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ClariSの語る「ClariSらしさ」とは? 『WINTER TRACKS -冬のうた-』全曲解説インタビュー

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ClariS

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ClariS新作ミニアルバム『WINTER TRACKS -冬のうた-』が2022年12月7日に発売される。冬をテーマにしたJ-POPのカバー4曲と、オリジナル新曲「スノーライト」の計5曲が収録される本作。顔出し以後精力的に活動するクララとカレンは今までなら選ばなかったような楽曲にも挑戦している。デビューから12年が過ぎ、新しいステージに向かおうとするClariSが感じる「ClariSらしさ」とは?全曲解説と共にお届けする。

――今回発売される『WINTER TRACKS -冬のうた-』ですが、過去『SUMMER TRACKS』が2019年、『SPRING TRACKS』が2016年と、3年ごとに出ているコンセプトミニアルバムです。今回のコンセプトはどのようなものなのでしょうか?

クララ:このコンセプトミニアルバムシリーズは収録曲として4曲カバー曲・1曲オリジナル曲の構成になっていて、季節ごとにいろんな楽曲に挑戦できたり、ClariSにとって新たな一歩を踏み出すきっかけをくれるような一枚になっています。今回は第三弾ですし、『ClariS HALL CONCERT 2022 ~Let's Snow Parade!~』も控えているということで、冬を感じていただけるようなものを作りたいと思って、このタイミングでリリースさせていただくことになりました。

カレン:既存の歌をカバーさせていただくので、それをどうClariSの色に持っていくかっていうのもすごく楽しいところです。今まで触れることがなかった、歌うことがなかった楽曲とかもカバーさせて頂いて、それがぴたっとはまると、ClariSの幅を広げるきっかけになることもあるんです。普段とは違った楽しさを感じられるのがこのコンセプトミニアルバムなので、ちょっと今回は秋を飛ばして冬を出させて頂くんですけど(笑)、春と夏とはまた違った楽曲になっているので、みなさんにも楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

――出来上がってみて、過去2作とのご自身の中での差などはありますか? リリースの間に顔出しを解禁するなどもありましたが。

クララ:『SPRING TRACKS』から7年弱位経っているんですよね。その間にいろんなことに挑戦してきて、ClariSとして出来る幅も広がったっていて、前であれば今回の選曲にはなってなかったと思いますし、進化する過程を見せられるようなカバーアルバムになっていると思います。春から夏、今回の冬にかけて成長した私たちを見ていただけると思いますし、今回はアップテンポの曲からバラードまで全部入っているので、何回リピートしても楽しんでいただける楽曲のラインナップになっていると思っています。

カレン:以前は提案して頂いた楽曲に声をあててみて「これは今、違うかな?」っていう楽曲も多かったんです。でもここ数年でいろんなことに挑戦させて頂いたおかげで、どの曲にしよう? って悩めるくらいまで自分たちの幅が広がったのがうれしくて。冬の歌というのが多いっていうのもあるんですけど、今までやってきた中で一番候補曲が多かったんです。その中から絞らせて頂いて、一曲一曲で違う色を感じていただけるものが揃いました。

――確実にキャリアを積んできている感じがしますよね。

クララ:そうですね。私達も知らず知らずの間にデビュー12周年を迎えましたし。

――改めて一曲ずつ聞いていこうと思うんですけど、一曲目の新曲、スノーライトは敢えて最後にさせてもらって、2曲目から聞いていきます。T.M.Revolution「WHITE BREATH」。

カレン:これは楽曲を決めるにあたって、一番最初に歌うことが決まった曲なんです。今までだったらきっと候補にすらあがってなかったジャンルの楽曲だと思うんですけど。

――そうかもしれませんね、ちょっと驚きがありました。

カレン:今年発売させて頂いた「ALIVE」がきっかけで、アップテンポで疾走感があって力強い楽曲にも挑戦できるようになったかなっていう思いがあって。その時に出来るようになった発声だったり、力強さが「WHITE BREATH」でまた出せたんじゃないかなって思っています。男性目線の楽曲も初めてですね。

――そうですよね。

カレン:ClariSの楽曲にはほぼ“僕”っていう言葉は出てこないんですよ。そこもまた新鮮味があるんじゃないかなって感じています。

クララ:原曲は力強くてかっこいいイメージがあったので、これが本当にClariSとしていい作品にできるかっていう不安はちょっとあったんですけど、でも候補曲を決める時に声を当てたら、スタッフさんに意外と力強く歌えていてすごくいいんじゃないか、というお言葉をいただけて。原曲はテンポも速くて疾走感が強めだと思うんですけど、今回はClariSらしさを出すっていうところで、ちょっとテンポを落として丁寧に歌えるようなアレンジにしました。でも力強さは感じてもらえるような感じに調整して作ったので、ちょっとClariSらしいキラキラした雰囲気も持ちながら、格好良さも感じて頂けたら嬉しいです。

――元々の曲が疾走感とパワーで押し切る冬! っていう感じの曲ですもんね。

カレン:イメージを掻き立てるために、レコーディング前にT.M.RevolutionさんのMVをみんなで一度見てから臨んだんですよ(笑)。

――普段ClariSが使わないような歌詞でもありますもんね。ちょっと大人の感情を感じるというか。

クララ:そうですね、大人の歌詞ですし、言葉の言い回しもちょっと強め。やはり男性目線の歌詞なので、こういう言葉遣いってClariSの楽曲ではないから、すごく新鮮な気持ちでした。私達も振り切って歌えたみたいな。

カレン:そうそうそう、ちょっと強気にね!

クララ:今までとは違うClariSをお見せできる一曲だなと感じています。

――「そんなんどうだっていいから」とかClariSは言わなさそうですもんね。

2人:言わないですね~!(笑)

――続いて3曲目「ORION」です。楽曲の印象はいかがでしたか?

クララ:この楽曲は本当に昔から聴いていた曲でもありましたし、今回アップテンポからバラードまで収録するということで、しっとりとしたバラードをどの曲にするかっていうのを凄く考えたんです。「ORION」は二人とも歌っていてしっくりきましたし、大人っぽい、切ない感情を存分に出せる楽曲っていうところで、また一歩大人になったClariSを感じていただけるようになっているんじゃないかなと思います。

――冬の曲ってクリスマスソングを抜いても沢山あるじゃないですか。その中でも「ORION」をチョイスしたのは何故なんでしょう?

カレン:「ORION」は今回セレクトした楽曲の中では、一番私たちの世代の曲だったんです。ちょうどリアルタイムでTVドラマで流れていて(2008年放送のTBSドラマ『流星の絆』)、耳なじみもあって、一番「懐かしい!」って思うような楽曲だったんです。それでクララとカラオケで歌ってみたら「これ歌いたいね!」って二人の中で一致したので、今回選ばせて頂きました。意外とClariSにはこういうバラードがなかったんですけど、切ない曲っていう面では、オリジナルにはない色も出せたんじゃないかなって思っています。

――そうか、世代なんですよね。改めて歌ってみて難しさはありましたか?

クララ:中学生とかの時によくカラオケで歌っていた楽曲でもあったので、そこまで苦手意識はなかったですね。私自身どちらかというとバラードが得意というのもあったので、感情をこめた伝え方だったりを、私らしくできたんじゃないかなっていうのは感じています。

――確かにクララさんはバラードが得意な印象がありますね

カレン:歌う前に「私これ十八番だったんだよ、カラオケで絶対歌ってたの!」って言われて(笑)。

クララ:やめて~!(笑)

カレン:「おっと、これは私も頑張らなきゃいけないな」って(笑)。

――それ言われるとちょっと身が引き締まりますよね(笑)。

カレン:私も勿論この曲は知っていたし、歌えたんですけど、カラオケで歌っていたかって言われるとそうでもなく、当時のワタシからするとちょっと大人っぽかったっていうのもあって。改めて今の私として、どうやってこの曲を落とし込んでいくか、どうClariSの楽曲にしていくか、っていうことをクララの歌を聴きながら探っていったところはありますね。

クララ:でもよく考えると、二人でカラオケに行く機会が忙しいのもあって最近なかったんです。あえて自分たちが普段聴く楽曲を話し合うこともなかったし、中学生当時の事とか勿論聞いたことがなかったから、そこは新鮮でしたね。

――一緒に普段お仕事していたら、プライベートで何歌う? とか聞かないですよね。

クララ:だからカラオケに行くと楽しいんですよ。

カレン:そうですね、全く歌うジャンルが違うので。

――ちょっと脱線しますが、今でも二人でカラオケに行ったりするんですか?

2人:行きます!

――ClariSってカラオケにいるんですね……(笑)。

カレン:いますいます! 過去の履歴とか見ちゃいますし(笑)。

――いいお話が聞けました(笑)。 次も名曲中の名曲、SPEEDの「White Love」。これは1997年の曲なので20年以上前の曲になりますが、知らない人はいないくらいの名曲ですよね。

クララ:これはClariSで歌う想像が一番できた曲ですね。一昨年配信のクリスマスライブでカバーメドレーをさせて頂いた中でも一度歌った楽曲なんですけど、元々ツインボーカルで歌われているところだったり、この歌を出した頃のSPEEDの皆さんの年代も私がデビューした頃と同じ年代だったり。いろんな共通点があるので、すごく親近感の湧く楽曲でした。二人の良さみたいなのを最大限に発揮できる楽曲かなっていうところの選曲です。

カレン:「White Love」は発売された年代を感じさせないくらい有名で、私達も改めてカバーさせていただくことになってから、発売された年代をみてびっくりしたくらいで。クララも言っていた通り、歌ってみてすごくハマりがよかったから、きっと何年前に冬をテーマのコンセプトミニアルバムを出していたとしても、これは入っていたよね、っていうくらいでした。すごく印象に残る素敵な歌詞だし、私たちが北海道在住っていうこともあって、この楽曲に関しては情景が浮かびやすくて。そういう部分でも私達とハマりがいいのかなっていうのもありますね。丸山さんのアレンジもまたすごく素敵で、ClariS色全開になったんじゃないかなって思います。

――確かにこのカバー4曲の中では一番ClariS感ありますよね。改めて自分たちと曲のハマりがいいからこそ、どういう風に表現されたのでしょう?

カレン:凄くストレートに想いを伝えている歌詞なので、嚙み砕くこともなく歌っていると、スッとその楽曲の世界観に入れるような感じなんです。これ、当時のSPEEDさんたちの年齢の女の子が歌うにしては、すごく大人びた歌詞じゃないですか。今だから私達も歌詞がスッと入って歌えるけど、数年前だったらハマりは良かったかもしれないけど、歌詞の意味を噛み砕く作業が一つ入っていたのかなって思うんです。今だからナチュラルに自分たちの物にして歌えたのかなっていうところはありますね。

――当時SPEEDは中学生くらいで歌っていて、少女たちがこの歌詞を唄うことの面白さみたいなのはみんな言っていた気がします。でも大人になって歌う「White Love」って景色がまた変わりそうですね。

クララ:そう思います。私も中学生でデビューして、それこそ「コネクト」とかは当時と今では解釈が違うけど、その時だから歌える良さみたいなものもあったりして。改めて原曲も聴かせてもらって、本当に14歳とかと思えない歌声だと思ったんです。大人っぽくて、パフォーマンスも格好良くて。

――ClariSとSPEED、ツインボーカルとして似ている部分、逆に違いなども感じましたか?

クララ:サビの高い所が抜けるところは凄く印象的なんですけど、そこはカレンの声質がすごく引き立つパートだなと感じています。カレンは私とは違う声質なので。

カレン:クララはアタックが強いというより、スーッと伸びていく声質だよね。

――二人でちゃんと支えるように広がる声を持っている印象がClariSにはありますね。

クララ:ありがとうございます。そんな二人の良さを掛け合わせることで出る楽曲だなと思いました。最後のサビでたたみかけるように歌うところは是非カレンに注目してほしいですね。私も聴いていて凄く気持ちよかったし。

カレン:うわ、ありがとう……。

次ページではClariSの感じる「ClariSらしさ」とは?ホールコンサートへの想いもお聞きしています!

 
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――では次、辛島美登里さんの「サイレント・イヴ」です。1990年リリース。まさかClariSがここをチョイスするとは! と思いました。しかもクララさんのソロ曲です。

クララ:これは候補の一曲で、今回声当てをする時に初めてメロディーを入れて歌った曲だったんですけど、すごく個人的にはしっくりくるというか。歌っていて私らしいなって自分でも思えるような楽曲でしたね。

――それは僕も思いました。想像以上にピッタリでした。

クララ:選曲をする段階でカレンとスタッフさんと曲を絞っていくっていう作業をしたんですけど、「これはクララの楽曲だね」っていう風に言って頂けるくらいハマった楽曲だったので、コンセプトミニアルバム初のソロ曲ということで入れさせていただけることになりました。すごく嬉しい限りです。

――「サイレント・イヴ」は改めて調べたんですけど、結構いろいろな人にカバーされている曲なんですよ。そこにClariSが飛び込んできたのは面白いなと思って。

カレン:本当にクララの曲じゃないのかなっていうくらいハマっていて、顔出しもしたし、これからはそれぞれのパーソナリティの部分も出していきたいよねってなった時に、カバー曲でソロも新しいんじゃないかっていう風に思ったんです。

――確かに新しいですね。

カレン:クララの声って周りの音を排除してそれだけを聴きたくなる声をしてるって個人的に思っているんです。独特の柔らかさの中にある儚さみたいな、触れたら壊れてしまいそうな感じの声もすごく好きで。そんな中にもある、包みこんでくれるような暖かさもこの曲からは感じられるので、是非沢山の人たちに聴いていただきたいと思っています。

――1990年だと今から32年前、生まれる前の曲をソロでやるっていうのが挑戦的だと思ったんですよね

クララ:それこそ親世代の曲ですね。家で原曲を流していたら、母が「それをやるの!? すごく好きだった曲だから」って言ってきて。それくらい長く愛されてきた楽曲なんだなというのを改めて感じましたし、それを私のソロ曲として歌えるというのはすごく嬉しいですね。私自身歌っていて、ここまで音数が少ないバラードは中々ClariSではやったことなかったですし、シンプルだからこその難しさがある楽曲だなって思ったので。

――確かにボーカルの出来が問われる一曲かもしれませんね。

クララ:発声だったり、息を混ぜる感じだったりはすごく研究しながら歌いました。儚くてもただ切ないだけじゃない、自分の中で次に進むために踏み出していくような芯の強さのある女性を演じられたらな、という部分を意識して歌いました。

――カレンさんはクララさんのソロは刺激にはなりました?

カレン:なりましたね。まあ常日頃から歌に関しては刺激を受けている部分の方が多いんですけど、クララの真骨頂を見たというか。本人なりにすごく研究したものが自然と出来ていて、レコーディング自体も史上最速の速さで終わったくらいなんです(笑)。

――そうなんですね!

カレン:それくらいクララにはハマっていた楽曲なのかなって思うんです。私はどう頑張ってもこの歌声にはならないので、私も自分のいいところというか、そういうのを見つけて磨いていきたいなって思いますね。まだ四季の中ではひとつ季節が残っているので、そこでは頑張りたいなと思っています。カレンもソロやってやるぞと(笑)。

――では一曲目に戻りまして、新曲の話を聞きたいと思います。「スノーライト」これは「冬」「ClariS」というワードがしっかり感じられるというか、本当にClariSらしい一曲ですね。

クララ:今年発売させていただいたシングル二つはちょっと挑戦的だったと思うんです。アルバムの『Parfaitone』も割と色んな挑戦をした楽曲を集めたアルバムだったので、ちょっと原点回帰ではないですけど、可愛らしくて、キラキラしていて、アップテンポでっ、今までのClariSを久しぶりにお見せできたのではないかなと思います。

――なんかこの感覚ちょっと久々というか。ド直球って感じがしましたね。

カレン:この楽曲は、来月ライブが控えているっていうこともあって、それを想像しながらセレクトしたからこそ、ライブを意識した楽曲としてセレクトできたのかなって思います。コーラスもすごい数が入っているので、厚みのあるサウンドだけど軽やかなリズムで歌詞も可愛らしいというものになったと思っています。

――今回、歌詞の部分でもこの曲では参加されていますよね。

カレン:はい、元々頂いた歌詞もすごく可愛らしい歌詞だったんですけど、その中にもClariSの想いというか、私達だったら主人公にこう思ってほしいよね、って想いを散りばめたくて。今回作家の方にご相談して共作という形にさせて頂いたので、是非歌詞にも注目して聴いていただけたら嬉しいです。

――ご自身たちの中でここ聴き所! みたいなの部分はあるんでしょうか?

クララ:本当に今回はライブを意識しています。ライブでこういうことをしたいからこの楽曲にしたっていう想いも一曲に詰まっていて。そこは是非ライブに来て体験してもらいたいです(笑)。

――なるほど、そこはお楽しみと。

クララ:そうですね、でも今回は本当にコーラスの量が多くて、主線を録るよりもコーラスを録る時間の方が長かったくらいなので、私達としても今までのClariSらしさもありながら、新しいことにも挑戦しているので、注目して聴いてほしいなって思っています。

カレン:二人ともお気に入りの歌詞としては「いつも笑い合える時間はかけがえのないプレゼント」っていう言葉なんです。クリスマスをイメージさせるからこそ、プレゼントっていう言葉を使いたかったし、どうしたら私達らしくなるかなって結構時間をかけて考えたフレーズなので、そこは二人ともお気に入りですね。

――まさにライブで聴きたい曲だと思いました。

カレン:絶対に盛り上がる楽曲になると思いますし、ClariSの冬楽曲の定番になっていけばいいなって思いますね!

――5曲ともいろいろ思いがあって盛りだくさんな感じですね。残るは秋ですが……秋の曲って、比較的少ないですよね。冬と春と夏は沢山あるけど、秋の曲ってそんなにないような。

カレン:そうですね、北海道は秋が短いから余計に浮かばない。

クララ:すぐ紅葉も散っちゃうよね北海道。

――とはいえここまできたら何が何でもやるしかないですよね(笑)。

2人:そうですね、何が何でも!(笑)

――でもこれまでのペース的に言うと三年後ですよね、2025年?

カレン:いや~! 3年までは伸ばさずに作りたいですね。今回この冬を作った段階で、もう秋すぐやりたいって思いましたし。

クララ:秋だったらこれかな? みたいな曲の話もしましたしね。

――もう少し早く出したいですよね。

カレン:そうですね、3年後とかだと、「大人になりました!」って言ってられない歳になっちゃう……(笑)。

――そして『ClariS HALL CONCERT 2022 ~Let's Snow Parade!~』がありますが、その前に先日THE FIRST TAKEに出られたじゃないですか。やはりTHE FIRST TAKEに出るというのは一種のステータスを担っている部分も今あると思っています。反響などありましたか?

クララ:サムネイルに私たちの顔が出ていて、あれだけ近い距離で顔が映っているというところでは、仮面を外してからこのTHE FIRST TAKEが一番反響があったんじゃないかと思います。名前は知っているとか、楽曲は知っていたっていう方も、初めて私たちの姿を見るっていうコメントもありましたし。まさかこんなに大人になっていると思っていない方もたくさんいたと思いますし。

――確かにClariSの印象って、どこか少女のまま止まっているという人もいるかもしれないですね。

クララ:そういう今まで近くで見守ってくださっていたファンの方以外の反応を沢山お聞きすることができてすごく嬉しかったです。

――今、すごく精力的に活動されているじゃないですか。そういう環境の変化って戸惑いとかもなく、気持ちよくやれている感じなんでしょうか。

カレン:戸惑いというより、「まさかこんなお話を頂けるなんて!」という驚きの方が多くて。自分たちの想像していた以上に嬉しいお話を沢山いただいているんです。デビューしてから何年も経った今でも、初めてのことに沢山挑戦させて頂けるのってすごく有難いことだなって思いますね。

――そうですね、新人ではないわけですし。

カレン:一回目は私たちはチャンスを頂く側で、それを掴んでいくかどうかっていうのは、私たちの行動や歌次第だなって思うんです。頂いたお話を一回きりにせずに、どんどんこの先にも繋げていけるように頑張らなきゃ!っていう燃える気持ちの方が大きいかもしれないです。

――今はチャンスをもらっている、という感覚なんですね。

クララ:そうですね、デビュー12周年を迎えて、新しいこと、THE FIRST TAKEのような影響力のあるようなこと、テレビの特番なんかを作っていただけるみたいなお話って、なかなかないことじゃないですか。

――そうだと思いますね。

クララ:でも、沢山の方に知っていただく機会は頂いているんですけど、すごく爆発的に何かが変わったっていうことはないと思っています。デビュー10周年を迎えて、仮面を外して活動していきますってなったところで、新型コロナの影響で、私達も活動がストップしてしまって、その時にやりたかったことだったり、お話を頂いていたことだったりがうまくできなかったっていうのもあるんです。

――確かに、難しい時期でしたよね。

クララ:今年に入ってやっとそういうものが色々動きだして、今はすごく楽しいですし、ここからがまたClariSの再スタートだぞっていう気持ちが強くあるので、今は何をやっても楽しいんです。ClariSっていうものをどんどん広げていきたいですね。

――今お話聞いていて感じたんですが、ClariSらしさっていうものって、この12年で結構刷り込まれている気がしているんです。それはお二人にも、ファンにも、どちらにもなんじゃないかなと思っていて、そのClariSらしさって、年令を重ねて行く上で、良くも悪くも重荷になったりすることはないんでしょうか?

クララ:重荷にはなっていないですね。顔を出した今でも、シングルを出すたびに前と変わらず、アーティスト写真をイラストで描いていただいて活動していますし。「ClariSってこうだよね」というところを残しながら、新しいことに挑戦させて頂いていると思っています。「ALIVE」や「Masquerade」で違う面を見せるような活動とClariSらしい活動は、並行してできているので。自分たちとしてもやはり10周年までのClariSらしさっていうのも大切にしながら、先に進んでいきたいっていう想いが強いし、それがあったからそれを壊せるというか。それも新しい楽しみだなって感じています。

――10年で積み上げてきたものがあるからこそ、それを壊すことはできると。

クララ:そうですね。これってClariSってやると新しいよね! って言って頂けるようなものは、自分として挑戦していても楽しいですね。

カレン:イメージって一度つけてしまうと変えていくのって難しいと思うんです。これまで積み上げてきたものがClariSらしさになっているのと思うんですけど、それってどんどんアップデートしていけるわけじゃないですか。“変えていく”じゃなくて“広げていく”っていうのもまた一つ私達らしいのかなって。やっていくことが全部自分たちらしさになっていくというか…なので重荷になっているというよりもワクワク感とか、楽しみの方が大きいですね。

――すごく納得しました。とても嬉しい言葉をいただけた気がします。12月のライブも楽しみですね。

クララ:今までコンセプトミニアルバムでは春・夏と出させて頂いたんですけど、それをモチーフとしたライブはやってこなかったので、今回はリリースとライブが近いタイミングで出来るので、しっかりこのミニアルバムを楽しんでいただけるようなコンサートに仕上げようと今頑張っています。楽しみにしていて欲しいですね。

カレン:ライブハウスでは「盛り上がっていきましょう!」って言う感じもありますし、ホールだとストーリー性のあるものをやることが多かったんですけど、今回はまた新しい形の届け方になるかなって。初めてClariSを見る方も楽しんでいただけると思いますし、今までずっと来て下さった方にも「こんなこともできるんだ」って思ってもらえるような最高の年末を締めくくるコンサートにしたいと思っているので、是非楽しみにしていてください。

――とりあえずこのミニアルバムを聴いて、皆さんも楽曲を入れてライブに向かってほしいですね。

二人:はい、是非!

インタビュー・文=加東岳史

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