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安田レイ、デビュー10周年を前に語る想い「今が一番幸せです」

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安田レイ

安田レイとTHE CHARM PARKががっちり手を組んだ、それはどこまでもポジティブでみずみずしく愛にあふれた優しい世界。リード曲「風の中」(TVアニメ『ラブオールプレー』第2クールエンディングテーマ)の明るくきらめく躍動的なフィーリングと、カップリング「each day each night」(ソフトバンク「HeartBuds」テーマソング)の深く沁みるバラードの豊かな情感と。安田レイのアーティストとしての多用な魅力と、シンガーソングライター、プロデューサーとして活躍するTHE CHARM PARKことCharmのポップ職人としての音楽スキルが融合した、これはまさにベストカップリングCD。Charmとのコラボについて、ライブについて、来年のデビュー10周年について、「今が一番楽しい」安田レイの本音を聞いてみよう。

――去年の終わりに出したEP『It’s you』では、JQ(Nulbarich)、TENDRE、tofubeats、H ZETTRIOという錚々たるメンバーとコラボして、今回もTHE CHARM PARKとご一緒して。最近コラボづいてますね。

そうなんです。デビューしてから何年かは、誰かとコラボレーションするのはレアなことだったんですけど、私は一リスナーとしていろんな音楽を聴いて妄想が膨らんでいたので、大好きなアーティストと一緒に楽曲制作をしたら絶対面白いことが起きることは、やる前からわかっていました。ずっと前から周りのスタッフにもアピールして、自分のラジオ番組の中でも電波の力を使ってアピールして、ゲストに来ていただいた方に「一緒にやるとしたらどんな曲やります?」とか言って、そこで盛り上がっちゃったら、やらなきゃしょうがないなという空気を作れるかなと思って(笑)。そういう作戦も考えながら。

――知能犯ですね(笑)。それがうまくいきました。

一緒にスタジオに入ってセッションしたり、アイデア出しをする時間がすごい幸せで、いい時間がずっと続いています。デビューしたての頃はまず自分でいろいろできる力を身に付ける時間だったなと思うし、今はそれを誰かと共有し合って作品を作る時間に入れたのかな?と自分では思っています。

――聞いてるだけでうれしい気持ちになります。デビュー9年目にして、まだまだやりたいことがあって、それが一つ一つ叶っていくのは、なかなかないことだと思います。

安田レイの現場には、常に新鮮な空気が流れてきているなと思いますね。だからデビュー9年目という感じがしないというか、気持ち的にはずっと1年生です。いつもフレッシュな気持ちで向き合えるし、楽しいです。毎回思います、「今が一番楽しい」って。

――素晴らしい。その言葉でインタビューを終わってもいいぐらい。

すごい短い(笑)。

――でも本当に、そう言えるのは最高だと思います。

私の将来の目標は、それをずっと言い続けることかもしれない。今回の「風の中」と「each day each night」の制作も、「今が一番楽しい」と思ってました。でもそう思えてるのも、一緒に曲を作る相手の方の力がすごく大きくて、Charmさんは本当に素晴らしい方で、ひとことで言うならば「仏様」というか(笑)。優しいし、トゲがないし、ブラックジョークは好きなんですけど、その空気感がめちゃくちゃ楽しくて。

――いいですね。

とにかく無駄がなくて、「生み出したものを全部生かしたい」という感じなんですよ。せっかく生み出したのにゴミ箱に捨ててしまうのは「安田さんに対しても生みだしたものに対しても失礼だ」というマインドの方なんですね。私は何個も考えて、一番いいと思ったものに絞って残りは処分するタイプで、ほとんどのアーティストさんはそういう作り方をしていると思うんですけど、Charmさんは絶対に捨てないんですね。それが今回、すごく新鮮でした。

安田レイ

安田レイ

――それはたとえば、どんなところで発揮されるんですか。

「each day each night」は私がメロディと歌詞を作ったんですけど、別バージョンのサビも考えて、どっちかを生かすつもりでCharmさんに聴かせたら「こっちも使える」ということになって、別バージョンのサビをDメロに使ったんですね。その発想が私にはなくて、新たな発見でした。Charmさんは「いいメロディだから使いたいんですよ」って言ってくれて、レコーディング当日も柔らかい言葉でディレクションしてくださって、すごくありがたかったです。私はレコーディングの時はいつもメンタルが敏感になるので、ちょっとでもトゲのある言葉が飛んで来ると声が出なくなったり、頭が真っ白になったりするんですけど、本当にリラックスさせてくれて、声も出るし、テイク数もめちゃくちゃ少ないんですよ。「each day each night」はほぼほぼファーストテイクです。

――それはすごい。こんな壮大なバラードを。

いつもは自分が納得するまで何回も歌うんですけど、自分でも「このフレッシュな感じを届けたい」と思えた1曲で、結局、通して歌ったのは2回くらいですね。それはやっぱりCharmさんが中心になってくれた、プロデュース力がすごいからだと思います。「風の中」もすぐに終わって、いつもごはん休憩をはさむんですけど、ごはん休憩ゼロで終わったので。あらためて「音楽はメンタルだ」と思いました。

――ああー。やっぱり。

別に、過去に厳しいことを言われてボロボロになったということではなくて(笑)。今回は特に、Charmさんの優しさに包まれた感じがしました。本当にありがとうございましたと言いたいです。

――そもそもCharmさんとは、いつどこで?

それも、電波の力を使った作戦です(笑)。もともと一リスナーとして楽曲を聴いていて、ただのファンだったんですけど、自分のラジオ番組にゲストに来て頂いたんですよ。

――あ、そうなんですね。

楽曲を聴いてめっちゃいいと思ったら、すぐにインスタを調べて、どんなところでライブしてるのか、どんなライフスタイルを送ってるのかを調べて、「ゲストに呼びたい」と思ったら出演オファーをさせて頂くんです。

――すごいバイタリティです。

Charmさんの場合は番組にゲストで出演して頂いたのが3年くらい前で、けっこう時間は経ってしまったんですけど、今回はタイミングよく2曲も一緒にできてうれしいです。これは言っていいと思うんですけど、実はまだ世に出てない曲があるんです。何曲か作った中から絞って今回の2曲になっていて、Charmさんは曲を無駄にしない主義なので、残りの曲も絶対にリリースしたいなと約束してるんです。

 
安田レイ

安田レイ

――いい情報、聞きました。楽しみです。「風の中」は作詞がレイさん、作曲とアレンジがTHE CHARM PARKで、TVアニメ『ラブオールプレー』第2クールのエンディングテーマになってます。どういう作り方をしていった曲ですか。

『ラブオールプレー』はバドミントンがテーマの作品で、私はバドミントン部に所属していたことはないんですけど、学生時代の部活動と重なる部分がいろいろあったんですね。私はダンス部で、先輩と後輩の関係性だったり、毎日放課後の練習だったり、疲れて家に帰って、また朝が来てという、毎日が同じことの繰り返しみたいな日々を送る中で、「なんでこんなに頑張ってるんだろう?」って、目的がわからなくなる瞬間があって。それは学生に限らず、大人になってもあることだと思うんですけど、「何のために身を削っているんだろう?」という、同じことの繰り返しだと思ってしまうような日々の中に、実は大事なものがあるということを、身近なもので例えたいと思って歌詞を書きました。

――はい。なるほど。

私はいつもAメロから順番に歌詞を書いていくんですけど、サビにたどり着いた時に、曲を作る時にあった「青春」とか「フレッシュな感じ」というキーワードと、Charmさんの曲の爽やかなサウンドが、「風」というワードを運んできた気がして、「これ、いいな」と思ったんですよね。「答えはまだ風の中」というフレーズはすごく青春っぽいなと思うし、まだ答えはない、揺れ動いている、時間や体が前に進んで行く感じがするフレーズだなと思って、「風の中」をサビの歌詞に入れて、そのままタイトルにしました。私、あんまり日本語のタイトルってないんですよ。英語のタイトルにしがちなんですけど、ここは直球で表現したかったのと、今は風の時代と言われていて、そことも重なるし、フレッシュな青春感もあるし、いろいろな意味を込めて「風の中」にしました。私的にはすごいしっくり来ているタイトルになってます。

――僕ら世代だと、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を思い出すタイトルだったりもしますね。スポーツアニメのエンディングテーマに、応援型の強いメッセージと言うよりも、こういう内面的にぐっとくるような歌詞を持ってくるのがかっこいいと思います。

パーソナルな、一対一感がありますよね。でもちゃんと仲間の姿も「僕ら」という言葉で表現したくて、ひとりぼっちではなく、パーソナルだけど仲間もいて、という距離感の曲になったと思います。

――いろんな人に響くと思いますよ。部活やってない人でも。

ライブで歌うのが楽しみです。ここ最近はスローで、淡々と歌う感じの曲が多かったんですけど、けっこう久しぶりのアッパーな楽曲なので。YouTubeのコメント欄を見ると「待ってました!」というコメントがすごい多くて、たぶん今は、みんなコロナと戦っていて、状況が常に変わっていって、全力で「イエイ!ハッピー!」とはなれなくて、どこかで音楽にも救いを求めていると思うし、私自身も音楽から力をもらっているので、そんな時だから喜んでもらえているのかもしれないですね。

――それはあると思います。

ガンバレ!と言われても、「頑張ってるのにな…」って、重たく感じてしまう時があるんですよね。「風の中」はいい距離感の歌詞が書けたと思うし、この楽曲をきっかけに、ライブでお客さんとクラップとかシンガロングとか、いずれみんなで一緒に歌えると嬉しいです。

安田レイ

安田レイ

――そしてもう1曲の「each day each night」。こういうスローでエモーショナルなバラードもレイさんの大事な持ち味なので。2曲揃ってよかったなと思ってます。

バラード、好きなんですよね。大好き。内面がもっと見えてくるというか、もっと繊細な部分が見えてくる気がするので。それはメンタル的にもそうだし、歌い方も、バラードはごまかしが効かないというか、すべてがバレちゃうので。だから好きなのかな。

――難しいけど、うまく歌えたらすごい充実感がある。

アッパーな曲は音数も多いし、テンションが大事だったりするので、勢いで行けたりするんですけど。バラードはいろんなデリケートな部分も見えてくるので、そこが好きなんだと思います。この楽曲は、私の大親友が今年結婚して、式が秋にあるんですけど、その友達にプレゼントしたいなと思って作った曲なんですよ。高校生からずっと仲のいい友達で、私のすべてを知ってる人なんですけど、そんな友達が結婚か――と思っていろいろ考えることがあったし、二人の関係も近くで見ていたので、いろんなストーリーが湧いてきて、たくさんインスピレーションをもらいました。

――そういう曲は絶対強いですよね。リアルな感情が入ってる。

結婚式を想像すると、みんな絶対泣くだろうなと思って、「涙」から始めたいと思って歌詞を書きました。自分の感情に気づくのに涙が出て来ちゃうみたいな感じですね。結婚式でこの曲を歌うので、どれだけちゃんと歌えるか、楽しみでもあり、ちょっと不安でもあるんですけど。

――泣かずには歌えないんじゃないですか。でも全然それもあり。

たぶん抑えられないと思います。本当に大事な曲ができたと思ったし、この間、北海道の釧路のフェスでも歌ったんですけど、この曲は毎回ライブで歌いたいと思える大切な曲だなとあらためて思いました。編成によっては壮大にもできるし、ピアノやアコギだけというシンプルなバージョンでも歌ってみたいし、色々と楽しみな一曲です。

――いい曲が2曲揃いました。素敵なCDシングル。

今が一番幸せです!(笑)

――出ました(笑)。今日のキーワードはそれですね。今が一番幸せです。そういう人の周りに幸せは集まってくるので、どんどん言ってください。

良かった。いっぱい言います!

安田レイ

安田レイ

――あと、そうそう、初回限定盤付属のブルーレイには、ミュージックビデオ2曲、メイキング、そして去年のライブが入ってるんですね。すごい豪華。

そうなんです。去年の11月にビルボードライブ東京で、NulbarichのJQさんにもゲスト出演して頂いたライブです。こんなにライブをほぼ全曲収録したものをパッケージにしたことはなかったので、自分で見るのはちょっと照れもあるんですけど、ぜひみんなに見てほしいです。今回はジャケットも豪華で、デジパックになってるんですけど、レコード感覚で飾ってほしいなと思っていて。

――あ、すごい。かっこいい。きれいな写真ですね。

これは合成なしで、スタジオの屋上で撮ってます。すごくないですか? 空の色そのままで、シャボン玉も目の前で作ってもらって、奇跡の1枚が撮れました。ぜひ手に取ってほしいです。

――そして10月23日には久しぶりの単独ライブが、東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEにて。「Home Sweet Home」というタイトルの、これはアコースティックライブになりますか。

そうです。アコースティックライブにしたいと私が言って、「何でアコースティック?」ってスタッフさんに言われたんですけど、アコースティックが好きなんですよね。duoという場所は距離も近いし、パーソナルな雰囲気を出したかったのと、歌詞もアコースティックの方が絶対届くし、等身大の姿でやりたいなと思ったので。今年ファンクラブを初めて開設したので、自分のおうちにみんなを呼んで歌うみたいな感覚で、みんなともっと距離を近づけたい思いがすごく強いんですね。コロナがあって、みんなとの距離が遠いなと思う時間が長く続いたので、その距離を埋めるようなステージにしたくて、アコースティックにしました。そういう気持ちでセットリストも考えたいし、スペシャルなステージにしたいなと思っています。

――楽しみにしてます。そして、それが終わると来年はいよいよデビュー10周年ですよ。どうしましょう。

ヤバーイ。どうしましょうね? 二十歳でデビューしてるので数えやすいんですけど、20代のすべてを捧げて安田レイとしてやってきて、その前も元気ロケッツとして活動していたので、それも入れると芸歴17年ぐらいになると思うんですけど。

――そうなんですよね。大ベテラン。

この年齢であんまりいないと思うんですけど、でもありがたいです。続けることが一番難しいじゃないですか。始めるのは、勢いで始められると思うんですけど、勢いだけじゃ絶対に続けられないし、いろんな人を巻き込んで頑張ってきたなと思うし、支えられてるなと思うし、いっぱい感謝を伝えて行きたいですね。ありがたいです。もっと頑張らなきゃなと思います。

取材・文=宮本英夫 撮影=大橋祐希

安田レイ「風の中」(TVアニメ「ラブオールプレー」エンディングテーマ)

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