04 Limited Sazabys、FC「YON TOWN」発足4周年を祝う町民大感謝祭を愛知•Zepp Nagoyaで開催 大収穫の秋を予感させるアルバム「Hervest」リリース発表も
04 Limited Sazabysのオフィシャルファンサイト「YON TOWN」発足からちょうど4周年、末広がり&名古屋といえば「八」ということでおめでたいことだらけの2022年8月8日、Zepp Nagoyaにて行われた“YON TOWN 04th Anniversary 〜町民大感謝祭〜”には文字通りYON TOWNの町民が大集合した町内会となった。
新型コロナウィルス以降、ライブハウスは定められたガイドラインに沿っての営業を余儀なくされてきたが、少しずつ状況が緩和されてきて、この日のZepp Nagoyaも以前に比べると、フルキャパとまではいかないにしろ少しずつ元の状況に戻ってきている様子。肌にこびりついているライブハウスの熱気を感じて開演前から胸が熱くなる。地域や会場によってその定義はまだ異なるとは思うけれど、この数年戦ってきたライブハウスも着実に前に進もうとしている。YON TOWNが始まった4年前とは何もかもが変わったけれど、変わらないことだってあるし、変わらない為に変わったこともある。軽視しているわけじゃないけれど、もう憂うより楽しむことに振り切りたい。この数年で04 Limited Sazabysがライブハウスという土壌に蒔いてきた種を町民と共に収穫する時期がもう目の前まできているのだ。
その決起集会ともいえる町内会をYON TOWN住民と地元名古屋で行った04 Limited Sazabys。住民満足度の鍵となる町民大歓喜の真夏の会合となった。
YON TOWN町民限定のこの日のライブのチケットが争奪戦だったことは火を見るより明らか。しかしそこはYON TOWN。住民を愛する村長の粋な計らいで町民に無料生配信することで町に灯りをともしたのだ。
GENは「これみんな町民?」と驚いていたけど、会場であるZepp Nagoyaとお茶の間を結んだ大きな町内会で04 Limited Sazabysが見せたのは、町民オンリーならではのセットリストで挑んだいつもとは明らかに違うライブ。大きく息を吸い込みGENが「Horizon」を歌い始めると会場に優しく温かく希望の陽だまりが降り注ぐ感覚を覚える。明けない夜はないとよく言うけれど夜のど真ん中にいるときはその夜事態に潰されないことに必死で夜明けのことまで考えられないことが殆どだ。だけど、だけれど、「Horizon」を全身で浴びながら、微かに見えていた朝を確かにそこに感じたのだ。歯車が狂ったら軌道修正すればいい。そうやって04 Limited Sazabysも町民も新しい歩幅で進んできた。閉めていた鍵を壊して、脳裏に空いた穴を埋めて、夜を明ける。そんな夜明けのお供に「medley」「drops」「Cycle」「cubic」といったレア曲を連れていくのも04 Limited Sazabysらしい。
この日のライブではYON TOWNにて町民が願いを込めて綴った短冊を紹介しながらフォーリミ彦星たちが願いを叶えていくコーナーも。「ライブで聴きたい曲のリクエスト」や中には「一緒にステージに立ちたい」といった願い事もあり「感染対策の観点から今は無理だけどその夢は叶えてあげたいから練習しておいて」とGENが口にすると会場からは大きな拍手が巻き起こる。そして何より多かったのが町民同士の結婚報告。「結婚式を挙げるのでお祝いして下さい」という願い事が続き、「みんな結婚し過ぎじゃない?」と笑いを誘う場面も。しかし、04 Limited Sazabysで出会って04 Limited Sazabysを好きな者同士が結ばれるなんて、めちゃくちゃハッピーなことだな。そんな幸せな町民たちに送る「labyrinth」の多幸感といったらもう。「君いない未来 興味ない」と歌うGENからの祝福のメッセージを前に、そっと見つめ合う町民カップル、ちゃんと見てましたよ。バンドの活動が長くなっていくとこういうことがあるから最高だ。
自分たちの立っている場所を確認しながら更なる上を目指す「climb」はライブで聴く度に04 Limited Sazabysというバンドの根底にある底力であったり不屈の精神を感じる。悔しいことなんていっぱい、泣きたくなることなんてめいっぱいあったはずだ。それでも死にたくなるほど負けたくない気持ちを歌にしてきたからこそ生きたくなるほどの無敵のメロディが生まれるのだ。コロナ禍で沈んでしまったアレもコレも、高く跳ぶための助走だって思える説得力が今の04 Limited Sazabysにはある。チョロQだって速く走るために後ろに引っ張るでしょ。速く強く高く飛んで夢を勝ちとるために何ができるか、何をするか。「climb」を聴きながら自分と向き合う時間を大切に思う。高く飛んだ先には進化があると思っているのだが、例えばそれは「hello」に顕著に表れていて、「hello」をYON FESや武道館で大合唱した日のことは今でも鮮明に覚えているのだけど、ライブで声が出せなくなって、YON EXPOではアコースティックで演奏されたり、それ以降もライブハウスで演奏されているのだけれど、観客が歌うあの一瞬のあの歌声が、声が出せなくても、声にならなくても、しっかりと聴こえるのだ。これはコロナ禍以降の「hello」の進化だと思っているし、04 Limited Sazabysと町民が戦ってきた証だとも思っている。最終進化するのはまた声が戻るときなんだと思うけど、それだって元に戻るというよりは先に進む感覚のほうが強いのかもしれない。歌えなくなったって、聴こえなくなったって、体温はずっと感じているし、36.5度で命を沸かしてもっともっと先にいきたいと思う。その指標となるのが04 Limited Sazabysにとって、町民にちょって、本編ラスト「monolith」なんだと思う。
町民を歓喜させたのはアンコールで発表された4年振り4枚目のフルアルバム「Harvest」のリリースだ。土壌である「SOIL」に「SEED」の種を蒔いて大収穫の「Harvest」である。もうこのタイトルを聞いただけでこみ上げてくるものがある。しかもこのアルバム、なんと通常盤は1000円で販売されるというのだ。これまでもフィジカルに対する拘りと挑戦をし続けてきた彼らだが、アルバムをこの価格で販売する意味や意図に感謝と敬意を持って、来るアルバムを余すことなく収穫し尽くしたいと思う。いや、しかし1000円て。さらに10月から全国36公演に及ぶツアーも発表された。テレビをつけたら、ネットを開いたら暗いニュースばかりだけれど、04 Limited Sazabysがひっくり返してくれる気がする。ひっくり返してくれるでしょう。初披露された新曲「Keep going」でGENは「諦めることを諦める」というメッセージを放っていた。諦めることを諦めて、ただ前に、ただ先に。それは04 Limited Sazabysがずっと歌ってきたことだけど、今このタイミングでの「Keep going」は未来への確固たる決意表明だと捉えられるし、アルバムで彼らがどんな音楽を届けてくれるか本当にワクワクさせられた。いいか、世界はいつまでも最低なまんまじゃないんだ。音に乗って風に乗って加速して取り戻して見つけ出して前に進む。進める。YON TOWN発足から4年経って、この4年間は決して平坦なものではなかったけど、4年経ってこうやって町内会を盛大に行えたんだから、みんなの日々が実ったんだと思う。10月12日、4年振りに全国各地で行われるであろう大収穫祭。それまでの2か月間、たっぷりと水をあげて耕して、また秋に会いましょう。
text 柴山順次(2YOU MAGAZINE)
photo ヤオタケシ
04 Limited Sazabys「YON TOWN 04th Anniversary 〜町民大感謝祭〜」
セットリスト
01 Horizon
02 puzzle
03 Jumper
04 escape
05 days
06 medley
07 drops
08 Cycle
09 cubic
10 Montage
11 Lost my way
12 discord
13 labyrinth
14 climb
15 Galapagos
16 Grasshopper
17 Letter
18 milk
19 hello
20 Feel
21 monolith
EN
01 Keep going
02 Terminal
03 capture