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『第2回さぬき花火浪漫』ではより花火大会というものを研ぎ澄ましていきたい――一般社団法人SMASH ACTIONが考える新しい花火大会のカタチとは

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2023年1月14日に国営讃岐まんのう公園にて開催される『第2回さぬき花火浪漫』。コロナ過の中、新たな花火大会を立ち上げ、今回はその2回目になるのだが、開催までの道のりは簡単なことではなかったはずだ。そこで『第2回さぬき花火浪漫』の運営をされている一般社団法人SMASH ACTIONの理事長・藤川氏、副理事長・宮本氏、理事・大久保氏、大町氏に『さぬき花火浪漫』とはどんなものなのか、どういった理念で運営されているのか、を訊いた。

写真:国営讃岐まんのう公園提供

写真:国営讃岐まんのう公園提供

――まず昨年のYouTubeで配信された映像を観させていただきました。ピアニストYouTuberのハラミちゃんとコラボもされていました。YouTubeは宣伝ツールとして欠かせないものになっていますよね。

大町:そうですね(笑)。やっぱりYouTubeは見られている方が多いですから。

――今回も生配信をされるのでしょうか?

藤川:配信については色々と詰めて話をしたのですが、今回は開催後に収録した映像を配信しようと思っています。

――生配信ではなく、やはり会場に来てもらって実際に花火を生で見ていただきたいと。

藤川:そうですね。イベントとしてコロナ前とコロナ後の違いは、やはり大きいと僕らは思っています。とにかく人を入れたらいいっていうのでは運営も難しいですし、それにあまりに規模を大きくしすぎてしまうと、周辺の警備が難しくなってしまう。『第2回さぬき花火浪漫』は人数をある程度制限して、よりプレミア感を出す、イベントとして研ぎ澄まされたものにしていきたいと思っています。ある意味、人気でなかなかチケットが買えないようなものにしていきたい。

――コロナ前までは有料の席はあっても、花火大会は基本的に地域の無料のイベントという扱いでしたが、コロナ過を経てもっとプレミア感のあるものに変えていこうという。そんな『第2回さぬき花火浪漫』は2023年の1月14日開催ですが、寒さ対策はされたりしているのでしょうか?

藤川:販売する席に暖房器具の用意はしていません。寒さ対策ではないですけど、シートで地べたに座るのではなく全部が椅子席になっています。夜露とかで地面が濡れたりしますし(前回は開場前に全席の露をスタッフが拭いた)、一般的な花火大会に比べて時間も短めですし。それに今はキャンプブームということもありますので、防寒対策も含めて来場者の方々にそういったアウトドア的なところも楽しんでいただければと思っています。

――来場者数を絞り、かつコンパクトで、有料席ならではの花火を近くで見ることができる特別感を出していくという。最近のグランピングブームに近いというか、特別な感じがします。

藤川:なので今回販売するすべての席が、今までの花火大会でいう“いい席”なんです。各座席の間隔は他の花火大会の有料席と比べてもかなり広いと思います。

――全体的にコンパクトだからこそ有料席はすべていい席であり、それによって運営側も無駄に人を増やすことがないと。

藤川:僕らが他団体と違うのは、この人数でこの規模の花火大会を成立させるっていうことで、他ではなかなかできないんじゃないかと思うんです。ここ2年程はコロナ過で補助金とかが入ったりして運営されていたところが多いと思うのですが、僕らは補助金を一切使わずに開催する、成立させていくっていうのが大事なことだと思っています。花火大会にはそれだけコンテンツとしての魅力とパワーがあると思うんです。ある意味、中規模な花火大会は今後、警備費用が上がったりだとか、設営費用が上がったりで、なかなかできなくなっていくと思っています。このコロナ過を経て、この規模の花火大会を成立させる、というイベントの1つの正解を皆さんにお見せできるのではと思っています。

――ということはいわゆる無料観覧席も用意はしない?

藤川:無いです。開催される国営讃岐まんのう公園の周辺ではもちろん無料で見ることはできますが、こちらが無料観覧席を用意することはありません。それに下の方の(低めで展開される)花火演出や当然見えないですし、音楽も聞こえないです。

――花火が見えることはあっても、それはあくまで運営の外で見てくださいということですね。ちなみに花火大会というと、やはり出店が並ぶイメージがあるのですが、そういうのも用意されないのでしょうか?

藤川:もちろん、共催者の国営讃岐まんのう公園の方と一緒になって周辺地域や各自治体、団体に理解と協力のお声掛けはしています。お祭り的なものはなくても、空き地であったりとか、撮影スポット的なところを管理している自治体であったりとか管理団体の人達が独自に開催したり、管理などをしてもらうということに地域づくりの意味があると考えています。でもそこまでする自治体や団体は少ないと思います。

――運営として手配することはないけれど、地域ごとでそれぞれ動いてもらいたい、そしてそういった運動を独自でされることが重要だということですね。

藤川:仮にそういう地元の人たちが、花火が見えるスペースを駐車場として1台1,000円取ったりとか、独自でやっていくことが重要というか。実際以前開催した「にし阿波の花火大会」では地域の町内会の方が空き地を有効活用し年間の町内会費を稼いだ。といったこともありました。仮に渋滞やなどが起こったとしても、そこで住み暮らす人達の協力姿勢があればより地元の理解も深まっていく。そういったところにイベントとしての「まちおこし、まちづくり」の意義があるんじゃないかなと思っています。

――では有料観覧席には出店であったりとか、飲食店などは用意されるのでしょうか?

大町:屋台等の出店はあります。今回は基本的に花火に集中していただきたい。ということを第一に考えています。

――花火に集中してもらいたいと。やはり今回の目玉は花火競技になるわけですよね?

藤川:まぁ(苦笑)僕らとしての目玉はやはり花火競技なんですけど、観覧者の方々にとっては、花火競技が目玉にはならないかもしれないですけどね。

写真:国営讃岐まんのう公園提供

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――確かに花火のマニアでない限り、花火競技といっても分からないことが多いですものね。とはいえ有名な花火師さんを目当てで来られる方もいらっしゃいます。今回の『第2回さぬき花火浪漫』には花火師さんはどのぐらい参加される予定なんでしょうか?

大久保:まだ確定ではないですが、全部で15業者ぐらいのになりそうです。

――15業者はかなり多いですよね。

大久保:そうですね。やはり花火競技が軸になっていて、競技の部分を今回は日本の煙火協会の後援をもらって、きちっとした競技大会って形を取ろうと思っています。花火競技はいろいろな形があって、通常は同じようなレギュレーションで花火を作って、それを同じ枠組みの中で打ち上げて判断するっていう形になるんですけど、各団体がそのレギュレーションの中でどのような花火を打ち上げてくるのか、が一番見どころになると思うんです。

――花火競技の面白さも来場者の方々に啓蒙するというか、知ってもらおうということですね。

大久保:そうですね。あとは分かりやすい華やかさというか、短時間で一気に打ち上げてしまうワイドスターマインがやはり目玉というか見どころだと思います。だいたい250mから300mぐらい花火が横に広がって展開するので、最前列のお客さまは視界に収まりきらないかもしれません。会場自体が円形というわけではないんですけど、少し湾曲したような形になっていて、本当に360°花火! みたいな感じになることを想定しています。

――それは楽しみですね。そういった観覧席と打ち上げ場所の関係図なども公開されるのでしょうか?

宮本:現在制作中でして『第2回さぬき花火浪漫』のHPにて公開予定です。

――あと昨年の写真や映像を観させていただいたのですが、イルミネーションも凄いですよね。今年も公園内にイルミネーションが展開されるのでしょうか?

大久保:もちろんです。「イルミネーション花火」と銘打っているところもありますし、Twitterに昨年の映像や会場の写真もありますのでそれを見てぜひ期待していただければと。

――花火競技、ワイドスターマイン、そしてイルミネーション、と見どころが多いですね。では、実質的なところというか、来場される方への注意点などはありますでしょうか。会場のまんのう公園は地図を見させていただいて、車であれば関西方面や広島、岡山方面などからもアクセスしやすい場所だと思ったのですが、とはいえある程度渋滞はされると思いますので、何時間前に来た方がいいよ、などがありましたら。

宮本:開始2時間前ぐらいに到着されるが確実かなとは思います。あとかなり大きい公園なので、自転車に乗れたり昼間から来ても子供達は楽しめると思います。あと交通に関してですが、南から北に向かって山越えしてくる場合は、ひょっとすると今年の冬は寒いらしいので、雪が降ったりしている可能性がありますので、雪対策も天気予報を見て考えておいていただいたほうがいいかもしれません。あとは防寒対策をしっかりしていただければと。

――確かに1月だと雪が降る、もしくは開催前に雪が降って積もっている場合もありますからね。あとは今回の『第2回さぬき花火浪漫』に合わせてやっぱり温泉なども入りたい、というお客さんもいらっしゃると思いますが、近くに温泉などはあるのでしょうか?

宮本:ことひら温泉という結構大きい歴史がある温泉街があります。あとは南側に山を越えると、祖谷のかずら橋だったり、大歩危・小歩危という有名なスポットがありますし、会場近くにはニューレオマワールドという遊園地とかもあるので、早めにいらっしゃったり、お泊りになられて、そういったスポットなどで遊んでもらえればと思っています。

――『第2回さぬき花火浪漫』を運営されている一般社団法人SMASH ACTIONさんは、PUBGモバイルのオンライン大会など、花火大会以外も運営されています。やはり地域貢献を軸に今後も様々なイベントを手掛けていかれる予定なのでしょうか?

藤川:花火大会だけではなく、色々なことをやっていこうと思っています。今は花火とキャンプとeスポーツがメインです。他には、例えばドラマや映画の撮影場所して誘致や手配をするフィルムコミッションであったり、今各地域の交流拠点になっている道の駅や各自治体のアドバイザーであったりもしています。道の駅といっても、やはり時間が経つとさびれてしまったりするので、そういった施設を再生させる活動などもしています。地域貢献というか、地域を活性化させる、花火であったり観光を軸に交流する人を増やしていく、というのが僕たちの基本的なテーマというか事業になっています。

――それは四国地域全域で展開されているのでしょうか?

藤川:場所を選ぶわけではないですけど、やはり僕らが今のところ動ける徳島・香川、あとは兵庫県の淡路とかが中心ですね。これから活動できる範囲は広げていければと思っています。

――まずは足元からということですね。ちなみにキャンプ系イベントというのはどのようなことをされているのでしょうか?

宮本:主になってやっているのですが、『AWAODORICAMP』(阿波おどりキャンプ)というもので、ぜひ検索して見てもらえればと(笑)。他にもキャンプというものを軸に、何かとキャンプをかけ合わせてクロスオーバーさせていきたいと思っています。実施したもので言えば、キャンプと花火に帆船クルーズを掛け合わしたり、プールなどの水遊びとマルシェとキャンプを融合させたり、最近は色々なところで流行っていますが、キャンプとサウナを日帰り企画で開催もしました。今動いているものでは地域にある交流拠点施設での各イベントとデイキャンプを組み合わせたアウトドアな時間を体験できるようにしたり、自転車競技など各スポーツと融合させる、ということも考えています。

写真:国営讃岐まんのう公園提供

写真:国営讃岐まんのう公園提供

――キャンプとのかけ合わせを考えられていると。他にもeスポーツ競技大会やドローンレースなどSMASH ACTIONのHPの実績にありましたが、やはり若者を呼び込みたい、ということなのでしょうか?

藤川:それもありますね。僕らはもはや若者では無くなってきているんですけど(苦笑)。

――言い方は悪いですけど、地方では50歳までは若者って言われますよね(笑)。

藤川:僕らはギリギリのところですかね(笑)。あと僕らの活動は大学生だったりとか、20代の人たちに積極的に協力してもらっています。今回の『第2回さぬき花火浪漫』も学生団体の人たちに手伝ってもらったり、先ほど出た『AWAODORICAMP』も学生さんが起業された会社だったりと一緒に企画をしたりとか。僕らがお声がけするのはもちろんですけど、逆に向こうから呼ばれて参加したりすることもあります。そういう関係値を1人でも増やしていきたいと思っています。積極的に若い子達と交わっていきたい。

――学生はこういったイベントの企画や運営は経験にもなりますし、就職の際のアピールにもなりますからWINWINの関係でいいですね。

藤川:そうですね。あと若い子達のSNSを使った発信力に期待をしている部分もありますし、あとやっぱり最近の若い子って、勉強をしてきてすごく知識はあるんですけど、実際に事業を作っていく経験っていうのはないんですよね。枠を作る、とか簡単なように喋るんですけど、実際「やりますよ」ってなった時に、動けないことがやはり多い。でもそこで上から押さえつけてしまったりすることはせず、一緒にやっていく、対等な立場でやっていくようにしています。そうすればこちらが気づくことや学びも多いです。

――頭だけで考えているところと実地は違いがありますよね。でもそこで対等な立場を守るというのは凄いです。

藤川:そうですね。でもミッションとビジョンをやたら語ってくるんですよ(笑)。当然大事なんですけど。それだけでは何も起こせないです。

――やはりイベントを一から立ち上げるということは、頭だけではできないですからね。そんなイベントを作るうえで、一番大変なことは何だとかんがえられていますか? やはり自治体との調整は大変なのではと外から見ると思ってしまうのですが。

藤川:そうですね…僕らは特に自分達の地域で権力者に叩かれに叩かれすぎて、何もできなくなったりもしたんですけど、でもやっぱり、その状況でも腐らずにコツコツといろんなことをやってきました、他のエリアであったり、名前を出さずに活動しながら、やっぱ戦うところは戦ってきたんですよね。

――これまでに色々なことと戦ってきた。

藤川:今の社会構造っていうのを変えていくことも大事だと思うんです。やっぱり、お願いして、歯向かわなければできるところとかもあったり、そこを上手にやらないと難しいなっていうのもある。ただ、でも今までの社会構造としてある役所の流れというか、地域の権力の流れに沿ってやっていくと、これまでと同じことになると思うんです。イベントが最終的には税金が無ければできないとかね。あの権力者が「うん」と言わなきゃできないとか。その結果が本当に面白いもの、いいものや魅力あるものがその地域から無くなっていく。そこはそうならないように、僕らは気を付けながらやっています。

――難しいですよね。どうしても花火大会ってことになってしまうと、行政の許認可もそうですし、警備周りで警察であったり、全方位に確認を取っていかなきゃいけないっていう。やはりそういった調整は大変なのでしょうか?

藤川:大変ですね。やっぱり花火大会になってくると、複数の行政区や機関が関わってきますし。市と県ってなってくるとまた、政治的なものもでてくる。だから一つの町単独とか一つの市単独でできるということが重要なところではありますね。

――大きくすればするほど政治的なことも考える必要があると。

藤川:他にも大きくしすぎるとそれもいろんなところに問題が出てくる。今回の規模で収益も取れて、やっぱり見る人を感動させられるコンテンツとなるとやっぱり花火大会だろうなと思うんです全国の技術を持った花火師さんたちに来てもらって、収益をしっかり出せて、観た人も満足度が高い花火コンテンツになっている。実際、キャンプはなかなか収益化が難しくて、よっぽどキャンプと組み合わせるコンテンツがしっかりないと難しい。花火大会は、花火だけで成立させてしまう力っていうのがあるなと。

――ちなみに、そういうイベントしてのコンテンツであれば、いわゆるフェス的なライブイベントとかもあるじゃないですか。そういったライブフェスなどの開催も考えられているのでしょうか?

藤川:ライブやフェス等も、計画はしていますがなかなか実施までいたらないです。人を呼んでくるっていうのは徳島では難しかったりするんです。距離はもちろん、大規模な会場がなく費用面としても難しい。ただ、ゆくゆくは大きなフェスも手掛けたいと思っています。

宮本:私がeスポーツ関連をやっているのですが、実は徳島県はインターネット網の普及率が日本一なんです。昔から徳島県知事が力を入れていたんですね。加えて、他の都市部に比べるとそもそも利用者が少ない。なので、回線自体も重くなりにくいですし、eスポーツ大会の環境としては、最適な環境なんです。なので県を挙げてeスポーツを今、推進していっているということもあります

藤川:去年、映画祭とeスポーツとマチアソビ(徳島で行われていているアニメやゲームなどのエンターテインメントが集う総合イベント。アニメ制作スタジオのufotable徳島スタジオが主導して開催。現在は響制作会社スタジオマウスにより企画・プロデュースが行われている)と、阿波おどり、そして花火を融合したイベントをやったんです。ただちょっとエリアが広すぎたり、人の導線とか流れが今一歩うまくいかなかったりして、各主体と協力し急遽、融合したということもあったのですが、今後も各主体と協働し、色々な要素を掛け合わせたイベントが開催出来ればと思っています。

写真:国営讃岐まんのう公園提供

写真:国営讃岐まんのう公園提供

――SMASH ACTIONとしては手掛けている花火やeスポーツ、キャンプなどの要素を今後もかけ合わせていきたいと。では最後に改めて、2023年1月14日に開催される『第2回さぬき花火浪漫』のチケットを購入しようかな、と思っている方々に、魅力や見どころをいただければと。

大久保:まず先ほどもお話しましたが、有料観覧席のみですし、スペースも大きく撮っていますので、ゆったり観ることができます。あとはイルミネーション+花火、光と光のコラボは本当に日本最大規模を目指しています。

藤川:会場となる国営讃岐まんのう公園は、実は入れようと思えば4万人は入れるんです。ですが、今回は3,500人までに来場人数を絞っています。花火競技、ワイドスターマイン、そしてイルミネーションを『第2回さぬき花火浪漫』ではプレミアムな体験として提供します。夏のイメージがある花火ですが、冬も花火を楽しめるようになっていますのでぜひご来場ください。

取材・文:林信行

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