坂本冬美、NHK紅白歌合戦で最新映像技術とのコラボが話題となった「夜桜お七」を初のアナログ盤として急遽2/23リリース
演歌歌手 坂本冬美のヒット曲「夜桜お七」は、1994年9月7日に8cm CDとして発売された。当時の演歌としては珍しい16ビートのメロディーが含まれ、アップテンポな曲調であることから「プログレッシヴ演歌」とも言われたりした。発売から約27年半。昨年の紅白歌合戦で通算8回目の歌唱をして、お茶の間で話題を呼んだ名曲であるが、自身のデビュー35周年メモリアルイヤーの締めくくりとしてアナログ盤を2月23日に急遽リリースする事が決定した。
昨年の紅白歌合戦ステージで坂本冬美のバックに投影された最新映像技術とは、映像業界の新しいトレンド「バーチャルプロダクション」であり、あたかも目的のロケーションで撮影したかのような映像を作り出せる技術のことだ。主に、背景は3DCGで制作し、大型LEDに投影、スタジオ内の物理的なカメラと同期させて撮影することで、可能空間の撮影をリアルタイムで実現できる仕組みを指す。特に「スター・ウォーズ」の実写テレビシリーズ「マンダロリアン」に採用されて一気に話題になっている技術である。
日本では、2022年の本年がバーチャルプロダクション元年になると言われている。それに先駆けて今回のNHK「紅白歌合戦」で披露されたのである。放送されると同時に、映像のインパクトにTwitterには驚愕の声が多数上がり大いに盛り上がりを見せた。
高度経済成長期からバブル期にかけて、主要な音楽メディアとして一時代を築いたレコードだが、1980年代の後半に差し掛かると後発メディアであるCDの普及により利用者は減少。レコードが再び注目されるようになった背景には、Apple MusicやSpotifyに代表されるサブスクリプションサービスの台頭が影響していると推測できる。配信で好きな音楽を、好きな時に、好きなだけ聴けるようになったことによって、「この曲、いいな」と楽曲をモノとして所有しておきたいというリスナーのニーズが高まり、レコード再評価につながった。
アーティスト側もそうしたトレンドを敏感に察知しており、新譜をあえてアナログ盤で発表するケースも増えている。CDに比べるとサイズが大きいことに加え、複製がしづらく、曲を再生するのに手間がかかるレコード盤。かつては弱点であったこれらの特徴が、ストリーミングサービスが普及した現在、ポジティブに評価されている。
デビュー35周年のメモリアルイヤーでありながら、昨今のコロナ禍の影響を受けて、記念のリサイタルやコンサートも思うような開催が出来ない現状の中で、ファンと共有できるアイテムのリリースに期待が高まる。
坂本冬美コメント
私にとって代名詞といえる「夜桜お七」が、28年の時をこえて、アナログ盤となって発売されます。永い間、皆様に愛された証ではないかと、とっても感激しております。
デジタルとは一味違ったサウンドで、ぜひお楽しみください。