ミュージカル『四月は君の嘘』
2022年5月に日生劇場にて上演する、ミュージカル『四月は君の嘘』のメインビジュアルが解禁された。
2020年7月に上演予定だった本作は開幕目前で全公演中止に。その悔しさを晴らすべく、メインキャスト6名全員が再集結し、ついに幕を開ける。
原作は新川直司が2011〜2015年に講談社・月刊少年マガジンにて連載(全11巻)し、2012年度マンガ大賞ノミネート、2013年講談社漫画賞少年部門受賞、その後2014年~2015年にはフジテレビ「ノイタミナ」枠にてTVアニメ化、2016年には実写映画としても大ヒットを記録するなど多くの人を惹きつけてやまない傑作コミック。
単なる青春ラブストーリーではなく、音楽に引き合わされた若き音楽家の卵たちが、大切な人との出会いと別れを通してその才能を開花させていく、普遍的な人間愛と音楽の魅力が詰め込まれた作品だ。
今回、ミュージカルとしてその魅力をさらなる高みへと誘うのは、『ジキル&ハイド』『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』『デスノートTHE MUSICAL』を手掛けるミュージカル界の巨匠、フランク・ワイルドホーン全曲書下ろしによる楽曲で、ワイルドホーンの関わった日本上演ミュージカルとしては本公演が記念すべき20作目となる。
そして、訳詞と演出を手掛けるのはミュージカル『キューティ・ブロンド』、フランク・ワイルドホーンが音楽を手掛けた『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』を大ヒットに導いた上田一豪。脚本にはジブリ映画『かぐや姫の物語』、『メアリと魔女の花』の共同脚本でも知られる坂口理子という日本のスタッフ陣が加わり、物語をさらに深化させる。
(上段左から)小関裕太、木村達成、生田絵梨花 (下段左から)唯月ふうか、水田航生、寺西拓人
出演者には、ミュージカル界の将来を担う若き才能が集結した。元天才ピアニスト・有馬公生役には数々の映像・舞台での主演に続き今回東宝ミュージカル初出演となる小関裕太と、ミュージカル『プロデューサーズ』『ジャック・ザ・リッパー』と話題作への出演が続く木村達成がWキャストにて出演。圧倒的個性を持つヴァイオリニスト・宮園かをり役にはミュージカル『モーツァルト!』などの好演により第44回菊田一夫演劇賞を受賞し、『レ・ミゼラブル』での好演も記憶に新しい生田絵梨花。公生と幼馴染の女子高生・澤部椿役には、『レ・ミゼラブル』や『屋根の上のヴァイオリン弾き』など大作ミュージカルでの活躍が目覚ましい唯月ふうか。公生と椿の友人・渡亮太役には、ストレートプレイからミュージカルまで幅広く存在感を示す水田航生と、舞台を中心に活躍の場を広げ今年11月には『マイ・フェア・レディ』への出演を果たした寺西拓人がWキャストで出演する。
公演中止となってからの2年間、それぞれに研鑽を積み、成長を遂げた6人を再度迎え行われる、世界初演ミュージカルに期待しよう。
かつて指導者であった母から厳しい指導を受け、正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝した神童・有馬公生(ありまこうせい)は、母の死をきっかけにピアノの音が聴こえなくなり、コンクールはおろかピアノに向き合うことからも遠ざかってしまう。母の死から数年後の4月。高校生になった公生は幼なじみの澤部椿(さわべつばき)を通じ、同い年のヴァイオリニスト・宮園かをり(みやぞのかをり)と出会う。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ自由な演奏を聴き、公生の世界は、再びカラフルに色付き始める。
かをりは、好意を寄せる渡亮太(わたりりょうた)との仲を椿に取り持ってもらい、渡と椿の幼なじみである公生とも行動を共にするようになる。やがて公生はかをりに好意を抱くようになるが、親友である渡に気を遣ってしまい想いを伝えることができない。そして椿はそんな公生のかをりへの恋心に気付き、また自身に芽生えた公生への恋心に思い悩む。
公生のことを“友人A”と呼びぞんざいに扱いつつも、自分のコンクールのピアノ伴奏を命じるなど、何かにつけて公生を音楽の世界に連れ戻そうするかをりと、どんどんかをりに惹かれていく公生。しかし、公生が再び音楽の道に戻ろうとした矢先、かをりに大きな秘密があることを知る……。