ザ・ローリング・ストーンズ、16枚組LPボックス「ザ・ローリング・ストーンズ・イン・MONO」初の限定版カラー仕様で23年1月発売
ザ・ローリング・ストーンズが1963年から1969年のあいだに発表したモノ・ミックスをすべて収録した16枚組LPボックス「ザ・ローリング・ストーンズ・イン・MONO」が初の限定版カラー仕様で2023年1月20日に発売する。日本ではUNIVERSAL MUSIC STORE限定発売。なお、輸入盤のみの取り扱いとなる。
ボックス・セット「The Rolling Stones in Mono」は、2016年にブラックLP、CD、デジタル配信でリリースされたが、今回の最新エディションはザ・ローリング・ストーンズが1960年代に発表したすべての作品(全186曲 / 180g重量盤LP16枚に収録)を、とりどりのカラーLP(計14色)に収めたものとなっている。それぞれのLPレコードの色は、「Aftermath」や「Beggars Banquet」といった名盤群のオリジナル・ジャケットのデザインに合わせたものになっている。
1963年から1969年までのあいだに発表された作品をまとめた今回の「The Rolling Stones in Mono(LIMITED COLOUR EDITION)」は、ロンドン出身のあの伝説的な五人組、ザ・ローリング・ストーンズの活動初期をカヴァーしている。ストーンズは、「Satisfaction」「Paint It, Black(黒くぬれ !)」「Ruby Tuesday」「Honky Tonk Women」といった時代を代表する大ヒット曲を生み出し、「世界最高のロックンロール・バンド」として認められる存在になった。この「The Rolling Stones in Mono」は15の個別のアルバムとしてパッケージ化されており、このバンドの主要作品の米国盤と英国盤を収録している。ここにはこの時期に発表されたすべての曲が収められており、収録曲の重複を最小限に留めるようなかたちで構成されている。
このボックス・セットだけに収録される2枚組コンピレーションLP「Stray Cats」は落穂拾いのような役目を果たしており、その他の14枚のアルバムに収録されていない1960年代のザ・ローリング・ストーンズの全楽曲(24曲)がまとめられている。ここには、「Poison Ivy」(2ヴァージョン)、バレット・ストロングが1959年に出したヒット曲のカヴァー「Money」、そして「Fortune Teller」といった楽曲が収められている。さらには、「Con Le Mie Lacrime」(「As Tears Go By」のイタリア語ヴァージョン)、「Stoned」(シングル「I Wanna Be Your Man [彼氏になりたい]」のB面に収録されたインストゥルメンタル・ナンバー)、1965年にスタジオでレコーディングされたオーティス・レディングのカヴァー「I’ve Been Loving You Too Long(恋をしすぎた)」のアウトテイクのようなレア・トラックも含まれている。これらのうち「I’ve Been Loving You Too Long」は、1966年のアルバム「Got Live If You Want It!」に収録されているヴァージョンでは、観客の歓声をダビングし、あたかもライヴ録音であるかのように仕立てられていたが、今回はその歓声がない状態で聴くことができる。
当時は、ロックやポップスのレコードのほとんどはモノラルにミックスされていた。一方ステレオ・ヴァージョンは単なる補足のように扱われ、オリジナル(モノ)・ヴァージョンが完成したのちに制作されることが多かった。要するにこの時代はモノが主流だったのである。そしてザ・ローリング・ストーンズのレコードも、まさにそういった状況下で制作されていた。
1960年代の一般的な再生システムは、まだあまり洗練されていなかったが、当時のオリジナル・モノ・レコードは(特に高品質のオーディオ機器で聴けば)最高の音質で楽しめるように作られており、パワフルで、聴き手に非常に直接的なインパクトを与えることができた。
キース・リチャーズは、自伝「Life」の中で次のように記している。「まるでその場に居合わせて……スタジオでの演奏をそのまま聴いているような感じだった。飾りも何もない」。またミック・ジャガーは、1995年のローリングストーン誌のインタビューで、以下のように説明している。「ロックはまったく新しい音楽形式だった。俺たちがやり始めたときは、ロックが生まれてからまだ10年も経っていなかった……。まるで、ごく少数の選ばれた人間のような気分だった。この新しいおもちゃで遊ぶことができる、世界でも数少ない人間のひとりになったような感じがしたんだ。俺たちは福音的な熱狂状態にあった」。
レコーディング・エンジニアの故デイヴ・ハッシンガーは、ストーンズの作品をモノラルにミックスしていた1964年から66年当時を次のように振り返っている。「ストーンズの面々は、いつもみんな一緒に同時に演奏していた。各パートをざっと練習して、あちこちに変更を加えて、全体をうまく仕上げてから、レコーディングを始めていたんだ」。
ローリングストーン誌のシニア・エディターであるデヴィット・フリックは、今回のボックス・セットの5,000ワードに及ぶエッセイの中で次のように述べている。「『The Rolling Stones in Mono』は、歴史と大混乱の最初の10年間をスタジオ音源によって振り返った記録集である。これらの音源は、前例のない忠実さと驚くべき詳細さで新たにリマスターされている」。
フィッケのエッセイは、合紙綴じ(フルフラット)で製本された4色刷り・48ページのデラックス・ブックレットに収録されている。このブックレットには、著名な写真家であるテリー・オニールが撮影しためずらしい写真が数多く掲載されている。全16枚のLPはオリジナルのフルカラー・アルバム・ジャケットに収められ、ブックレットとともに一体型の特製のボックスに収められている。
「The Rolling Stones in Mono(LIMITED COLOUR EDITION)」に使用されている音源には、グラミー賞受賞歴を持つエンジニア、ボブ・ラドウィックによって、ゲートウェイ・マスタリングでリマスターが施されている。このプロジェクトでは、オリジナルのマスター・テープがサンプリングレート2,822,400ビットのダイレクトストリームデジタル(DSD)でデジタル変換されている。またレコードのカッティングは、ショーン・マギーがアビー・ロード・スタジオで行なっている。「The Rolling Stones in Mono(LIMITED COLOUR EDITION)」のプロジェクトは、テリ・ランディ(グラミー賞受賞歴のあるABKCOの主任オーディオ・エンジニア)が監修している。