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昨年に地上波で放送され話題になった特別番組の第2弾「磔磔(たくたく)ライブハウスとコロナの500日」BSフジにて放送決定

アーティスト

Ⓒ西岡浩記

くるり、大友良英、サニーデイ・サービス、鈴木茂など多くのミュージシャンたちの演奏と言葉で振り返る、昨年に地上波にて放送され話題になった特別番組「磔磔(たくたく)というライブハウスの話」。この第2弾「磔磔(たくたく)ライブハウスとコロナの500日」が、3月5日25:00よりBSフジにて放送される。

古都・京都市内にあり、48年間営業を続けている老舗ライブハウス「磔磔(たくたく)」。閑静な街なかに突然現れる築100年を超える木造の蔵を改造したその建物は、一見ライブハウスにはとても見えない。しかし、ここでは1970年代から現在に至るまで、国内外の数々のミュージシャンたちが演奏を繰り広げ、多くの「伝説」も生まれてきた。この場所は、地元の京都のみならず、日本のライブハウス文化の「ひとつの象徴」として、音楽を大切に考える人々の心の拠り所(よりどころ)であり続けてきた。

2020年の夏、ドキュメンタリー番組「磔磔(たくたく)というライブハウスの話」は、コロナ禍で全国のライブハウスが苦境にあえぐ中、フジテレビそして関西テレビ、BSフジでも放送。

番組では、「磔磔」の50年近い歴史を、多くのミュージシャンの証言や貴重なライブ映像も紹介しつつ、日本のロックシーンの変遷と共にひも解いていった。それは、磔磔の店主を続けてきた水島博範氏、現在は店長を務める息子の水島浩司氏、音楽を心から愛してきた親子の姿を通じて「ライブハウスの魅力とは何か」を問うものだった。小泉今日子がオープニングとエンディングのナレーションを担当し、音楽ファンのみならず大きな反響を呼んだ。

今回の第2弾は、磔磔という稀有なライブハウスが見舞われた、新型コロナウイルスとの1年半を追ったドキュメンタリー。コロナ禍により、エンターテインメント業界全体が休業自粛を余儀なくされた2020年の4月、5月。すべてがシャットダウンされてしまった苦境を経て、夏には感染状況は一時的に小康状態へ。番組のスタッフは最小限の人数で約1カ月に1度の割合で京都に足を運び取材を続けてきた。そこにあったのは、先行きが見えない中でも何とか「ライブ」を続け、「ライブ」という表現について考え続けている人たちの演奏と生の言葉だった。

世界中、日本中で起きているコロナをめぐる状況は日々刻々と変化している。長い歴史があるとはいえ「京都の小さなハコ」の500日の記録はささいなものに過ぎないかもしれない。しかし、そこにはやはりそこで生きている人たちの揺れる思いがあり、その場所を失いたくないという切実な願いがあり、そこで変わることなく鳴り続ける音楽がある。

2021年の夏には、変異型ウイルスの出現で、感染者数は各地で急激に上昇した。今なお、東京、京都を含め全国各地で緊急事態宣言が発令。当然ながらライブハウスの営業も制限され、演奏する側も見る側も感染対策を徹底した状態でのライブが続いた。先行きが見えない状況は変わらず続く。

今回は「磔磔」2代目店主・水島浩司氏の目線を軸に、未曽有の新型コロナウイルスに翻弄され続けた2020年4月〜2021年9月の1年半を時系列で振り返る。無観客配信ライブ、有観客ライブなど、この500日で磔磔で行われた多くのミュージシャンたちのライブ演奏をしっかりと届ける。また、磔磔と同様に京都の老舗ライブハウス「拾得(じっとく)」ではどんなことが起こっていたのかも紹介する。

この小さなハコで、かつてないほど制限された状況で、それでも音楽はくじけずに鳴り響いた。そして、ミュージシャン、スタッフやプロモーターなどライブに関わる人たち、それぞれが語るインタビューも交えて、この500日の記録を公開する。

関東、関西での地上波放送から半年が経過し、いったん落ち着いたかに見えた日本のコロナ禍だが、今またオミクロン株に覆われている。現在、この番組に映し出された記録は、音楽ファンのみならず多くの方々の心に響くはずだ。

小泉今日子コメント

去年の秋、このドキュメント番組が関東と関西で放送された頃は、ちょうどデルタ株の感染状況が落ち着きはじめていました。コロナウイルスに苦しめられたライブハウスやミュージシャンたち、そして私たちの日常も少しずつ普段通りに戻っていくのかもしれないと思っていました。しかし、あれから約150日が経ち、残念ながらいま私たちはオミクロン株の猛威にまた立ち往生しています。

この「磔磔 ライブハウスとコロナの500日」という番組は、2020年4月から2021年の9月まで、京都の老舗ライブハウスの日々を丹念に追ったドキュメンタリーです。コロナウイルスの影響で全国に緊急事態宣言が出され、街から人影が消えてしまったあの日からの記録。無観客ライブ、人数を限定しての有観客ライブ、カメラ11台を使った生配信、出演者、スタッフ、お客さんへの徹底した感染対策など、この大切な場所を守るために小さな蔵造りのライブハウスで行われてきたさまざまな試みが、ここには映し出されています。今まで誰も経験したことがなく、どんな変化が起こるのか予想もつかなかった状況を、大ベテランのシンガーも、若いバンドマンも、ウソのない言葉で語ってくれました。

ライブハウスという場所には、いろんな人の思いがすごく詰まっています。それは、すごいエネルギーだと思うんです。だけど、この番組では、コロナ禍でいったん、その背負っているものから解放されたというか、以前とは違う何かを求めるみなさんの姿が、すごく純粋で美しくも見えたんです。大変な時代だけど、新しい発見もやっぱりあるんだと感じた瞬間もたくさんあったし、私もまた前に進みたくなりました。

そしてもちろん大切なのは音楽。満員の熱気や歓声はないけれど、ミュージシャンが自分たちに今できる最高の音楽を伝え、それをお客が受け止める、そのやりとりは、もしかしたらコロナ以前よりも切実なものになっているのかもしれません。この音楽とこの場所がなくなってほしくないし、大好きだから。そんな目に見えない情熱がたくさんの音楽と一緒に画面越しにしっかり伝わってきました。自分にとって大事なものを何なのか、そしてどうやってそれを守って表現してゆくのかを考え続けるヒントを、この番組はくれると思ってます。

安田謙一(ロック漫筆)コメント

かつて猫は10年生きると「化ける」と言われた。では、50年近く生きてきたライブハウスは何になるんだろう。「磔磔(たくたく)」は1974年、京都で築百年を越える木造の酒蔵を利用して、当初は音楽喫茶として開店した。70年代京都で巻き起こったブルース・ブームを端に80年代のニュー・ウェイヴ期を経て、世界各国からゴキゲンなルーツ音楽家が訪れるメッカとなり、ハコ自体に蓄積されたエネルギーがまた演奏者にフィードバックして……という永久機関として機能してきた。その模様は2020年8月にドキュメンタリー番組「磔磔というライブハウスの話」でコロナ禍以前のヒストリーとしてしっかりと描かれている。同番組の最後で扱われた新たな変異型ウイルスの影は思いもよらないほどの影響を及ぼし、ライブハウスは社会でもっとも営業に適さない存在というイメージまで与えられることとなった。2021年の秋に地上波で放映され話題を呼んだドキュメンタリー「磔磔 ライブハウスとコロナの500日」は、そんな不安定な環境の中、2代目店主・水島浩司さんとスタッフたちの奮闘により磔磔を「続けさせる」物語である。かつての磔磔のイメージとは縁遠い11台のカメラによる配信もそのアイデアのひとつ。ナマのライブ体験と配信とは別物ということを誰よりも知る人たちによる本気の仕事が磔磔の新しい顔を見せる。ミュージシャンたちの本気、ロックンローラーの機転、小泉今日子さんの淡々としたナレーションが相まって、とても濃密な音楽番組が生まれた。過去があっての未来。未来のための過去。そんな真理を体現し続けてきた磔磔が「しのぐ」現在にしばしおつきあいを。今回のBSフジでの放映が全国初放送となります。

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