ピアニスト務川慧悟、『ラヴェル:ピアノ作品全集』CD制作が決定 12月にはラヴェル作品を中心としたリサイタル開催も

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フランスを中心に活動を展開しているピアニスト務川慧悟が、モーリス・ラヴェルのピアノ曲全集を2022年11月末にNOVA RecordよりCDリリースすることが決定した。また、12月には東京・浜離宮朝日ホールにて4日間のリサイタルが決定。9月よりチケットの一般発売が開始される。

東京藝術大学を経て、2014年にパリ国立高等音楽院に審査員満場一致の首席で合格し渡仏した務川。2021年、世界三大コンクールの一つであるエリザベート王妃国際音楽コンクールにて第3位受賞、2019年にはフランスで最も権威のある、ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールにて第2位受賞を果たした。パリ国立高等音楽院 ピアノ科第3課程、室内楽科第1課程を修了し、現在は国内外での演奏活動の傍ら、フォルテピアノ科に在籍し研鑽を積んでいる。

今回のCD制作について務川は、「長年温めてきた夢が、ついに実現します」と率直な喜びを表す。ラヴェルという作曲家への思いの丈を綴りつつ、「僕が僕の信じる方法で演奏し録音に残す意味が絶対にある、と、おこがましくも信じることのできる自分がいます。それだけラヴェルという人は僕にとって強い共感を感じる作曲家に、長年かけて、昔の直感の通り、なったのでした。完成を楽しみにしていて頂けたら嬉しいです」とコメントしている。コメント全文は以下のとおり。

務川慧悟コメント

長年温めてきた夢が、ついに実現します。ラヴェルという人は、僕がパリに留学して1年目、彼の作品を勉強していたある時、この作曲家は今後自分にとって最も近しい存在のひとりになるかもしれない、と直感的に感じた作曲家で、それから彼のピアノソロ作品は数年かけて全て勉強しました。厳選された、数多くはない完成度の高い作品のみを残したラヴェルのピアノ作品を全て学ぶことは、フランスにおいては比較的基礎的なことだったのです。

それ以来、コンクール、マスタークラス、大きなコンサートなど、重要な場面で何度も、かなり頻繁に彼の作品を弾いては、その都度経験した個人的な思い出と共に、解釈を温めてきました。それぞれの作品にそれぞれの思い出……色々な方から受けた助言、弾いた場所の風景、等が結び付いています。

そんな作品たちを全曲、録音として残すことは、大変勇気のいることですが(数多くの偉大な、特にフランスのピアニスト達が、既に多くの全集録音を残している!)、しかし彼の作品ならば、僕が僕の信じる方法で演奏し録音に残す意味が絶対にある、と、おこがましくも信じることのできる自分がいます。それだけラヴェルという人は僕にとって強い共感を感じる作曲家に、長年かけて、昔の直感の通り、なったのでした。
完成を楽しみにしていて頂けたら嬉しいです。

また、CDの発売に合わせて、12月15・16・20・21日と4夜のリサイタルを浜離宮朝日ホールにて行います。毎回のプログラムの後半は、ラヴェルの作品に充てることにしました。緻密に磨きぬかれ計算されつつも、驚くほどの想像力に溢れるラヴェルの作品を、聴きに来て頂けたら嬉しいです。

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