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Hikaru、GARNiDELiA、春奈るな、NightOwl、CODE OF ZERO、START TO BLING 強く美しい女性アーティストが一堂に会した『LADY BEYOND』ライブレポート

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GARNiDELiA

GARNiDELiA

「自分らしく生きる」というテーマを高々と掲げ、強く美しい女性アーティストが一堂に会した新イベント『LADY BEYOND』。その第一回が、11月21日(月)にクラブチッタ川崎で開催された。

NightOwl

NightOwl

たった一つの夢や希望が人生を変えることなんてあるんだろうか?――監督・谷口雄哉、主演・森日菜美、ナレーション・佐倉綾音と、豪華メンバーが揃ったオープニング映像が新たなドラマの始まりを告げる。

先陣を切るのはNightOwlだ。真っ赤なロングヘアが目に眩しい折原伊桜を中心に、百城凛音、雨夜憧、長谷川嘉那が、アイドルの枠をぶち破る強烈なトランス+ハードロックに乗せて大胆に歌い踊る。フロアに突き出したセンターステージも使いながら、息の合ったフォーメーションダンスで見せ場を作る。「夜想歌」「Daybreak」「暁闇」と、ノンストップのド派手なパフォーマンスにフロアはいきなり大熱狂だ。

NightOwl

NightOwl

「今日はアイドルグループは一組だけということで、実質アイドルグループの代表として出させていただいていると思ってもいいのかな? 私らがトチったら“アイドルってこんなもんか”と思われるとまずいというか、アイドルだって戦えるんやということを見せるために全力で歌いたいと思います」(折原伊桜)

NightOwl

NightOwl

「Feel Alive」から「Beyond the Night」「melt blue」へ、徐々にドラマチックでエモ―ショナルな要素を加えながら、手拍子とダンスで観客を巻き込みながらのフレッシュなパフォーマンス。壮大なラストチューン「All Night Long」まで、アイドルポップ、トランス/ハードコアな音楽性と、一番手の大役を見事に果たす熱いパフォーマンスを見せてくれた。

Hikaru

Hikaru

Hikaru

Hikaru

続いて登場したHikaruは、がっつりハードロックなバンドを従えた、本気モードで一気に飛ばす。「Ambient Border」から「I am me」へ、センターステージ中央でこぶしを振り上げてシャウトする姿はまるでメタルクイーン。いきなり圧巻の存在感。

「私はいつもライブを会話と言っていて、こうしてみなさんとお話しする時も音楽を奏でている時も、お一人お一人と目を合わせながら行こうと思っています。目が合ったと思った方は勘違いではなくて本当に合っているので、Hikaruのことを憶えて帰ってください」

Hikaru

Hikaru

ジャズっぽいムードでしっとり大人の味わいを演出する「千日紅」から、一転して歪んだボーカルエフェクトを効かせたハードなダンスロック「drizzle」へ。さらに“Put your hands up!”とフロアを煽りながら、長い髪を振り乱して激しく歌う「Existence」へ。Hikaruの音楽性はソフトからハードまで実に多様だが、この日のメニューは刺激をたっぷり効かせたハード仕様でぐいぐい押す。そして言うまでもなく、歌のうまさは別次元。“みなさんが自分らしく生きられますように”というメッセージを添えた、高揚感あふれる「pulsation」まで、持ち時間30分があっという間だ。

CODE OF ZERO

CODE OF ZERO

CODE OF ZERO

CODE OF ZERO

ボーカルの0C(ゼロシー)を中心としたCODE OF ZEROも、屈強な男子メンバーに支えられた超攻撃的ソロバンドプロジェクト。1曲目「S/O/G」からトランス、エモ、ハードロック、エレクトロを混ぜ込んだ強力なサウンドが炸裂する。0Cは小柄な体を弾ませてセンターステージに飛び出し、飛び跳ね、拳を突き上げる。観客一人一人の顔を指さしながら、君に歌ってんだよ、と言わんばかりに全力で歌う。声質はキュートだが根っこは骨太、どこまでも突き抜けるボーカルが気持ちいい。「QAdream」「Deep Above」「out of control」と4曲ノンストップでぶっ飛ばす。

「楽しんでる? 良かった。こうやって大きいステージに立つことはなかなかないけど、渋谷のライブハウスの音楽を届けたくて来たので、みんな最高に楽しんでいってちょうだい!」

CODE OF ZERO

CODE OF ZERO

ライブハウス出身のプライドを賭けた、巻き込み型の熱すぎるパフォーマンスが、初見の観客のハートもがっちりキャッチする。「Human-Emo」から「MAKE ME REAL」へ、“音楽はどんな境界も越えるってことを証明してやるよ!”という叫びにもしびれる。ミニアルバム『Storage of Solutions』が出たばかりで、年末年始は怒涛のライブ三昧。今後もっと注目すべき存在だ。

START TO BLING

START TO BLING

START TO BLING

START TO BLING

自分たちらしく、あなたたちらしく、最後まで一緒に楽しんでいきましょう。――そんな第一声を合図に、ボーカルの茉莉奈とギター&サウンドプロデューサーのHaKAによるロックユニット・START TO BLINGは、1曲目「Pride」から強力なメタルコアとキュートなボイスでこの空間を支配する。「Def Manage」では、盛大なジャンプとクラップで観客を一つにする。さらに、声が出せない代わりに手拍子で盛り上がる「Shout It To My Face」。舞台女優としても活躍する茉莉奈の演劇的な表現力が映える「千年コントラクト」。茉莉奈の可愛らしさと色気、HaKA のいかつい男くささとハードロック魂が絶妙なバランスを保つ、START TO BLINGのライブは舞台を観るような華やかさも兼ね備えてとても個性的だ。

START TO BLING

START TO BLING

「マスクしてるけどみんなの笑顔がマジわかる。無理やり笑わなきゃいけない時もあるけど、笑いたい時に笑いたいし、笑いたくない時は笑わなくていい。だからこそこういう日が素晴らしい日になると思うし、みんなと同じ景色が頭の中に焼き付くと思います」

静寂と爆音のコントラストで聴かせる「Drawn」から、強烈なメタルコアチューン「Break The Shell」へ。ひざまづいて祈るように歌う茉莉奈のパフォーマンスが目に焼き付いて離れない。リリース中のセカンドEP『RESONANCE』からの新曲3曲を中心に、勢いたっぷり走り抜けた充実の時間。

GARNiDELiA

GARNiDELiA

GARNiDELiA

GARNiDELiA

そして続く、GARNiDELiAに紹介の言葉はいらないだろう。初見の観客たちさえも、その音楽の力で踊らせる、ライブパフォーマーとしての実力に疑問の余地はない。ステージ上手でキーボードを弾くtokuのクールなたたずまいと、二人のダンサーを従えて時に攻撃的に、時に妖艶に、激しいダンスを繰り広げながら、圧巻のボーカルを聴かせるMARiA。オリエンタルムードいっぱいの和風テクノポップ「謳歌爛漫」から、トラップのビートがかっこいい「BAD BOY」へ楽曲が移り変わると、会場内は一気にパーティーモードへと変わった。

「今回のイベントはいろんな垣根を超えていろんなアーティストが一つの場所に集うということで、とてもワクワクしてやってきました。いい音楽はジャンルも国境も性別も年齢も界隈も超えて心に響くと思ってます。今日私たちは、自分たちの信じるいい音を全力でみなさんに届けて行きたいと思っていますので、全力で受け取って帰ってください」

GARNiDELiA

GARNiDELiA

会場にまっすぐに声を届けるMARiAのMCから、「ORiGiNAL」「Hysteric Bullet」、そして金の扇子を手にし、艶やかに歌い踊る「オオカミ少女」と楽曲は続く。80~90年代のディスコやレイヴの香りをモダンにアップデートしたような、ライブで絶対の魅力を発揮するGARNiDELiAミュージックは、ラストの「極楽浄土」まで、テンションMAXで会場を盛り上げ続けた30分間であった。

春奈るな

春奈るな

みんな行くよ!――言われる前から行く気満々、跳ねる気満々の観客に向かい、この日のファイナルアクトを務める春奈るなが元気いっぱいに呼び掛ける。しっかりロックなバンドを従えて、明るく疾走するロックチューン「アイヲウタエ」を伸びやかな声で歌い上げる。王道、普遍、安定、定番。そんな言葉が頭に浮かぶ、相変わらず抜群の歌唱力だ。

「LADY BEYOND、楽しんでますか? ここまでいろんなアーティストの方々が出てきたと思うんですけど、るな氏のライブを始めて見るよって方、どれくらいいらっしゃいます? あ、けっこういる。嘘ついてる人もいる(笑)。はじめましての方もいらっしゃると思うので、るな氏の音楽を楽しんでいってください」

 

春奈るな

春奈るな

まだ体力残ってます? ペンライト振れますか?――るな氏のテーマカラーの緑に合わせた人と、曲に合わせて青を選んだ人とがフロアに美しいグラデーションを作った「BLUE ROSE」から「snowdrop」、そして不思議の国のアリスの世界を音で表現した、ダークでキュートでファンタジーな「回転木馬」へ。爽やか王道ポップの「Overfly」から、永遠に色あせない青春とまっすぐな恋心を描く「君色シグナル」へ。センターステージの真ん中で歌うるな氏を守るように、観客が手を振り上げて盛り上げる優しい世界。愛と希望と共感にあふれた、これが春奈るなの世界。

春奈るな

春奈るな

平日16時半スタートという条件ながら、客席は徐々にしっかりと埋まっていった。30分の持ち時間の中で、各アーティストが最も自分を表現できるセットリストを組んだ。『LADY BEYOND』の「自分らしく生きること」というテーマに共感して、それぞれがMCで真摯なメッセージを発してくれた。トータル4時間15分の長丁場ながら、素早い転換と各アーティストの熱演のおかげでストレスはまったくなかった。つまり可能性と伸びしろしかない新イベント『LADY BEYOND』。今後に向けて期待高まる素敵な一夜だった。

レポート・文=宮本英夫

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