松本伊代、船山基紀プロデュースの40周年ビルボードライブをデビュー記念日に開催 映像商品化も決定
1981年10月21日、「センチメンタル・ジャーニー」で歌手デビュー。花の82年組”を代表する存在として活躍してきた松本伊代が自身のデビュー日にあたる10月21日、神奈川・ビルボードライブ横浜で40周年記念公演「松本伊代 40th Anniversary Live “トレジャー・ヴォイス”」を開催した。
2020年に他界した稀代の作曲家・筒美京平から「はっきり言って美声ではないが、実にユニークな響きのある声、ちょっと甘えっぽく、少年的でもある伊代さんの声が私は大好きです」(2004年発売「松本伊代BOX」ライナーより抜粋)と評されていた松本はデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」以降、30曲もの筒美作品を歌唱。昨年12月には全曲筒美メロディで構成された40周年アルバム「トレジャー・ヴォイス」をリリースしており、本公演でも恩師への感謝を込めて、多くの筒美作品が披露された。
今回、音楽監督を務めた船山基紀はその筒美と最も多くの仕事をした編曲家。「トレジャー・ヴォイス」では新曲「イエスタデイ・ワンス・モア」(筒美の未発表曲に湯川れい子が詞を乗せた作品)を含む、新録5曲のアレンジを手がけているが、筒美メロディの魅力も、歌手・松本伊代の魅力も、ともに知り尽くしていることが今回のタッグに繋がった。
その船山は自身が音楽監督・指揮を務めた「ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 in コンサート」(2021年4月)に参加した日本を代表するミュージシャンをキャスティング。音楽ファン垂涎の顔ぶれが揃うスペシャルなライブが実現した。
10月10日の大阪・ビルボードライブ大阪に続くこの日のステージには全国からファンが集結。感染対策のため“伊代ちゃんコール”は自粛されたものの、揃いのハッピにハチマキ姿の親衛隊が手拍子とペンライトで観客をリードし、アニバーサリー公演を大いに盛り上げた。
ライブは18:00開演の1stステージと、21:00開演の2ndステージの2回公演。1stでは白地にゴールドの刺繍が入ったドレスにニーハイブーツ姿、2ndではスパンコール付きのグレーのロングドレスを着用した松本が登場すると、場内から大きな拍手が巻き起こった。
MCで「今日は最新アルバムの収録曲と、懐かしい曲を中心にお届けしますので、ゆっくり楽しんでいってください」と挨拶をした松本は、その言葉どおり、アイドル時代のポップな曲からしっとりとしたバラードまで、深みを増したアルトボイスで魅了。歌の合間では、楽曲にまつわるエピソードを語る一方、ときに自虐的なコメントを交えて笑いをとるなど、巧みなトークで会場を沸かせる。演奏陣との息もぴったりで、会話の端々からミュージシャンにも愛されていることが伝わってきた。
ライブの後半ではSNSで実施した「聴きたい曲」アンケートで上位に入った曲を立て続けに披露。1回のコンサートでは歌い切れないほど多くの作品にリクエストが寄せられたことに感謝しつつ、「今日歌えなかった曲はいつかまた」と今後の音楽活動への意欲も滲ませた。自身のインスタで振り付け動画を公開した「あなたに帰りたい」(85年)と、やはり筒美作品の「ビリーヴ」(84年)で本編を締めくくった松本は観客およびバンドメンバーと記念撮影。
2ndステージでは音楽監督の船山基紀も登壇、さらに仕事終わりで駆け付けた夫のヒロミが花束を持って登場するサプライズもあって、会場は祝祭ムードに包まれた。
興奮冷めやらぬなか、アンコールでは代表曲の「センチメンタル・ジャーニー」を歌唱。この日の模様を収めた映像作品が2023年1月18日にリリースされることを告知し、「また会いましょう!」の言葉を残して記念のステージをあとにした。なお本公演の2ndステージはRakuten TVで独占ライブ有料配信。チケット購入者は10月24日21:00まで視聴できる。
松本伊代コメント
16歳でデビューしたときはまさか40年後も歌っているなんて想像もしませんでしたが、ファンの皆さんをはじめたくさんの方に支えられてこの日を迎えることができました。素晴らしいステージを作ってくださった船山基紀先生と凄腕ミュージシャンの皆さんには感謝の言葉しかありません。今日の感動を忘れず、またこのような機会を持てるよう歌い続けていきたいと思います。