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パリの名門音楽コンクール「ロン・ティボー」ピアノ部門で亀井聖矢さんが優勝

アーティスト

亀井聖矢さん

フランス・パリで11月7日から開催されていた「ロン・ティボー国際コンクール」ピアノ部門において、現地11月13日にシャトレ劇場でファイナル(オーケストラ伴奏によるピアノ協奏曲審査)が行われ、日本の亀井聖矢(かめい・まさや)さんが、第1位を受賞した。同じく、韓国のイ・ヒョクさんも第1位を受賞。優勝者が2名出る形となった。また、同じく日本から進出した重森光太郎(しげもり・こうたろう)さんも第4位に入賞した。また、亀井さんは、プレス・アワードと聴衆賞も同時に受賞している。

亀井さんは、2001年生まれ、愛知県出身の20歳。現在は、桐朋学園大学音楽学部4年に在籍。2019年に、オーケストラ伴奏で審査される国内最大規模のコンクール「第43回ピティナ・ピアノコンペティション特級」と「第88回日本音楽コンクール ピアノ部門」で続けざまに第1位と聴衆賞を受賞して注目を浴びた。同年、第9回福田靖子賞選考会第1位。今年に入って、4月にマリア・カナルス国際ピアノコンクール(スペイン)で第3位、6月にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(アメリカ)でセミファイナリストと、着実に国際コンクールでの入賞を重ねていた。

今回のファイナルでは6人の演奏者の5番目に登場し、サン=サーンス作曲のピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 作品103を演奏して喝采を浴びた。本選の共演オーケストラは、フランソワ・ブーランジェ指揮ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団。

同コンクールピアノ部門日本人優勝者は、松浦豊明(1959)清水和音(1981)藤原由紀乃(1986)野原みどり(1992)田村響(2007)三浦謙司(2019)に続く7人目の快挙。前回のピアノ部門(2019)では、三浦謙司が1位・務川慧悟が2位と上位を独占したことが話題となっていた。

ロン・ティボー国際コンクールは、1943年、ヴァイオリンのジャック・ティボーとピアノのマルグリット・ロンというフランスを代表する歴史的な巨匠が共同で創設した音楽コンクールで、ピアノ部門とヴァイオリン部門が行われている。2011年には声楽部門が開催されたこともある。ピアノ部門では、過去に、サンソン・フランソワ(第1回1943年優勝)アルド・チッコリーニ(1949年優勝)パウル・バドゥラ=スコダ(同第3位)ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(1961年第3位)ら数多くの名匠を輩出してきた。

同コンクールは、非常にユニークな課題曲の出題でも知られる。今回も、ビデオによる予備審査と現地での第1次予選の課題として、ショパンの「ピアノソナタ第2番第1、4楽章」(創設者マルグリット・ロンが考案した課題)、ドビュッシーまたはラヴェルの「トッカータ」、プーランク「プレスト」、クープランまたはラモーの指定小品と、4曲もの指定曲が課されたほか、第2次予選でショパン「前奏曲第16番」が指定、本選でも指定の限られた協奏曲一覧から選択させるなど、独自色を強く打ち出している。また、審査員には、同コンクールの入賞者や地元フランスを代表するピアニストら世界的な音楽家が名を連ねている。

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