村上“ポンタ”秀一の音楽人生を祝福するトリビュートコンサートに豪華アーティストが集結、賑やかに音楽を奏でた感動の一夜をWOWOWにて独占放送
2022年3月11日東京・東京国際フォーラム ホールAにてドラマー・村上“ポンタ”秀一のトリビュートコンサート「村上“ポンタ”秀一トリビュート 〜One Last LIVE〜」が開催され、豪華アーティストたちが集結して賑やかなパフォーマンスを繰り広げた。
膨大な数のアーティストのスタジオレコーディング、ライブに参加して長年にわたり活躍した不世出のドラマー、村上“ポンタ”秀一(以下・ポンタ)。このコンサートは、2021年3月9日に惜しくも他界したポンタの音楽人生を祝福すべく、パーカッショニスト・斉藤ノヴが発起人となり開催されたもの。派手でかっこいいことが大好きで湿っぽいことは大嫌いだったというポンタ。ステージ上部には2台のドラムセットが設置され、曲間にはふんだんに映像とナレーションが使われるなど、終始明るく楽しいエンターテインメントショーとなっていた。
コンサートが始まると、長きに渡ったポンタの活動を彩った様々なアーティストたちが次々とステージに上がった。トップバッターを務めたジャンク フジヤマはポンタとの出会いの曲だという「秘密」で軽やかに口火を切ると、バンドメンバーを紹介。斉藤ノヴをはじめ、岡沢章(Ba)、村石雅行(Dr)ら腕利きのミュージシャンたちが一同に会しているところはじつに贅沢だ。一青窈は代表曲「ハナミズキ」で情感の籠った見事な歌声を披露。終盤では演奏が村石のドラムだけになり、一青窈が歌を重ねる場面も。ポンタと同世代の盟友・近藤房之助は「ポンタと嫌というほど演奏した曲です」との紹介から「Travelling」をシブく歌い上げる。大黒摩季と福原みほがデュエットでアレサ・フランクリンの「Respect」をソウルフルに熱唱するなど、序盤から熱いパフォーマンスが続く。ドラマーとして自身のコンサートでもプレイしている森高千里は、「ザルで水くむ恋心」でステージ中央のドラムを叩きながら歌った。
中盤、2台のドラムセットでドラマーが交互にプレイする「リレードラム」が行なわれた。村石から始まり、国場幸孝、SATOKO、松下マサナオが順番に紹介されてそれぞれの想いをプレイに込めた。リレードラムのアンカーを務めたのは、ポンタが師匠と尊敬する仙波清彦。ホイッスルを鳴らしながらドラムを叩いて大いに会場を盛り上げた。
ドラマーとして自身のコンサートでもプレイしている森高千里は、「ザルで水くむ恋心」でステージ中央のドラムを叩きながら歌った。後半のハイライトとなったのは、未唯mieがゲストを招いてピンク・レディーの名曲を歌うスペシャルコラボ。一青窈との「ペッパー警部」、大黒摩季との「ウォンテッド」、さらに「小さい頃から大ファンで、ピンク・レディーになりたかったんです」という森高千里との「UFO」が披露されると、客席では着席したまま振り付けを真似る観客も。ポンタの活動がいかに幅広く大衆音楽の中でも息づいているかを実感させたコーナーだった。
アーティストのトリを飾ったのは、角松敏生だ。デビュー以降、数多くの作品をポンタと共に創り上げてきた角松は、ハウスバンドの生ドラムではなく、ポンタ自身のドラムサウンドをバックに「SEA LINE」をはじめとする3曲を演奏してみせた。
アンコールでは感動的な演出もあり、それぞれの想いが籠ったじつに心温まるコンサートだった。
取材・文:岡本貴之