舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (左)千尋:橋本環奈
東宝創立90周年の2022年3月に東京・帝国劇場にて幕を開け、大阪・福岡・北海道・名古屋と5大劇場計102回でいずれもチケット即日完売を達成し、公演中の5月には、上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝くなど、観る者の心に残る舞台として歴史を刻んだ、舞台『千と千尋の神隠し』(原作:宮﨑駿 演出:ジョン・ケアード 製作:東宝)。この度、帝国劇場公演のインターネット配信(TVOD(レンタル型配信))が決定した。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (左)千尋:上白石萌音
宮﨑駿監督の不朽の名作である『千と千尋の神隠し』は、2001年の封切り以降、爆発的な大ヒットとなり、2003年には米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を受賞。
今回、世界初演の舞台化にあたり翻案・演出を手掛けたのは、ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』オリジナル版の潤色・演出を担い、そのほか『ナイツ・テイル-騎士物語-』や『ダディ・ロング・レッグズ』など演劇史に残る名作を生み出してきた英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (右前)千尋:橋本環奈、(右後)千尋の母:咲妃みゆ
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (中央左から)千尋:上白石萌音、ハク:三浦宏規
そして、主演の千尋は、今回が初舞台となる橋本環奈と、ドラマや舞台に加え声優や歌手としても活躍の場を広げる上白石萌音がWキャストで演じる。少女・千尋が引っ越し先に向かう途中、トンネルから八百万の神々の世界へ迷い込むところから始まるこの物語。人間の世界に戻るために様々な出会いを経て、生きる力を呼び醒ましながら奮闘する千尋の姿が見どころだ。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 湯婆婆:夏木マリ
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真
そのほかクリエイティブスタッフとして、共同翻案には『ダディ・ロング・レッグズ』『ナイツ・テイル-騎士物語-』日本語脚本・訳詞をはじめ、小説、戯曲、ミュージカルの翻訳・訳詞を手掛けている今井麻緒子。音楽スーパーヴァイザー・編曲・オーケストレーションにはブロードウェイで『パリのアメリカ人』『メリー・ポピンズ』などの音楽監督を務め、『ダディ・ロング・レッグズ』『ナイツ・テイル-騎士物語-』では編曲・オーケストレーションも手掛けるブラッド・ハーク。同じくオーケストレーションとして、ブラッド・ハークと共に『ナイツ・テイル-騎士物語-』のオーケストレーションを手掛けるコナー・キーランが参加。2012 年パラリンピック・ロンドン大会開会式の美術デザインを担当した舞台デザイナーのジョン・ボウサーが美術を、舞台『ウォー・ホース~戦火の馬~』でパペット操演及びパペット演出補を務めたトビー・オリエがパペットデザイン・ディレクションを担う。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 湯婆婆:朴 璐美
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (左から)千尋:橋本環奈 ハク:醍醐虎汰朗
また、ダンスカンパニー「イデビアン・クルー」を主宰し、オリジナリティ溢れる振付手法により振付家・ダンサーとして幅広いジャンルで活動する井手茂太が振付を担当し、第11回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞、文部科学大臣奨励賞、平成18年度日本照明家協会賞大賞など数々の賞を受賞し、オペラ、演劇、ミュージカル、コンサートなど幅広く活躍する勝柴次朗が照明を手掛けるなど、国内外から集結した最高のクリエイティブチームで創り上げた。そんな本舞台を国内20社のインターネット動画配信プラットフォームから配信する。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 青蛙:おばたのお兄さん
今回は、帝国劇場公演を17台のカメラで撮影した映像をもとに、翻案・演出を手掛けたジョン・ケアード(『レ・ミゼラブル』オリジナル版の潤色・演出、『ナイツ・テイル -騎士物語-』脚本・演出)と今井麻緒子(『ダディ・ロング・レッグズ』『ナイツ・テイル-騎士物語-』日本語脚本・訳詞)が監修を行ったバージョンを初配信。
橋本環奈主演帝劇公演は完全な初配信、上白石萌音主演帝劇公演は7月にインターネット配信したバージョンの再編集版を初配信する。
舞台『千と千尋の神隠し』舞台写真 (左)千尋:上白石萌音
橋本環奈(千尋役)コメント
私にとって初舞台となった今作は、役者として数々の財産や感慨を齎(もたら)してくれました。
ジョンの演出の下、魅力に溢れた油屋の仲間たちとの日々は今振り返っても煌びやかで躍動感に満ちたまさに神隠しにあったような毎日でした。
この度、舞台『千と千尋の神隠し』ジョンと麻緒子さんが編集を手掛ける映像作品が配信されます。
観に来て下さった方も、観に来る事が叶わなかった方も油屋に足をお運び頂くつもりでご覧頂けたらなと思います。
湯屋一同、お客様という八百万の神様方をお迎え致します!
上白石萌音(千尋役)コメント
この舞台と共にあった時間を想うと、未だに愛おしさで胸がいっぱいになります。
私は出演者の身でありながら、お稽古や公演を観るたびに「目が足りない!」と思っていました。
ジョンさんと麻緒子さんによる編集のもと、また新たな視点で作品をお楽しみいただけることが嬉しいです。
舞台の上で、生身の人間が創り出すジブリの世界。
是非、何度でも、千尋と一緒に迷い込んでください。
ジョン・ケアード(翻案・演出・映像監修)&今井麻緒子(共同翻案・映像監修)コメント
この度は、舞台版『千と千尋の神隠し』を映像配信という形でより多くの方にお届けできることとなり、
大変嬉しく思っています。
宮﨑駿さんの素晴らしい映画を舞台化した時間は、豊かで喜びに満ちていました。
親愛なる環奈と萌音を筆頭に、カンパニー一人一人の目を瞠る才能は、
我々の創造力を掻き立ててくれて……映像監修の作業中、困難な稽古を皆で乗り越えたことが甦り、
家族のようなカンパニーを再び身近に感じることができて感慨もひとしおでした。
公演を続けることも劇場に足を運ぶことも簡単ではない今、
舞台作品を映像で味わう機会があることを幸運に感じます。
監修作業においては、生の舞台ならではの感触が薄れないよう注意を払いました。
千尋が、カンパニーが、奮闘して成長する過程を肌で感じていただければ幸いです。