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香取慎吾「いろんな顔があるけど、ふと自分ってなんなんだろうと思う」 個展『WHO AM I』開幕レポート

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『WHO AM I ーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー』香取慎吾

『WHO AM I ーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー』香取慎吾

香取慎吾の約3年ぶりとなる個展『WHO AM I ーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー』が、2022年12月7日(水)、渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールAで開幕した。本展では「闇と光」に分かれたエリアに200点もの作品が展示されるだけでなく、会場内の照明や音響などといった細部にもこだわりを詰めたと語る。また、ここ渋谷だけでなく各地へと巡回することも発表され、まさに『ART JAPAN TOUR』という名のとおり、2023年〜2024年はさまざまな地域へと足を運ぶという。ここでは開幕前日、香取本人も登場したプレスプレビューの様子をレポートする。

たくさんの人に見てもらいたい

ーーいよいよ明日から開幕となりますが、今のお気持ちをお聞かせください。

もうめちゃくちゃうれしいです。いろんなお仕事をさせていただいているなかで、絵というのは本当にひとりでやる作業が多くて。自分の頭の中に生まれたものをひとりで、キャンバスだったりダンボールだったりと色々な画材を使って仕込んでいくという作業なんです。それを僕は常に人に見てもらいたいと思って描いているほうなので、こういった機会はとてもうれしいです。

ーー今回のタイトル『WHO AM I』とは、どんな想いを込めて付けられたのですか?

いろんな顔のある“慎吾ちゃん”は、そこが香取慎吾の面白いところでもあるのですが……。自分を客観的に見たときに、この人いろんな仕事をしているな〜って思って。俳優の顔があったり、歌手の顔があったり。バラエティ、タレントさん、絵を描いているアーティスト、洋服のデザイナーとか。本当にいろんなことをやっているんですけど、自分でふと「俺ってなんなんだろう」って。ポジティブなほうの意味もあれば、ネガティブなものもあったり。でも、皆さんもあると思うんですよね。ちょっと辛いな、今日はいやだなっていうときに下を向いちゃって、「自分ってなんなんだろう」って思うのも『WHO AM I』だと思うんです。そんな想いが全て込められたタイトルになっています。それで、個展の中身も闇の部分と光の部分とでエリアに分けて、絵を展示しています。

ーー今回、香取さんの作品によく出てくる「くろうさぎ」が絵から飛び出してきたかのように立体化されています。なぜ立体化したのでしょうか。

かわいいからです(会場笑い)。今までもずっと絵に描いてきたんですけど、実は、この子との出会いはそれこそ闇の部分だと思うんですよね。最初は自分でも気づいてなかったんですけど。実際にいたんですよ、くろいうさぎが、うちに。(こんなことを言って)ごめんなさいね(笑)。それで、なんなんだろうな〜、ぴょこぴょこぴょこぴょこ出てくるのに、すぐ隠れて……、と思って。それで絵に描いてみたら、いなくなったんです。それから自分の絵に登場するようになって。(だから今回は)絵にはたくさんいるけど、その姿も見てみたいなと思って作ったんです。ここ(取材会場となったエリア)にこの子が大きくシンボルとしているんですけど、もっとちっちゃい子もいろんなところにいるんで。皆さんもくろうさぎに会えたら挨拶してあげてください(笑)。

音響、照明……まるでコンサートを作っているかのよう

ーーご自身で鑑賞された感想と、お客様にこんな風に見てほしいなという希望はありますか?

前回の個展『BOUM!BOUM!BOUM!​』はIHIステージアラウンド東京という劇場でやらせていただいて、客席があって映像があって、本当にすごい規模だったんです。だから次にもし個展をやれる機会があるなら、“いわゆる個展”をやってみたいなと思っていたんです。白い壁の“いわゆる個展”を目指していたら……、結局またちょっと違うところに行ったみたいな(笑)。白い壁だけじゃなく黒い壁に真っ暗なエリアがあったりとか、気付けばスモークがたかれていたりとか、エリアを分けていたり。そうだ、今は(取材中のため)鳴っていないけど、音楽も流れてたりしますね。渋谷慶一郎さんが担当してくださってます。草彅さんの『ミッドナイトスワン』のテーマを作った渋谷さんといつかお仕事をしてみたいと思っていたので、お願いしました。渋谷さんには一個のテーマ曲を制作していただきたいと打ち合わせでお願いしたんですけど、そうじゃない新しい仕組みで。なんて言ったらいいのかな、プログラミングを作ってくれたんです。この会場の中に24個のスピーカーがあって、いろんなところで音が鳴って、勝手に共鳴しあうという、AIなんです。だからそのときに鳴っている音はそこだけで、もう二度と同じものは生まれない。ちょっとずつは調整できるみたいなんですけど、すごく難しい話でした(笑)。でも来ていただいたら、闇の部分や光の部分、『WHO AM I』というものを、耳でも、音楽からも体験できるような個展になっています。

ああ〜、さっきテレビのところでも言えばよかった……(編集部注:この日の取材会は取材陣多数のため、複数回行われました)。渋谷さんの音楽の話を全くしなかったんですよ〜(後悔)。絵の個展ではあるんですけど、僕の場合はやっぱりショーとかライブで育ってきたんで、照明さんとの打ち合わせが多かったり、特効のスモークの分量とか、あとプロジェクターの話とか、音響さんとか……。だから、コンサートを作っているような感じでした。

草彅さんも稲垣さんも来てくれるかなぁ

ーー今回の個展、草彅さんと稲垣さんは鑑賞される予定でしょうか?

近い人間とはいえ、鑑賞されるかどうかは知りません(会場笑い)。……すみません、面白いかなと思って(言いました)(笑)。どうだろうな〜。来てくれると思います。でも、草彅さんは今ちょっと久々の連続ドラマで忙しくて、「東京は無理かな〜」って。でも「次どこ行くんだっけ?」と、他の地域に来てくれるって言ってました。サラッと。その感じがすごいうれしいです。だから東京にもし本当に来れなかったら、きっとどこか、一緒に行くことになりそうです。僕は他の地方にも全部行こうと思ってるんで、一緒に行って、一緒にご飯を食べます。

ーーいい思い出ができそうですね。稲垣さんはそこには?

稲垣さんはね〜、こう言いつつ、東京開催したらすぐ来てくれそうです。チケットあげます(笑)。

ーー先ほどからお話に出てくる「くろうさぎ」について、「黒うさぎ」なのか「クロウサギ」なのか……。香取さんがイメージされている、正式表記をお聞きしたいです。

ひらがなですね。(と言いながらも悩む)……あの〜、そうですね、ひらがなです。何度かカタカナかな? っていうのもあったんですけど、でもひらがなが一番かわいいです。

ーーその理由は「かわいいから」なのでしょうか。

うん、かわいい。そうです。(くろうさぎを見つめながら)うーん……、そうですね。……ひらがな、かわいくないですか?(逆に記者に質問する)

ーーはい、かわいいです。

ははははは! なんだ、この会話は(笑)。まあ、来年は卯年なんで。くろうさぎの1年になるんじゃないかなと思います。

ーー東京は2023年1月までですが、その後各地への巡回も決まっていますね。

再来年(2024年)まで予定されています。タイトルが『ART JAPAN TOUR』になっているとおり、長いツアーになりそうです。

ーー『ART JAPAN TOUR』ということで、各都市へ向けての表現はあるのでしょうか?

各地で絵を増やしていこうかなと思っています。(スタッフには)増やしていくんですか? って言われるし、自分でもそうしそうなんですけど、今はあまり考えず。行った先で描くこともあるかもしれないし。開催されてから(考えます)。でも、もうここだけで200点あるんですよ。100点は今までもお見せしたことがあるものですが、もう半分の100点は今回初めて出展するもの。もう置くところがないんで、あんまり増やさないでくれとは言われてます(笑)。

『WHO AM IーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー』は2023年1月22日(日)まで、渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールAにて開催。その後、大阪、福岡、石川、福島などへと巡回予定。

文・撮影=SPICE編集部

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