能声楽家・青木涼子 新曲委嘱世界初演シリーズ「現代音楽 × 能」Vol.9
能声楽家・青木涼子の新曲委嘱世界初演シリーズ『現代音楽 × 能』Vol.9が2022年1月12日(水)サントリーホール ブルーローズにて開催される。
本シリーズは、能の声楽「謡」の新曲を発表するもので、今まで39名の世界の作曲家が楽曲を提供している。今回は国際的に活躍するミケル・ウルキーザ(スペイン)シルヴィア・ボルゼッリ(イタリア)稲森安太己(日本)の作曲家3名に委嘱。謡とチェロの新曲3曲を国内外で活躍する実力派チェリスト・上村文乃と共に世界初演する。
青木涼子 / Ryoko Aoki(能声楽家)(C)︎Ryo Hanabusa
上村文乃 / Ayano Kamimura(チェロ)
ミケル・ウルキーザはヨーロッパ若手作曲家の筆頭株で、彼の曲は8月にアンサンブル・アンテルコンタンポランの日本ツアーにて演奏された。新曲「小さなツバメ」はオスカー・ワイルド『幸福な王子』を題材にしたものだ。シルヴィア・ボルゼッリはアムステルダム在住の国際派イアリア人女性作曲家で、新曲は宮沢賢治の二つの詩を用いたもの。稲森安太己は2019年芥川也寸志サントリー作曲賞受賞するなど、今最も注目される日本人作曲家の一人で『梁塵秘抄』から二つの流行歌を題材にした新曲を発表する。
ミケル・ウルキーザ / Mikel Urquiza(作曲家)(C)︎Balint Hrtoko – Peter Eotvos Foundation
シルヴィア・ボルゼッリ / Silvia Borzelli(作曲家)
稲森安太己 / Yasutaki Inamori(作曲家)(C)︎Heinz Wernecke
また、現代音楽の入門書「現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ」(中公新書)で話題の音楽学者の沼野雄二桐朋学園大学教授を招き「現代音楽と謡」についての解説も。沼野氏のトークの後、作曲家より「謡」のための新曲の解説があり、世界初演を行う。演奏後には、観客との質疑応答も予定。新型コロナウィルス感染症の影響により海外在住の作曲家の来日が難しいため、オンラインでの参加を予定しているという。
トーク:沼野雄司 / Yuji Numano(音楽学)
8月に『サントリーホール サマーフェスティバル 2021』にてアンサンブル・アンテルコンタンポランと共演、10月はベルギー、スイスにて新作オペラの世界初演、アルスムジカ音楽祭に出演した青木涼子。2022年2月にはマドリードにてスペイン国立管弦楽団との初共演も予定している。
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