CNBLUEが約5年ぶりの日本コンサート『CNBLUE AUTUMN CONCERT 2022 ~LET IT SHINE~』を開催。東京・日本武道館(11月8日、9日)、兵庫・神戸ワールド記念ホール(11月26日、27日)の計4公演を行った。久しぶりの日本ライブは、韓国デビュー曲「ひとりぼっち(I’m a Loner)」から、10月19日にリリースされた最新シングル「LET IT SHINE」まで、新旧の楽曲を織り交ぜた構成。バラード曲ナシの攻めに攻めた“神セトリ”で、ロックバンドとしての気概を見せた。ここでは、11月9日の日本武道館公演の模様をレポートする。
CNBLUEはジョン・ヨンファ(Vo.Gu.)、カン・ミンヒョク(Dr.)、イ・ジョンシン(Ba.)から成るロックバンド。メンバーたちの入隊やコロナ禍により5年ぶりの開催となるコンサートだけに、ファンも開演前から手拍子でメンバーたちの登場を待ち構える。その手拍子に迎えられてステージに上ったメンバーたちは、ヨンファの「武道館、会いたかった!」という言葉とともに最新シングル収録曲「TRIGGER」に突入。軽快なロックビートに、オープニングから身も心も解放された気分に。そこからギアを上げてCNBLUEテッパンのロックナンバー「Have a good night」、「Lady」、そしてポップな「Cinderella」へ。5年という空白がこの4曲でたちまち埋まってしまうほど、武道館が懐かしい感覚に包まれた。
全員で「みなさん、お待たせしました! CNBLUEです!」と挨拶をすると、「5年ぶりです。この日をどれだけ待ちわびてきたか……。新曲「TRIGGER」からスタートしたのは、新しいCNBLUEをお見せするんだ、という僕たちの決意表明です。初心にかえってもう一度、コツコツ積み上げて行きたいと思います。昨日の初日は“ここは天国なのか?”と思うくらい幸せをもらいました。ホテルに戻っても興奮が冷めず、ライブ映像を見直しました。今日はさらに良いライブ……、“伝説のライブ”になる予感がしています。一人残らず幸せにします!」と言うヨンファ。ジョンシンが「大好きな武道館で、5年ぶりのライブができて嬉しいです。幸せになれる最高のセットリストを準備してきました。一緒に最高の1日を作りましょう!」と続けると、ミンヒョクは「ただいま! 帰ってきました! 軍隊にいるときから、この日を待ちわびてきました。日本のBOICE(ファン)の前でドラムをたたいて、メンバーたちと音を重ねることが何よりの幸せです。5年ぶりだけど、自信満々。5年分の想いを伝えるライブにしたいです」と久々の武道館、久々のオーディエンスを前に意気込んだ。
「「Love Girl」な皆さんを「ZOOM」して、僕らの心のピースが「Puzzle」のように完成しました」というポップチューンを固めたセクションの後は、新シングルリード曲「LET IT SHINE」から始まる「これぞCNBLUEのロック!」といえるセクションへ。「新曲「LET IT SHINE」は、CNBLUEにとって久しぶりの完全ロック曲。はっきり言って、今回のセットリストは“神セトリ”だと思います。新曲もやるし、これまでのリード曲のオンパレードです。ここからはアクセルをもっと踏んでスピードを上げていきます。ここからがCNBLUEのロック、体力温存しないで!」とヨンファも煽る。声を上げられない中、「Wake up」はヨンファの先導でリズムに合わせた手拍子でレスポンス。そして「I'm Sorry」ではヨンファもファンも“モラゴダンス”で一体感を作り上げたが、これにはヨンファも「ライブの盛り上がり方、完璧! 5年ぶりなのに忘れてなくて感動しました」と笑顔を見せた。
最新シングル収録曲の「MOON」ではリズムに合わせて自然と手拍子が沸き起きると、ヨンファは身振り手振りを交えて歌詞を伝えるように全身で歌う。そして「Can't Stop」で多幸感が高まると、「ここからが本番!」と本編ラストは、再び怒涛のロック!ディストーションのかかったギターリフから始まる「Where you are」、日本メジャーデビュー曲「In My Head」では炎が上がると、ジョンシンが力強い歌声を響かせ、ヨンファが「CNBLUE FOREVER!」と絶叫。「Radio」ではドラムのミンヒョクが手拍子を煽り、「Between Us」までをいっきに駆け抜けた。ヨンファがファンに「ライブの盛り上がりを忘れていなかった」と言ったが、CNBLUEこそ、彼らのロックを忘れていなかったという安心感を与えてくれた。
アンコールでは「やっぱりCNBLUEはライブが最高!幸せです。この武道館でまたライブができて幸せです」と感慨深げなヨンファ。ギターを手に取ると「2010年に帰ります」と韓国デビュー曲「ひとりぼっち(I’m a Loner)」を熱唱。そこからラテン調の韓国最新曲「Love Cut」へ11年の歳月をワープし円熟味を感じさせると、「You’re So Fine」でキュートさを爆発させる。こういうギャップもCNBLUEの魅力だ。
ジョンシンが「この日を迎えるのに5年かかりました。長かったけれど、この時間があったからこんなに幸せを感じられました」と言うと、ミンヒョクが「最初に“ただいま”と言いましたが、本当にそう思います。僕たちの帰る場所を守ってくれて感謝です。これからも僕たちと一緒に行きましょう!」と熱く語る。ヨンファが「最後に日本でライブをしたのが「Starting Overツアー」(2017年)でした。あの時は“またすぐに日本に戻ってきます”と言ったのに、長い時間がかかってしまいました。その間に僕たちもたくさんの悲しい想いや辛い想いをしました。でもその時間があったから僕たちは強くなれたし、こんなにも絆が強くなった。CNBLUEとBOICEの絆は永遠です。心の底からそう思っています。皆さんは僕たちのそばに、僕たちは皆さんのそばに……、ずっとずっと一緒に!」と言うと、会場からは長く大きな拍手が。そして、「3人になって、武道館でライブができるのだろうかと思った時間もあったけれど、できて幸せです。来てくれてありがとうございます。これからも全力で頑張ります。いい曲で、いいライブでずっと会いましょう!」とファンに感謝を伝えると、「「Starting Overツアー」で、次のライブではもっと大きなワイパーをしましょうと約束しました。これからしましょう! 素晴らしい1日をありがとうございます。本当にGlory Daysでした!」と言うと、ラストの「Glory Days」で手を大きく左右に振るワイパーで会場中のファンが一体に。5年かかっても約束を果たしてくれた彼らに、ファンも感無量の面持ち。5年ぶりの日本公演でCNBLUEは、音楽に懸ける生きざまと、これからもロックし続ける決意を見せてくれた。
CNBLUEはこの後、12月に事務所のファミリーコンサートである「2022 FNC KINGDOM – STAR STATION -」(12月17日(土)、18日(日)@幕張メッセ)に出演。ヨンファは今秋に行ったソロコンサートのアンコール公演「JUNG YONG HWA JAPAN CONCERT @X-MAS ~WELCOME TO THE Y’S CITY~」を12月24日にパシフィコ横浜国立大ホールで行う予定。また、12月から放送されるTBSと韓国SBSグループ、FNC ENTERTAINMENTによる日韓合同アイドルボーイズバンド結成プロジェクト「THE IDOL BAND : BOY’s BATTLE」の韓国プロデューサーに就任し、後進の育成も目指す。
取材・文/坂本ゆかり
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