メディアが開く音楽の未来を信じて、コンサート活動を放棄し、録音に専念したカナダの天才ピアニスト、グレン・グールド(1932年9月25日-1982年10月4日)。彼の偉業を讃えるトリビュート・イベントが、命日の10月4日にカナダ大使館のオスカー・ピーターソン シアターで開催されることが発表された。なお、このイベントは世界に向けて無料生配信される。
2022年は、グールドの生誕90周年にして没後40年のメモリアル・イヤー。彼が50歳でこの世を去ってから40年が過ぎたが、残された数々の録音の評価はますます高まりつつある。特に日本での人気は根強く、グールドの正規録音の全作品がCD化され、著作集や伝記から彼を題材にした小説や戯曲まで、関連書が数十冊以上にわたり出版されている。また各種の映像番組や伝記映画も好評を博し、一般の音楽ファンにも親しまれるようになってきた。
今回の『グレン・グールド・トリビュート』ゲストには、ヴァイオリニストの宮本笑里、ピアニストの熊本マリ、そしてグールド研究者の宮澤淳一の各氏を迎えた演奏や講演、ヤマハの“Dear Glenn”プロジェクトで開発されたグールドの演奏を学習したAIによるピアノの自動演奏も披露される予定だ。
宮本笑里コメント
宮本笑里(C)Akinori Ito
グールドは小さいころから大好きなピアニストの一人です。独特のタッチ、一音一音の粒立ちの美しさは一度聴いたら忘れられないほど大きな魅力を放っています。10年前にショート・ムービー『アンジュール』のために、坂本龍一さんプロデュースで録音したグレン・グールドとの時空を超えたコラボ曲「アヴェ・マリア」を今回生で演奏出来ますこと、とても楽しみにしています。
広告・取材掲載