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SEKAI NO OWARI、初の大型展覧会「THE SECRET HOUSE」が閉幕

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SEKAI NO OWARI「THE SECRET HOUSE」

SEKAI NO OWARIのデビュー10周年を記念した大型展覧会「THE SECRET HOUSE」が5月9日、幕を閉じた。

デビュー前から現在まで、10年以上にわたるヒストリーを体感する展覧会で、4月22日に幕を開け、18日間に渡って開かれた。会場は東京・天王洲の寺田倉庫E/B&C HALLだったが、事前に明かされることはなく、チケット購入者のみが開幕直前に知ることができるという“SECRET=秘密”な仕組み。当初はメジャーデビュー10周年の昨年、開催を予定してていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け延期し、1年越しの開催となった。

会場エリアの天王洲は倉庫街。果たしてここで本当に開かれるのか? 入場時からSEKAI NO OWARIと秘密を共有しているようで、ドキドキしながら倉庫跡の会場に入ると、そこに広がっていたのは巨大なLEDが置かれた空間。暗めの照明が点滅する中、これから体験する出来事に期待が高まる。

開幕のベルとともにステージに現れたのは、メンバーに仕えているというウサギに似たルイスと名乗る執事。来場者に挨拶すると、LEDに「THE SECRET HOUSE」のテーマ曲「tears」の展覧会用オリジナル映像が映し出される。メンバーが創作の拠点としている通称“セカオワハウス”を模したセットでパフォーマンスするショート・ムービーで、結成からの歩みを織り込みながら、“2つの世界をつなぐ“という歌詞の内容そのままにファンとメンバーの思いをつないでいく。

最初の驚きは上映後。曲が終わるとLEDの反対側にあった巨大な黒幕が開き、光が射す。そこに現れたのは、さっきまで映像に映し出されていた “セカオワハウス”の実物セット! 家具は実際の“セカオワハウス”から持ち込まれたもので、来場者からどよめきが起きる。

そしてさらなる驚きはこの直後。中央の机に置かれたダイヤル式の電話が鳴り出すと、再びルイスが登場し、受話器を取る。すると電話の向こうから聞こえてきたのは、なんとメンバー本人の声! 期間中、1時間毎にメンバーの誰かと生で電話が繋がり、会話するというサプライズに、歓喜の声が上がる。その場でメンバーへの質問コーナーもあり、まさに「THE SECRET HOUSE」ならではの秘密の時間が共有された。

壮大なオープニングを経て、いよいよ展示会場へと向かうと、4月24日に幕張メッセで開催されたデビュー10周年記念のライブイベント「THE PARADE」で使用された、メンバーの写真を加工した舞台美術が出迎える。2022年現在のSEKAI NO OWARIを目に焼き付け、暗い通路を抜けると、最初に現れるのは、2006年の結成前夜にメンバーが作ったライブハウスclubEARTHを再現した空間。ここから時系列に、SEKAI NO OWARIの歩みを体感していく。

clubEARTHでバンド結成当時の思いを感じた後、次に現れたのは巨大な展示空間。会場いっぱいにライブ、ミュージックビデオの衣装、レコーディング時の手書きメモや写真などが広がっており、様々なアイテムを間近で見ることができる。

圧巻はライブに関する展示だ。「炎と森のカーニバル」(2013)、「Twilight City」(2015)、「INSOMNIA TRAIN」(2018)、そして最新の「BLUE PLANET ORCHESTRA」(2021-2022)など、これまで開催したツアーのステージ衣装、舞台セット模型などを2フロアに渡って展示。他にも「Dragon Night」(2015)でFukaseが使用したトランシーバー型マイクや楽器、ジャケットに使われた原画、「tears」(2021)のミュージックビデオ版で使われた本物のセット等、メモリアルな資料を網羅。いつか展覧会を開催するために集めておいたという膨大なアイテム数には目をみはる。さらにほぼすべての展示物に過去の雑誌で語られたインタビューコメントが添えられており、当時のメンバーの気持ちを感じることができる。ミュージシャンの展覧会にありそうでなかったキュレーションで、ファンの心をつかんでいく。

また、映画『キャラクター』(2021)の出演した際にFukaseが描いた壁画をはじめとするアート作品や、一つのキーワードを選んでメンバーが曲を作るというドキュメンタリー企画「Holiday Session」のために来場者がテーマを投函できるコーナーも展開し、ヒストリーの体感にとどまらない企画で来場者を楽しませていた。

展示物はすべて撮影OKだったが、会期が終了するまでは、内容や会場の場所もすべて“SECRET=秘密”というルール。期間中は来場者が最後まで秘密を共有することを楽しんでくれたという。

ライブエンタテインメントの新たな歴史を作り続けているSEKAI NO OWARIらしく、現役のミュージシャンの展覧会としても、音楽業界にとっても画期的なものとなった。

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