理髪師』 2020年2月 撮影:寺司正彦
軽快な序曲、「私は町のなんでも屋」「今の歌声は」など名曲に溢れており、カラフルでポップな舞台で描かれるラブコメディは、年末年始の団らんにもぴったりの作品。2021年10月『チェネレントラ』でも客席を沸かせた脇園彩、ルネ・バルベラをはじめ、フローリアン・センペイ、パオロ・ボルドーニャなど充実のキャストが揃った公演だ。
演劇『消えていくなら朝』 2018年7月 (手前)鈴木浩介(奥)高橋長英 撮影:谷古宇正彦
演劇『消えていくなら朝』(2018年7月26日上演)は、時代をつかむ劇作家・蓬莱竜太が、新国立劇場のために書き下ろした家族劇。とある家族を通して、仕事や日常生活というそれぞれの人生と、家族として断ち切れない絆の中で、生きていく幸せを問う渾身の作品。宮田慶子前芸術監督の任期最後の作品として上演され、本作品は第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞した。
新国デジタルシアター開設について 新国立劇場より
新国立劇場は、このたび、主催公演等の映像配信を行うプラットフォーム「新国デジタルシアター」を開設しました。
2020年の春以降、新国立劇場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの公演中止を余儀なくされましたが、その間新たな試みとして公演映像のオンライン配信を行ってきました。2020年4月の第1回目の緊急事態宣言下の活動自粛期間中に、「巣ごもりシアター」と題して、計10作品のオペラ・バレエ作品を配信、延べ25万回もの視聴回数を集めました。また、無観客開催の要請を受けた2021年5月のバレエ公演『コッペリア』では、全4キャストの公演をライブ配信し、4日間の最大同時視聴者数として約16万7千人を記録しました。
これらの反響を経て、映像という形で舞台芸術をお客様にお届けする「新国デジタルシアター」を開設することといたしました。
舞台芸術の醍醐味は劇場においてライブでご観劇いただくことは言うまでもありませんが、一方、デジタルの力を活用した映像配信には、小さなお子様からご年配の方まで、時や場所を選ばずに、より自由な形で舞台芸術をお楽しみいただけるという大きな可能性があります。本デジタルシアターが、新国立劇場とより多くのお客様の出会いの場となるとともに、舞台芸術の新たな鑑賞スタイルの一つになることを願っています。
なお、「新国デジタルシアター」では、そのほか、オペラ『カルメン』、『Super Angels スーパーエンジェル』、オペラ研修所修了公演『悩める劇場支配人』(ハイライト)が配信されている。