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サントリーホールを味わい尽くす“至高の饗宴”~若きマエストロ 川瀬賢太郎にきく『ららら♪クラシックコンサートVol.12』聴きどころとは

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川瀬賢太郎

川瀬賢太郎

2021年12月1日(水)開催の『ららら♪クラシックコンサートVol.12』は、クラシック音楽の殿堂、サントリーホールでの、読売日本交響楽団とパイプオルガンの共演! 「祝祭音楽の展覧会 読響×パイプオルガン ー王道曲による至高の饗宴ー」と題し行われる本公演で指揮を執る若きマエストロ、川瀬賢太郎にコンサートへの抱負や聴きどころをきいた。

――『ららら♪クラシックコンサート』は、NHKのEテレの音楽番組『ららら♪クラシック』から生まれたコンサートですね。

クラシック音楽の初心者からファンまで幅広い方々に楽しんでいただけるプログラムになっています。高橋克典さんと金子奈緒さんの二人の司会も入りますから、テレビの『ららら♪クラシック』を生で見るような気持ちで多くの人に楽しんでいただきたいですね。

――川瀬さんはテレビの『ららら♪クラシック』にも出演されましたね。

僕と宮川彬良さんがゲストでブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」を演奏しました。編曲、オーケストレーションの面白さを伝える回でしたね。いろいろ実験的なことをして、克典さんが突っ込みを入れたり、非常に楽しかったです。

克典さんとご一緒するのは3~4回目でしょうか。『ららら♪クラシック』の番組でも、そのほかのコンサートでもご一緒しています。今回、克典さんとトークでどういう掛け合いができるのか、僕自身楽しみです。

――今回のコンサートについて、教えていただけますか?

まずは、会場がサントリーホールであることが大きいですね。このプログラムは、オーケストラを含め、パイプオルガンなどサントリーホールにあるものをすべて味わい尽くすというものになっています。サントリーホールは、聴く方にも、演奏する方にもスペシャルなところ。ロックにおける武道館のように、クラシック音楽のプレイヤーにとっては聖地のような気がします。そこに来るだけでときめきます。そして中ではすごく上手な読売日本交響楽団とホールの壮大なパイプオルガンが一緒になった最高級のサウンドが体感できます。

ちょっとおしゃれしてコンサートホールに出掛けるだけで、わくわくするじゃないですか。コンサート一つあることによって、いろいろな角度からモチベーションが上がるのは、素敵なことです。

『ららら♪クラシックコンサートVol.12』 祝祭音楽の展覧会 読響×パイプオルガン ー王道曲による至高の饗宴ー

『ららら♪クラシックコンサートVol.12』 祝祭音楽の展覧会 読響×パイプオルガン ー王道曲による至高の饗宴ー

――今回のコンサートは、ジョン・ウィリアムズの映画『スター・ウォーズ』のメインテーマで始まりますね。

『スター・ウォーズ』は派手で、オーケストラのすべての楽器の魅力が味わえます。ジョン・ウィリアムズのそれぞれの楽器の使い方は本当に巧みで、最初のパーンの1音で、僕たちの心が宇宙に持って行かれます。その意味で、みなさんのハートをつかむ曲です。「このコンサートは、『スター・ウォーズ』が演奏されるから聴いてみよう」というのでもいいと思います。

――『スター・ウォーズ』、お好きなのですね?

大好きです。僕に「スター・ウォーズ」を語らせたら、半日くらい掛かります(笑)。大好き過ぎて、かいつまんではしゃべれません。オペラに通じる、愛の物語ですね。家族の愛とか、恋人への愛とか……。愛が強いと、正義に変わる人もいるし、悪になっちゃう人もいます。

――続いて、ヘンデルの「メサイア」から「ハレルヤ・コーラス」。

「メサイア」の「ハレルヤ・コーラス」と「こうもり」は年末によく演奏される曲ですよね。「ハレルヤ・コーラス」は、合唱パートをオルガンで演奏します。

――「こうもり」はこの11月に東京二期会でオペレッタ全曲を指揮されますね(11月25日(木)~28日(日)日生劇場)。

これまで序曲は何回も振っていますが、オペレッタ全曲は初めてでした。アンドレアス・ホモキさんの演出にとても影響を受けました。「こうもり」全曲演奏の経験が、今回のコンサートでの序曲の演奏にも感覚として反映されると思います。今まで僕が振った「こうもり」序曲とは明らかに変わります。新しい“川瀬の「こうもり」序曲”をお聴きください。

そのほか、エルガーの行進曲「威風堂々」第1番では、作曲家が望んだ通り、オルガン入りで演奏します。ジャゾットの「アルビノーニのアダージョ」は、CDの「アダージョ・カラヤン」でもお馴染みの曲ですよね。これもオルガン付きです。

――最後はチャイコフスキーの序曲「1812年」です。

序曲「1812年」では、バンダ(金管楽器の別動隊)の部分をオルガンで演奏しますので、この日にしか聴けない「1812年」のサウンドが体感できます。「1812年」は、ドラマティックで、ロシア軍とフランス軍がここまでどんちゃんして、チャイコフスキーの頭の中はどうなっていたのかと思います。彼はこういう曲やバレエで大胆で実験的なことをやっていました。そういうぶっ飛んでいる側のチャイコフスキーを聴いていただきたいですね。

オルガンの冨田一樹さんとは今回が初共演で、すごく楽しみです。

――今回共演する読売日本交響楽団についてはいかかですか?

読響とはコンスタントに共演しています。最初に指揮したのは24、25歳の頃でした。僕にとって思い出深いオーケストラですね。十数年前、当時の読響は、行くまでは、絶対に怖いだろうと思っていたし、「そんな若者に俺らが振れるのか」みたいな感じなんだろうと、師匠や先輩から噂も聞いてきましたでも実際に行ってみると、すごくフレンドリーで、「遠慮しないで、もっとやりな」と言ってくれるオーケストラでした。それがとてもありがたかったです。

デビュー当時の僕は、本当にやりたいことはあるけど気を使ってそこまでできず、謎のプレッシャーに打ち克てずにいましたが、読響へのデビュー・コンサート(ブラームス「交響曲第1番」ほか)は、自分のなかで一つ自信が持てたというきっかけのコンサートになりました。それ以来、読響には感謝していますし、毎回、常に少しでもステップアップしている自分を見てもらえているかなと思っています。

――最後にメッセージをお願いいたします。

テレビを見るような気軽な気持ちでこのコンサートに足を運んでいただければうれしいです。

取材・文=山田治生

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