広告・取材掲載

坂本龍一、自伝「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を月刊文芸誌『新潮』で連載開始

アーティスト

6月7日発売『新潮』7月号

世界的音楽家・坂本龍一による自伝「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」の連載が、6月7日発売の月刊文芸誌『新潮』7月号より開始する。本体定価は1,200円(税込)・

坂本龍一がガンの再発を公表したのは、2021年1月のこと。直腸の原発巣と数カ所の転移巣を摘出する、20時間に及ぶ外科手術をはじめ、このわずか1年のうちに大小6つの手術を経験し、病気の治療に努めてきた。もっとも、その間も音楽への情熱を失うことはなく、アーティスト・高谷史郎と共作したシアターピース「TIME」など、いくつもの作品を発表している。

『新潮』では、2009年に刊行された自伝『音楽は自由にする』(新潮社)の続篇として、坂本みずからが過去十余年の活動と人生を振り返るプロジェクトを開始する。同世代で旧知の仲である編集者・鈴木正文氏が聞き手となり、坂本の口から、実に豊かな言葉が引き出された。

連載第1回のタイトルは「ガンと生きる」。入院先でのパートナーや友人とのエピソードから、両親の訃報に接したときのこと、そして自身の死生観や創作観の変化についてまで、初めて明かされる事実が赤裸々に語られる。

坂本龍一 コメント

夏目漱石が胃潰瘍で亡くなったのは、彼が49歳のときでした。それと比べたら、仮に最初にガンが見つかった2014年に62歳で死んでいたとしても、ぼくは十分に長生きしたことになる。新たなガンに罹患し、70歳を迎えた今、この先の人生であと何回、満月を見られるかわからないと思いながらも、せっかく生きながらえたのだから、敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたらと願っています。

そして、残された時間のなかで、「音楽は自由にする」の続きを書くように、自分の人生を改めて振り返っておこうという気持ちになりました。幸いぼくには、最高の聞き手である鈴木正文さんがいます。鈴木さんを相手に話をしていると楽しくて、病気のことなど忘れ、あっという間に時間が経ってしまう。皆さんにも、ぼくたちのささやかな対話に耳を傾けていただけたら嬉しいです。

関連タグ