吉川晃司、ニュー・アルバム「OVER THE 9」ジャケ写&収録曲公開 リード・トラック「ソウル・ブレイド」10/14先行配信
11月2日発売となる吉川晃司、待望のニュー・アルバム「OVER THE 9」のジャケット写真と収録楽曲が公開された。
前作「WILD LIPS」から約6年半振りとなるニューアルバム「OVER THE 9」は、吉川が新境地を切り開き、新しい地平に立ったことを示す作品となった。10ではなくて9。何かが欠けている不完全な世界や不十分な状況を、吉川は”9″という数字で象徴的に表している。タイトルについて吉川はこう語る。
「『OVER THE 9』とは、”不十分な状況を超えていく”という意味を込めたタイトルです。目の前に壁があるならば、乗り越えればいい。乗り越えられない壁ならば、壁を壊して進めばいい。そんな突破力が今までの自分の歌の核になっていました。しかし、コロナ禍、戦争、物価高、相次ぐ自然災害、そして音楽に限定するならば、ツアーの中止やライブでの声出し禁止。正面突破では乗り越えられない、行動を制限されて挑戦すらできない状況では、精神を消耗するだけになってしまうことが少なくありません。それでもなお、己に問い続けて答えを求めなければならない、現実と折り合いを付けながらサバイブして進んでいかなければならない、という意志を示した言葉が『OVER THE 9』です(吉川晃司)」
これまでの吉川晃司の音楽の大きな魅力になっていたのは、”圧倒的な突破力”だった。だが、複雑怪奇な今の時代では、正面突破では乗り越えられないケースも出てくる。困難を乗り越えるために求められる要素も変化してきた。全力疾走ではなく匍匐前進する粘り強さ、最短距離を突っ走るのではなく迂回する判断力と勇気、高く飛ぶ跳躍力ではなく深く潜行できる心肺能力。もちろん今回の新作でも驚異的な突破力は健在だ。しかし、”より高くより早く”という最高記録の更新を目指した作品ではなく、”より粘り強くより柔軟に”日々の命を更新することを目指したサバイバルの記録という表現がふさわしい。
「ここ数年、ツアーの中止もあり、精神的にしんどいところはありました。しかしコロナ禍がなければできなかったこともあるので、すべてがマイナスではありません。コロナ禍があったからこそ、生まれた曲もいくつかあります(吉川晃司)」
2022年5月に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催された「KIKKAWA KOJI Premium Night “Guys and Dolls” presented by WOWOW「INVITATION」」も、コロナ禍だったからこそ、成立したコンサートと言えるだろう。普通ではあり得ないスケジュール調整が可能になり、80年代の吉川作品に参加していた熟練のミュージシャンを始めとして、百戦錬磨のメンバーが結集。彼らとの共演で受けた刺激から誕生した曲もあるという。ネガティブな状況すらも創作のパワーへと変換することにより、「OVER THE 9」は多様性に富んだ、密度の濃い作品になった。
困難な状況での葛藤や不安すらもソリッドなビートへと変換した、強靱なロックンロール「ソウル・ブレイド」(WOWOW「ラグビー テストマッチ 2022 オータム・ネーションズシリーズ」テーマソング)、閉塞感が漂う時代の憂鬱や焦燥感を一気に吹き飛ばす、みずみずしいポップなエネルギーが詰まった「風が呼んでいる」、深みのある歌声によって新境地を切り開いた16ビートのラブソング「まだ愛のために」、スイングを新解釈した大人のハードボイルドソング「ギムレットには早すぎる」(アニメ「風都探偵」の主題歌に提供した楽曲「罪と罰とアングラ」の歌詞を再構築)などなど。混迷する時代に確かな光を放つ曲が並んだ。新たな試みに挑んだ曲も目立っている。
「2021年に心臓手術をしたことも大きかったと感じています。やりたいと思うことが出てきたら、やれる時にやろうという方向に意識が変わってきました。今回の新作でも積極的に挑んで、しっかり形にできたという手ごたえを感じています。尖ったところを維持しながらも、エンターテインメントとして成立する作品を目指しました(吉川晃司)」
既存曲も充実のラインナップだ。初音源化となる水球日本代表Poseidon Japan公式応援ソング「Over The Rainbow」、突き抜けたポップなパワーが痛快な「Lucky man」(カルビーかっぱえびせんタイアップ曲)、ギターサウンド全開の「BLOODY BLACK」(「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」オープニングテーマ曲)、「The Last Letter」(『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』エンディングテーマ)も収録される。新曲、新録曲、既存曲など全12曲の超強力作。
悩み、迷い、困惑し、自問自答を繰り返しながらも、エンターテインメントの力を信じて、吉川は愛と希望の歌を歌っている。聴き手を鼓舞し、慰撫し、そして勇気づける歌の数々がここにある。「OVER THE 9」は深い闇の中でかすかな光を放つ星々を道標として未来へと進む、今の吉川のリアルな姿が刻まれた作品だ。
また、アルバムからのリード・トラックとなる「ソウル・ブレイド」はアルバム発売に先駆け、10月14日より先行配信がスタートする。
さらに、11月20日の神奈川・よこすか芸術劇場を皮切りに開催される全国ツアー「KIKKAWA KOJI LIVE 2022-2023 “OVER THE 9”」のツアーファイナルとして、2023年2月23日・24日の東京・日本武道館2DAYS公演の開催も発表された。2月24日の公演は収録のためのEXTLA SHOOTING LIVEとなりチケットは限定数のみの販売となる。