広告・取材掲載

GRANRODEO、ライブツアー2022「Question」追加公演オフィシャルレポート到着

アーティスト

撮影:キセキミチコ

GRANRODEO最大の持ち味であるタフでミクスチャーな音楽性を遺憾なく発揮したアルバム「Question」を引っさげ、2022年3月下旬から全国7都市を巡ってきた「GRANRODEO LIVE TOUR 2022 “Question”」。その追加公演が6月4日・5日、東京・Zepp DiverCityにて開催された。両日とも立ち見客を含めて客席も満杯に。約3年ぶりに実現した全国ツアーを締めくくる、東京追加公演2日目の模様をレポートする。

結成から今年で17年目を迎え、音楽的にもパフォーマンス的にも抜きん出た存在感を見せつける生粋のライブバンド・GRANRODEO。すでにベテランの域に達しつつありながらも、常に遊び心を忘れない彼らの魅力は、オープニングから満ちあふれていた。ファミコンRPGゲームを想起させるチップチューンなBGMが響き、ステージ中央に掲げられた“GR”ロゴ入り電飾が、冒険の始まりを予感させる。手を振りながらシルエットでステージに登場したKISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gt)がポジションにつくと、鳴り響くのは勇壮なブラスのファンファーレ。サポートメンバーでありドラムのSHiNのスネアが軽快にロールし、「Question」でもオープニングを担いe-ZUKAが冒険の始まりをイメージして作曲したという「BEFORE the DAWN」が、壮大な開幕を告げる。e-ZUKAの流れるようなテクニカルなアルペジオ、KISHOWのメロディックな歌声が、圧倒的なスケール感を叩き込む。その勢いは止まることなく、KISHOWが頭を振りながら緩急自在な「時計回りのトルク」を爆発させる。ヘヴィロックとジャズが入り乱れ、ドラマティックな世界を創造するこの曲は、ライブで聴くとさらにその魅力を輝かせる。最新のナンバーから一転、懐かしい「silent DESIRE」へとスムーズに連携。めくるめくGRANRODEOワールドの渦の中に、オープニングブロックから引き摺り込まれる。

「今日が追加公演を含めた最終日。無事にこの日を迎えられたことを嬉しく思います。皆さん、ありがとうね!」とにこやかな表情で語るKISHOW。その横で、オチャメな動きやジョークを振りまきながら話すe-ZUKAも「ライブは一期一会。イヤなこともありますけど、今日この数時間だけは楽しんでいってください」と笑顔を見せる。続くパワフルな「カミモホトケモ」、ポジディブなエールを贈るレゲエテイストの「ロンリーファイター」、ファンキーなサウンドに思わず体が揺れる「wonder color」。GRANRODEOらしいジャンルレスな楽曲で、小気味のいい、だが一発一発に重みのあるジャブを放った後は、いよいよ今回のツアーで初お披露目された「Question」収録曲が居並ぶゾーンへと突入する。

その始まりにも、遊び心が詰め込まれた。SHiNがゆったりとしたリズムを刻んでe-ZUKAが切なげなギターを絡めると、KISHOWが「恋はハチャメチャ」のサビを歌いながらキュートな振り付けをレクチャーする。(ちなみにこの振り付けを考案したのはe-ZUKA)一斉に手を挙げてKISHOWをなぞるオーディエンス。e-ZUKAのソロフレーズから始まった「恋はハチャメチャ」は、往年のサンタナを彷彿とさせるラテンロックに、危うい恋模様をのせたアダルトでムーディーなセクシーナンバー。昭和のキャバレーやダンスホールを思わせるレトロな雰囲気に、e-ZUKAの“泣きのギター”とKISHOWのフェイクが炸裂する。絶妙でインパクト大のスパイスを効かせた後、手練れの彼らはまたも空気を一変させる。サポートメンバーの1人、瀧田のベースがうなり、震えるエンジン音が重なって、e-ZUKAがノイジーにネックをグリスして始まったのは、LAメタルばりの弩級の疾走感に満ちた「Scorn」だ。野太く突き抜けるようなKISHOWのシャウトがテンションを振り切らせ、メロディックで80’sなスタジアムロック感を放出する「Give me your eyes」へと勢いを繋げていく。

張り詰めたシリアスな演奏からゆったりとユーモラスなMCへと、シームレスでライブが紡がれていくのもツアーならではの楽しみだ。瀧田とSHiNのユルいトークにKISHOWとe-ZUKAがツッコミを入れながら、息の合ったおしゃべりで笑わせる。そんな自然体な“カッコ良さ”と“かわいさ”と“面白さ”が入り混じる緩急に満ちたGRANRODEOのライブは、音楽でエンターテインメントする喜びを熟知している。

次に贈られたツアーならではのプレゼントは、毎公演、ツアータイトルのQuestionにかけて事前に募集された、ファンがクエスチョンを感じるGRANRODEO楽曲を質問と共に披露するリクエストコーナーだ。最終日のこの日、セレクトされたのは「Pierrot Dancin’」の収録曲。KISHOWとe-ZUKAが当時の楽曲制作を振り返り、一層華やかに「Fake lover’s true heart」が届けられた。ここからセットリストは再び「Question」ナンバーへ。KISHOWのアップテンポなボーカルときらびやかなピアノがビビッドに光り、J-POPの現在形をGRANRODEOらしく昇華した鮮烈な「Question Time」。コロナ禍だからこそ生まれた60’s、70’sテイストの古き良きルーズなロックンロールを聴かせる「思い通りじゃなくても」。そして本セットリスト唯一のバラードであり、またも懐かしいナンバーから選ばれた「なんとなく消したストーリー」を、しっとりと歌い上げる。ハードロックな楽曲とは別人のような優しいKISHOWの歌声が、切ない別れの光景を浮かび上がらせた。

「ここから(ツアーの)集大成に入っていこうかと思うんですけれど、皆さん大丈夫? 首とか取れかけてないですかね?(笑)じゃあちょっと立て続けに盛り上がれるナンバーをやりたいと思います、ついてきてちょーだいよ!最後だからな!」

甘くてゴージャスな「SUGAR」を聴かせ、切り裂くような「SEED BLASTER」でKISHOWは、瀧田とSHiNが刻む強烈なリズムに追われるように、獣のようなロングシャウトを浴びせかける。e-ZUKAのギターが吠えた「NO PLACE LIKE A STAGE」ではオーディエンスが体を激しく折り畳み、ペンライトの眩しい光に包まれた「Once & Forever」ではKISHOWもe-ZUKAも激しくアクションしながら、圧巻のパフォーマンスを繰り広げる。今回の“Question”ツアーのセットリストは、最近のワンマンでは演奏されてこなかった楽曲も含め、デビュー初期から最新までの新旧ナンバーが幅広く選ばれている。アニメ作品を通じて新しくファンになった人も、デビュー当初から応援しているファンも、全世代が楽しめるセットリストがうれしい。

「長らくやってきたツアーも本当の本当に最後になりました」と話し出すKISHOW。自分達の楽曲に掛けながら、このツアーでは「いろいろなトレジャーとプレジャーを見つけ、ばらまいてきた」と振り返り、「みんなが楽しそうで幸せなら、それを僕達もいたける相乗効果はきっとあるんだろうと、3年ぶりのツアーをやって強く感じました」と語る。そして「最高の追加公演2日間でしたが、しんみりしてる場合じゃねぇぞ!と思います」と微笑みながら、「このツアーの俺達の曲です!」と本編ラストを飾ったのは、ライブで演奏するたびにスケールアップしていくパワフルな「Treasure Pleasure」だ。この日序盤のMCで、「このツアーを“Question”と銘打った以上、アンサーを見つけなきゃいけない。見つかりました、それは皆さんでした」と言っていたKISHOWの言葉が、もう一度思い出された。

アンコールでは、クール&ヘヴィな「セツナの愛」に始まり、“本当に大切な愛を見つけたら手放すんじゃない”“共に歩いて行こう”と温かなメッセージを差し出す「HAPPY LIFE」、メンバーの全員がステージ上を暴れ回った「シャニムニ」をたっぷりと披露。MCでは、アニバーサリーブック『GRANRODEO 15th Anniversary Book G15/G16 ROCK☆SHOW』の発売が7月25日に決定し、前日にお渡し会が開かれることや、今年1月に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催されたアニバーサリーライブ“G15”と“G16”がBlu-ray映像作品として9月14日にリリースされるなど嬉しいニュースも知らされた。

そして、この楽しい時間が終わってほしくない!と願うロデオボーイとロデオガールの想いに応えるように、ダブルアンコールで歌われたのは「Can Do」だ。ファンへの感謝を語りながら、7月末に開催される次なるワンマン「GRANRODEO LIVE 2022 SUMMER L△KE “Hot OH〜!! 河口湖!!”」を見据えて「また夏に会おう!」と告げるe-ZUKA。「これからも末永く僕たちについてきてください……とは言いません。ついて来いやー!」と叫ぶKISHOW。最後に二人が笑顔で交わしたハイタッチとハグする姿に、拍手が鳴り止まなかった。

ライター:阿部美香

セットリスト

2022年6月5日「GRANRODEO LIVE TOUR 2022 “Question”」@東京・Zepp DiverCity

01. BEFORE the DAWN
02. 時計回りのトルク
03. silent DESIRE
04. カミモホトケモ
05. ロンリーファイター
06. wonder color
07. 恋はハチャメチャ
08. Scorn
09. Give me your eyes
10. Fake lover’s true heart
11. Question Time
12. 思い通りじゃなくても
13. なんとなく消したストーリー
14. SUGAR
15. SEED BLASTER
16. NO PLACE LIKE A STAGE
17. Once & Forever
18. Treasure Pleasure

ENCORE

19. セツナの愛
20. HAPPY LIFE
21. シャニムニ
22. Can Do

関連タグ