亜蘭知子、ザ・ウィークエンドがサンプリングした「Midnight Pretenders」収録の名盤「浮遊空間」をSACDハイブリッドで再発
亜蘭知子が、39年前の1983年5月にリリースした3rdアルバム「浮遊空間」を2月23日に最高音質SACDハイブリッドにて再発売する。
亜蘭知子「浮遊空間」はリリース当時、アルバム・チャートのTOP100にさえ入る事が出来なかったが、現在ジワジワと人気を博し続けているが、1月7日、衝撃的なリリースが登場。カナダ出身のUSオルタナティヴR&Bの人気アーティスト、ザ・ウィークエンドが最新アルバム「Dawn FM」で、本作品収録の「Midnight Pretenders」のイントロ部分を大胆にサンプリング。楽曲「Out Of Time」のバック・トラックに“そのまんま使い”している。これまでの数々の邦楽曲のサンプリング史上、これ以上なく、はっきりとそれと分かる使い方である。
亜蘭知子は、1981年にシングル「悲しきボードビリアン」でのデビュー後、ヒットには恵まれずも作詞家としての才能を認められ、初期ビーイングを支えたアーティストとして、自らの作品を作りを続ける。
自身のデビュー以前には、三原順子のデビュー曲「セクシー・ナイト」(1980年)を手掛け、作詞家としての代表曲の一つにもなっている。他にもTUBE「シーズン・イン・ザ・サン」「SUMMER DREAM」やB’z「Nothing To Change」など多くのヒット曲を作詞。
しかしながら、自身の作品「浮遊空間」は1983年5月にリリースするも、当時最先端だったCGを多用したジャケットが話題になる程度。
そんな中、アルバム収録曲の「I’m in Love」「Midnight Pretenders」の2曲が、発売から30年近く経った辺りで、独り歩きをし始める。特に「I’m in Love」はNetflixのドラマ劇中歌として使われたり、ロン・バーガンディ・ポッドキャストで(ロン・バーガンディとは映画『俺たちニュースキャスター』(原題 Anchorman)で演じたキャラクターの名前)のエンディング・テーマとして現在も使用されている。
なお、今作のSACD層は、オリジナル・アナログ・マスターをDSD11.2Mhzでアーカイヴしたマスターを使用した最高音質、CD層はトランスファーした44,1KHz/16bitに変換している。また曲順に関しては、本来の制作意図に基づき、4曲目の「ジレンマ(25才の憂鬱)」は初CD化(1988年)の際に4曲目に差し替え収録された、別メロディ&別アレンジ&追加歌詞歌唱もある「3分32秒ヴァージョン」を採用。ボーナストラックとして、アナログ発売時に収録された「3分9秒ヴァージョン」を収録。当時、差し替えられた理由は、楽曲の左右に振られたバスドラ音の為、アナログ・カッティングが出来なかったとの事で、現在でも不可能との事。また、今作は、リマスターを施してない当時のアナログ・マスターそのままの音源を採用している。
DSD11.2Mhzでのアーカイヴにより、当時のアナログ・レコーディングの音質の良さとエンジニア(西秀男)のミックスの素晴らしさを堪能しよう。