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氷川きよしにインタビュー! 自身がやりたかったことが詰まっている~舞台『氷川きよし特別公演』上演へ

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氷川きよし

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舞台『氷川きよし特別公演』が2022年6月の明治座公演を皮切りに全国4都市で上演される。
 
2000年「箱根八里の半次郎」でのデビュー以来、多くのファンを魅了し続ける氷川きよしが座長をつとめ、本格的なお芝居と劇場版コンサートでおくる本公演。7回目の座長公演となる東京・明治座に加え、大阪・新歌舞伎座、福岡・博多座、名古屋・御園座の4都市を巡る。
 
これまで氷川きよしの座長公演では、時代劇を上演してきたが、今回は初めてヨーロッパを舞台にした芝居に挑む。氷川きよし演じる、母親の看病をしながら歌手を目指す若者・子門慧音(しもんけいと)が18世紀フランスにタイムスリップし、激動の時代を生きる人々との交流を経て成長していく温かい物語だ。
 
二部では演歌からポップスまで数々のヒット曲を持つ氷川きよしの魅力をたっぷりと楽しむことができる劇場版コンサートとなっているという。この度、取材会が行われ、氷川きよし本人が公演にかける思いを語った。

「自分で自分に期待している」

ーー第一部の見どころと、台本をお読みになった感想を教えてください。

氷川きよし

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最初に劇場公演を行ったのが26歳の時なんですが、その時は時代劇だったんです。自分の中では現代劇をやりたかったんですが、どうしても自分のオリジナルの作品は時代物が多く、お客様の層を考えても、時代劇をやった方がいいと。
 
そのときから随分自分のこだわりが強かったので、カツラをつけないでやりたかったし、自分をどうしても出したかった。自分がお芝居やステージをやるときにどうしたら楽しくできるか考えていたんですが、時代劇は型があるので、なかなかそういうことはできない。いつか現代的でいろいろな表現ができるものをやりたいと思っていて、19年が経って、ようやく今回その思いが叶いました。すごくワクワクします。

 
今回の台本を読みましたが、最初からグッと来るものがあって、面白そうだなと思いました。お衣裳もいろいろと自分が着たいお洋服を着させていただけるので、のびのびと楽しくできるんじゃないかなと思っています。どんな自分が表現できるのか、自分自身が自分自身に期待しています。
 
ビジュアルはご覧になられたと思いますが、いろいろな表現ができそうですよね。あまり言うとネタがバレてしまいますが、自分が持っているものを生かせる舞台になればいいなと思っています。

ーー出演者のみなさんとコミュニケーションを取る上で、大切にしようと思っていることは?
 
セリフ合わせや芝居の稽古ではないときに、話しかけたり、話しかけられたりするなかで、他愛もない話をしたいですね。「あぁ、この人はこういう人なんだ」とか、本音はこう思っているんだとか、そういう会話を通じて、チームワーク感が生まれていったらいいなと思います。お芝居は一人じゃできないですから。

氷川きよし

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上品だけれど憂いもあるフランスに憧れて

ーーフランスにタイムスリップするという設定ですが、フランスに対する思いは?
 
コロナ禍になる前、一年に一度、アメリカやヨーロッパに行くのが楽しみだったんです。実は28歳の時から、精一杯仕事を頑張ったあとに、海外に行くようにしていたんです。一番最初はニューヨークに行きました。いろいろなものを見たり、お友達ができたりしてね。それで、日本もいいところなんだけど、日本だけの価値観で育ってきて、日本の固定概念やルールの中で教育されてきたんだと感じたんです。海外に行くと、自由を感じたんですよね。
 
もっといろいろ感じたくて、スペインやイタリア、スウェーデンなどにも行きましたね。海外に行くことによって、いろいろな考え方が変わって、すごく気持ちが楽になった。ひとつの世界に縛られる必要はないんだなと思ったんです。

 
それで、今度はフランスに行きたいと思っていて。なぜフランスに魅力を感じたかというと、上品できれいだけど、どこか切なさがあって、どこか憂いを含んでいる。そこに憧れるんですよね。フランス語も話せたら格好いいですし。……まぁ実際は「ボンジュール」ぐらいしか話せないんですけど(笑)。この明治座でどれだけそのフランスの雰囲気が再現されるのか楽しみです。

 
ーー実際に行ってみたい場所はありますか?

セーヌ川! 私はコケが好きなので、セーヌ川のコケを見てみたいです。日本のコケとどう違うかなと観察したい(笑)。それから美酒の名産地であるボルドーやシャンパーニュ地方にも行ってみたいですね。この舞台をやったことで、フランス大使の方が「ぜひフランスで生活してください」というオファーをいただけたら嬉しいです。夢ですね。

全国4都市、「故郷」を巡る公演

ーー続いて、第二部の見どころやセットリストを考えるにあたり大切にされていることは?

これまでの自分を作ってきてくれた作品も大切なのですが、これからの自分を表現する曲も今回のセットリストの中に入れられるかなと思っていて、エンターテインメント的な内容にできたらいいなと。

公演期間は長いですから、自分も新鮮な気持ちで楽しみながらできたら。どんどん衣裳も変わるし、曲も変わるような内容にしたいと思っています。

ーー公演期間は4ヶ月と長いですが、コンディション管理で気をつけていることは?
 
みんな忘れがちなんですけど、体を大切にすることが一番大切ですが、メンタルを大切にすることも大切ですね。日本人は特に我慢強いし、頑張り屋さんじゃないですか。心の方に目を向けないというか、心から体を壊してしまうこともあるので、気分転換や息抜きを大切にしています。切り替えというか、仕事は仕事と集中できるよう、メリハリをつけて過ごしたいなと思っています。

氷川きよし

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ーー東京、大阪、福岡、愛知と巡ることになります。それぞれの地域の思い出や印象を教えてください。
 
まず、東京。18歳で上京して、東京での生活の方が長くなりました。東京は自分が戦ってきた場所というか、必死になって生き抜いてきた場所です。以前は新宿コマ劇場で公演をやったり、その後明治座さんでもお世話になったりして、やっぱり東京は第二の故郷という感じですね。

一年の中でも多く行っている場所が大阪だと思いますね。コンサートもたくさん開催してきたので、大阪も第二の故郷です。大阪の皆さんの負けん気というか関西魂はいつも感じていて、大阪に行くとお客様からたくさんのエネルギーをいただけます。
 
地元の福岡で、去年初めて演歌・歌謡曲のコンサートを行いました。コロナ禍でしたけど、満員のお客様にお越しいただいて、喜んでいただきました。故郷で歌うと涙が出ます。本当は離れたくなかったけど、自分が東京に行って一旗あげようと思っていたので。自分の夢というよりも親を守ってあげたいという思いが上京するエネルギーだったので、福岡は原点の場所です。

 
それから愛知も第二の故郷なんですよね(笑)。キャンペーンで訪れた頻度も多いですし、東京から近いですから。名古屋って、ひつまぶしとか味噌煮込みうどんとか、食べ物もおいしいですよね。安心感があります。

大切な心のプレゼントを差し上げたい

ーー最後に、お客様への意気込みをお願いします!
 
まずは早く稽古が始まったらいいなと思っています。だいたい1ヶ月前ぐらいから稽古をスタートしますが、早ければ早いほどクオリティが上がっていくと思うので。お芝居は、人とのつながりが大切だと思うんです。出演者同士が意気投合すれば、自然なお芝居になると思う。いいチームワーク感を感じられればいいなと思います。
 
それから平和の尊さも伝えられるような公演になるといいなと思っています。私は、命の大切さを伝えられるアーティストになりたいなと思って、こういう仕事をしている。人間にとって大切なものを、お笑いや涙を織り交ぜながら、重くなりすぎないように表現して、お客様に少しでも伝えられたらいいですね。

先日、明治座さんで藤原紀香さん主演の『サザエさん』を拝見しましたが、いいなぁと思ったんです。エンターテインメントは心の栄養をもらえる場所。華やかで夢のある時間は、何にも変えられない大切なものがあるじゃないですか。今度は自分がステージに立つ側なので、そういったものをお客さんにプレゼントして差し上げられたら。満喫してほしいです。

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取材・文=五月女菜穂    撮影=福岡諒祠

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