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クレイジーケンバンド横山剣、昨年延期となったデビュー40周年記念ライブを開催

アーティスト

写真:本多亨光

「世界のどこにも横山剣のような男はいない」

クレイジーケンバンドのクレイジーケンこと横山剣。クールス・ロカビリー・クラブのヴォーカル&ソングライターに起用され、自作曲「シンデレラ・リバティ」でデビューしたのが1981年10月。そこからの、芸能生活40周年を記念し、その音楽活動を振り返るライヴが2022年3月26日、神奈川・KT Zepp Yokohamaで行われた。もともと、2021年8月29日に予定されていたものが、新型コロナウイルス蔓延防止の為に延期されたもので、今回は無事、客席を埋め尽くしたファンたちが記念すべき一日を体験することが出来た。

横山剣の40年が圧縮された映像クリップの上映に続いて、クレイジーケンバンドが登場。「長者町ブルース」「珈琲キャンディ」「Ivory」を披露する。“俺の才能に投資しろ”のキラーフレーズを持つ「スポルトマティック」もいつも以上に特別な感慨を持って響いてくる。ライヴの合間に芸能生活40周年への祝辞コメントが映像で数回に分けて紹介される。登場順に岩城滉一、村山一海、赤坂泰彦、IKURA、ぐっさん(山口智充)、長瀬智也、宮藤官九郎、野宮真貴、小西康陽、堺正章、五木ひろし、小澤仁志、リリー・フランキー、中野英雄、谷原章介、光石研、Rhymester、菅原愛子、Masta Simon、Chozen Lee、そして加山雄三という豪華なラインナップ。この中から、ぐっさんと野宮真貴はステージに登場。それぞれ横山剣とのデュエットで「京浜狂走曲」「T字路」を披露した。このほかに、「タイガー&ドラゴン」はCHIBOW(チーボー)を迎えて、スカ・ヴァージョンで演奏され、FIRE BALL「Wonderful Days」の胸熱カヴァーでは本家、Chozen Leeも参加。横山剣とSAMI-T(MIGHTY CROWN)、キヨサク(MONGOL800)とのユニット、Tiki Tiki ToursはCKB仕様による「TIKI TIKI」で今年の夏を先駆けた。

中盤、「特別狙撃隊S.W.A.T. 反逆のテーマ」のSEが鳴り響く。この日のメインイベントともいえる、ダックテイルズ、25年ぶりのライヴがはじまる。クールス・ロカビリー・クラブ脱退後、横山剣が在籍したダックテイルズは、「横須賀セントラルステーション」「本牧’66」「プリーズ」「ウォーアイニー」と立て続けにオリエンタリズムとリズム&ブルースががっちり融合したサウンドで盛り上げた。ステージ上の横山剣は当時を彷彿とさせるリーゼント・スタイル。リ、リーゼント!?とざわめく会場を気にせず、いっさいのエクスキューズ無しでステージを進めていく。クレイジーケンバンドによる「シンデレラ・リバティ」では、当時のフッテージでお馴染みの髪に櫛をあてるポーズも披露。その後、映像で、このリーゼントがアデランス社の協力によるこの日の為の特別なプロジェクトであったことが明かされ、会場は沸きに沸いた。

アンコール最後では「男の滑走路」を熱唱。歌詞「マイ・スタンダード」をさらにアップデートする粋な演出に誰もが横山剣に惚れ直す夜となった。同時に、クレイジーケンバンドの柔軟性を伴った強さを思い知らされた。

ライター:安田謙一(ロック漫筆家)

セットリスト

  1. 長者町ブルース
  2. 珈琲キャンディ
  3. IVORY
  4. スポルトマティック
  5. ロドリゲス兄弟
  6. 京浜狂走曲 feat 山口智充
  7. Loco Loco Sunset Cruise
  8. Let’s Go CKB〜タイガー&ドラゴン(Ska ver)feat CHIBOW
  9. T字路 feat 野宮真貴
  10. 発光!深夜族
  11. あるレーサーの死
  12. DUCKTAILS “SWAT” Introduction
  13. 横須賀セントラルステーション〜本牧'66
  14. プリーズ
  15. ドラ〜ウォーアイニー コメントVTR4/Duck Tails 転換
  16. Wonderful World〜Justin
  17. シンデレラ・リバティ
  18. TIKI TIKI feat Tiki Tiki Tours
  19. Wonderful days feat Chozen Lee
  20. ダイナスティラウンジ〜男の滑走路