神使轟く、激情の如く。×TOTALFAT 撮影=大橋祐希
9月11日、東京・豊洲PITにTOTALFAT、Sunfist、忘れらんねえよ、Gacharic Spin、眩暈SIREN、SHIN、TRiDENTを迎え、自身初の主催フェス『GOD FEST.2022』を大成功させた“神激”こと神使轟く、激情の如く。(読み:しんしとどろく、げきじょうのごとく。)。初の主催フェス終了から約1ヵ月後に、改めてフェスの出演者であるTOTALFATを迎え、フェス当日を振り返ってもらう対談を実施。バンドもロックフェスも百戦錬磨のTOTALFATを、神激主催のフェス出演へと突き動かしたものとはいったい何だったのか? ジャンルも世代もキャリアも飛び越え、熱い思いがクロスオーバーしていった2組のトークをお届けしよう。
――本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは『GOD FEST.2022』について、みなさんの率直な感想から聞かせて下さい。
Shun(Vo&Ba):MCでも言ったんですけど、ロックフェス以外で女性アイドルの方々とご一緒するのは初めてだったので、いままで交わってこなかったところに飛び込む緊張感はあったよね?
Jose(Vo&Gt):うん。
Shun:しかも自分らは独立後、再スタートの一発目でもあったので。初陣だし、初めての現場だしで緊張感は持っていたんですけど。終わってみればなんてことはない、いつも通りの俺たちのライブだったよね。
Jose:そうね。
Shun:だから、やってよかったし、出るって決めてよかったです。
Jose:独立一発目というのもあって、イベント出演を決めてから当日を迎えるまでの事務作業、そのやりとりから僕の『GOD FEST.2022』は始まってて。
Shun:俺らの資料を作るところからね?
Jose:そう。制作の方とか神激チームに教えてもらいながら当日を迎えたので、僕は逆にホーム感ある状況がすでにできていたので、すごい安心してライブができましたね。楽屋にはSHIN君がいたりDizzy(Dizzy Sunfist)がいたり、知り合いがいて。
Shun:神激とも、この直前にあった『EAT THE ROCK 2022-竜王食音祭-』で一緒になったときに挨拶できてたから。
Jose:変に気張ることなく楽しくできました。
三笠エヴァ:『GOD FEST.2022』に参加してくださって、ありがとうございました。独立して一発目に選んでいただけたことがマジで光栄だなと思ってます。そして、自分たちで『GOD FEST.2022』を主催して改めて思ったことは、出演者さんがこのイベントに対して“今日1日を成功させよう”という心意気で挑んでくれることは、こんなにも嬉しいことなんだなということです。忘れらんねぇよさんもTOTALFATさんもMCで神激に対するメッセージを言ってくださったのがすごく嬉しくて。こうして繋いでもらったからには、この後自分たちは絶対いいライブをしなきゃいけないって。こうやってリレー形式で気持ちを繋いでいくのはなんとなく分かっていたんですけど、今回それをアンカーになってみて初めて体感したのが自分のなかでデカい経験でした。本当にありがとうございます。
生牡蠣いもこ:三笠の話じゃないですけど、『GOD FEST.2022』を主催したからこそ、繋がりって大事だなと思いました。人と繋がっていく感じがステージに立ったときに自然と私たちのMCやパフォーマンスに出ていて。しかも、そうやって繋がってたのは出演者だけではなくお客さんもで。終わったあと「またTOTALFATさんとやって欲しい」みたいな言葉をみんなから聞けたのがすごい嬉しくて。そういう繋がることの素晴らしさを感じたフェスでした。
実久里ことの:神激として初めての主催フェスだったからこそ、出演者さんやお客さんに教えてもらうことが本当に多かったんですよ。これまでフェスやサーキットはたくさん出演してきたので、繋げていくものという意識は持っていたんですけど、まだまだ足りてなかったんだなと反省しました。TOTALFATさんのライブを観ていて、これが最後に繋いでいくことなんだ、これが一緒にフェスを作っていくということなんだというのをしっかり教えて頂いた1日でした。ありがとうございます。
■TOTAFATはなぜ『GOD FEST.2022』出演を決めたのか?
TOTALFAT/Shun(Vo,Ba)
――そもそも今回、TOTALFATが『GOD FEST.2022』出演を決めた理由はなんだったのですか?
Shun:そうすねー、それはギャラがよかったんでね。
Jose:おいおいおいおい、それはダメ!
Shun:冗談ですよ。自分らはバンドを22年続けてきたこの時期に“初めて”を作る覚悟ができたから独立をして。じゃあこれからどんなライブをやっていこうかという話をメンバーとしたとき、いままでって正直、女性アイドルと俺らみたいな陽キャで強めのバンドマンって、共演してる者同士は楽しいかもしれないけど、アイドルのファンの方はそんなところを観ても喜ばないんじゃないかなと。
Jose:俺はそのアイドルのファンだったらそう思うね。“なんだよ、TOTALFATの野郎は”って絶対思うもん。
Shun:そういう脳みそだったからお断りしてきたイベントも結構あったんです。なんですけど、もうそれもいいかなと。破壊をしてこそ新しいものが始まる。そういう考え方にこのタイミングでなれて。そのときにオファーをくれたのが神激チームだったんですよ。ちゃんと俺たちのことを知ってて、俺たちのことを評価して、3人の価値を分かってる人がチームにはいて。その人がこのタイミングで俺たちめがけてオファーをくれたのが嬉しくて。ここだったら俺らの“初めて”、いままでやってこなかったことをやる意味があるんじゃないかなと思ったのでOKしました。
Jose:独立一発目、普通だったら自分らの自主企画でワンマンとか仲間集めてって感じだと思うんです。でも、さっきShunが言ったみたいに、いまは新しいことができるし、この3人でもっといろんなことをやってみたいっていうタイミングで誘われて。新しいことに挑戦するチャンスをもらえたのが逆に俺らとしてはすごいよかったなと思います。
Shun:だから、タイミングってすげー大事で。全然違うタイミングで誘われてたら断ってた可能性はあります。これは俺らの精神性の話で。ちょっと偉そうに言わせてもらうと、いま俺らが何をしたいか。そこにハマるかハマらないかで。そこにハマったってことは、すなわちそれは“縁”なんですよ。
――つまり、神激とは。
Shun:縁があったんすよ。それで蓋を開けてみたら俺らすげーいいライブができた。神激のライブを観たら“うわっ、背負ってくれてんなこの子たち”と思ったし。
――背負うというのは?
Shun:さっき“繋いでもらって”ってみんなが言ってくれてたけど。俺らとかDizzyはよく分かってるんだけど、要は、最後に出るアーティストに対して、まず自分らが背負って、それを出し切って後ろの奴に背負わせるの。
Jose:“圧”をね。
Shun:それを背負わせるためには、まずウチらが先に背負わなきゃいけないから、自分たちが今日呼ばれた意味を探すの。どんなフェスやイベントに出るときも。だから本番前に神激チームのところに行って、質問コーナーを展開させてもらったんです。
三笠:えっ! そんなこと知りませんでした。
神使轟く、激情の如く。/実久里ことの
――神激チームからは知らされていなかった。
いもこ:はい。初耳です。
三笠:どんな質問コーナーだったんですか?
Shun:神激を生き物に例えるとしたら、精神性とか攻撃力とか防御力とか、この先々に見てるヴィジョンとかまでを聞いて。
ことの:うわっ、そんなところまで。
Shun:うん。そんなところまで知らないと、逆に背負えないから。背負うってそういうことなんだよ。どれだけ神激というアーティストと俺らが同じ気持ちになれるかってことが重要なの。
――なるほど。
三笠:『GOD FEST.2022』にもそういうスタンスで向き合ってくれたというのが本当にありがたいです。こういう精神ってロックバンド特有なところじゃないですか。
Jose:たしかに。
三笠:自分たちがやりたかったことなんですよ。批判している訳ではないんですが、アイドルのフェスやイベントは持ち時間が15分とかで、タイムテーブルを見ると何10組ものグループが並んでいるのが普通なんですね。そうなると思いを背負うというよりも、いかにその15分間で自分らをアピールするかというのがメインになってくるから、他の出演者のことを理解してバトンを繋いでいくような感覚は、お互いあんまりないんですね。だけど、目には見えないところで繋がりを意識してバトンを渡す。それが自分たちのフェスでできてたんだというのが分かって、いまめちゃくちゃジンときてます。
Jose:そう言ってもらえて本当に出てよかった。
Shun:あと、この対談もそうだけど、みんなの姿勢が最初から“教えてもらう”とか“学ぶ”姿勢なんだよね。そこがすげーなと思う。その時点で伸びしろしか感じないよ。
三笠、いもこ、ことの:ありがとうございます。
■神激の第一印象とは?
TOTALFAT/Jose(Vo,Gt)
――TOTALFATはいまはこんなに神激を評価して下さってますが、ライブを観る前はどんな印象を持たれていたんでしょうか。
Shun:アイドルは避けてた分野だったので、特になにも思ってなかったですね。
Jose:僕はサブスクとかで上位にあった曲は聴いて、どういう音楽をやっているのかだけはチェックしてましたけど。
――音楽を聴いてどう思われたのか、3人は聞きたいんじゃないですか?
三笠、いもこ、ことの:はい!
Shun:どう思ったかって、そりゃあビックリしましたよ。すげーなって。
Jose:いきなりシャウトから始まるって、俺らでもあんまないからね。
Shun:ポスターがいろんなライブハウスに貼ってあるから、それはちょいちょい見かけてて。なんか凄そうな人たちだなって思ってたんだよ。
三笠:ポスター、めっちゃ貼りに行ったもんね?
いもこ:行ったね。
Shun:いろんなところ貼ってない?
三笠:武道館をやる前に出たことのないライブハウスにもポスターを持って行って。
ことの:「すいません、神激と申します」ってポスターを貼らせてもらいました。
Shun:それ、俺らが22年前にやってたことと一緒だよ(笑)。当時はSNSとかない時代だったから。
Jose:フライヤーに書いてある連絡先がShunの電話番号だった。
いもこ:えーっ。時代を感じますね。
Shun:その時代は足で稼ぐしかないから。
Jose:メンバーでリスト出しして、じゃあ俺はここ担当するわって、みんなで手分けしてフライヤーやポスター持って回ってたね。
神使轟く、激情の如く。/生牡蠣いもこ
――SNSを使いながら、神激チームはいまもメンバー自ら足を使って。
ことの:やってますね。チケットも手売りしたり。
Shun:それ大事。こうやって草の根でやっていくと、自分たちはこれだけやったんだっていう自信にもなるし。これだけやったのにこうしかならなかったってなっても、その結果をちゃんと受け入れられるんだよ。誰かに任せてやってないから。
Jose:最終的に表現しなきゃいけないのはステージ上だけど、そこに向かうまでの時間にいろんなことがあったほうが、1本1本のライブを背負っていけるからね。
三笠:なるほど!
Shun:でも、こんなことができてるみんなのことを俯瞰して考えると、明らかに事務所がスパルタなのかなと思っちゃうんだけど。
ことの:いや。そんなことはないですよ。
Shun:こんな若い子たちなのに、すっごい統制がとれててまとまりがあるからさ。
いもこ:ああー。熱血系ではありますけど。
Shun:熱血系で、部活感があるんだよ!
三笠、いもこ、ことの:あぁー。
Shun:だから、汗が似合うんだよね。
三笠、いもこ、ことの:うはははっ。
いもこ:ここだけの話、正直事務所にはめっちゃ怒られることも多いんですが。
Shun:やっぱスパルタじゃん(笑)。
いもこ:その怒る理由が、どうでもいい理由ではなくて。ウチはスタッフもメンバーと同じ感覚でやってくれているので、私がミスをしたら他のメンバーは当然悔しいし、スタッフも悔しいから自分のことのように怒るんですね。そこが、神激のそういうチームカラーを生み出してるのかなと思います。
ことの:言ったことをやらせるだけの関係性ではなくて、こういう思いがあるからこれをやるんだ、というのをチームでしっかり話してやってきてるので。そこが熱血に繋がっていってるんだと思います。
>>次のページは、MCの重要性やこだわり、未来の展望などを語り合っています。
■エモ渋滞!? MCのこだわりと重要性とは?
――神激のライブを観てどう思われましたか?
Shun:MCが独特だよね。オラついたり、ちょっとセクシーな感じになったり。
三笠:それは、メンバーが6人いるからできるんですよ。
Shun:キャラクターが全然違うもんね?
三笠:はい。最初にMCをやりだしたときは。
いもこ:全員熱い、みたいな感じで。
ことの:全員が全員、ずっと自分の人生を語りまくってたんですよ。
Shun:エモ渋滞してたんだ。
いもこ:だから、聞いてる側も疲れちゃってて。それで、みんなで相談して。
ことの:それぞれが何を伝えるのが得意なのかを、私たちは年に何100本もライブをやってるので、そのなかで試していって。
いもこ:“その叫び方はキャラに合ってないから止めたほうがいい”とか“声の出し方がぽくない”とか。細かいところまで毎日みんなで反省会を繰り返していった結果。
三笠:いまはライブ1本のなかで、今日はいもこがこういうことを話したかがってるからそこをメインに盛り上げようとか。起承転結を考えてMCをするようになっていったんです。
Shun:陣形ね。それはウチも組むよね。“ここはラジオ番組風ね”って決めたら。
Jose:そこはとにかく面白くする。
Shun:俺の言ったことにガンガン茶々入れてきてって。
Jose:あと、イベントや対バンは“あのバンドが言ってたあの話から繋いでいこう”とか。
Shun:MCかぶりは絶対嫌なんで、最低限、他の出演者のMCは聞くようにしているんです。
三笠:あー。それ分かります!
Jose:めっちゃいいこと言ったと思っても、前の人が言ってたら“あれ?”っていう反応になっちゃうから、そうならないように。あと、他のバンドがウチの名前を出して話をしてくれたら、その話から繋げていくとか。
Shun:あのバンドが何周年とか、ここのライブハウスが何周年とか、一緒に背負えるトピックがあったときはそれを本番直前に伝えてMCに盛り込んで展開していったりもする。
三笠:そうしたら、その日しか言えないMCになりますもんね。だから、ウチもメイク途中でもMCだけは聞きに行くようにしてます。
神使轟く、激情の如く。/三笠エヴァ
――三笠さんは。
三笠:ここにいる3人は聞いてますね。
いもこ:特に、三笠は他の出演者の言葉を拾って話すことが多いから。
ことの:よいこもそれ、よくやるよね? 今日ここにはいないんですけど、ラップ担当の二日よいこというメンバーがいまして。
Jose:ラップ、めっちゃ早口だったよね。あの子。俺がやったら噛みそうだもん。
Shun:神激はさ、もうどんな音楽性でもいけるでしょ? このメンツがいればやれないことなくない? って思うんだけど。
三笠:そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです。よいことTiNAが3年前に加わったんですけど。そこから、よいこはラップ、三笠はシャウト、涙染まあまねというメンバーはスクリームをやろうと。ボーカルは、ことのちゃんといもことTiNAのクリーン3人なんですけど、そこでも、この子は英詞がいいとか。6人の個性がめきめき伸びていって。各々が特化したものを持ってるからこそ、なんでもやれるなって思うんです。
Shun:そうやって各々のスキルが高くなればなるほど、楽曲を作る側も放り込んでいけるんだよね。ここまでやれんの? って。
Jose:だから曲の展開が凄いことになってるんだと思うよ。ウチらの2.5曲分あるようなボリューム感で1曲が展開してるから。
ことの:ウチは曲をメンバーのマニピュレターさんが作ってくれているんですが。毎回ライブでは、そのマニピュレーターさんが現場にいて、その場に合わせて音を操作して作ってくれてるからこそ“この子はもっと高音がいけるな”と分かるので。それがそのまま次の曲に反映されてたりするんです。
三笠:だから、新しい曲が出るたびに頭抱えてます。
Shun:でも、そうやって上手くなっていくんだよ。ところでさ、年齢とか聞きたい訳じゃないんだけど、俺らいま22年目でこれから23年目に入るんだけど。23年前って何してた? いた?
三笠:生まれてないメンバーもいますね。
Shun:そういう人たちとこうして話せてることがすごいなと思って。
Jose:確かにね。
Shun:会話してたら分かるのよ。バンドマンの俺らの言葉の意味を、ちゃんと理解して話してるなっていうのが。そこが嬉しいし。若いのにすごいなって感心するよ。
三笠:いやいや。自分たちもTOTALFATさんとライブができたり対談できること自体、すごいことだと思っていまして。自分はすごいフェスとかが好きで、『モンバス(MONSTER bash)』でTOTALFATさんとか観てた側なんですね。
(注:ここから、別件を終えてBunta[Dr]が取材に合流)
Shun:(Buntaに向かって)モンバス観てたって。
Bunta:おぉー。その節はありがとうございます(笑顔)。
TOTALFAT/Bunta(Dr)
――到着早々ですが、Buntaさんも『GOD FEST.2022』の感想を聞かせてもらえますか?
Bunta:『EAT THE ROCK 2022』のときとは違くて、『GOD FEST.2022』は自分たちのフェス。俺らも当日は熱いMCになったんだけど、最後はどう締めくくってくれるんだろうと思って観てたら、1人じゃなくて。全員が熱いMCをしだして。
Shun:結成当初それでエモ渋滞したから、役割分担しようってことになったんだって。
Bunta:じゃあ、あの日は結成当初のエモ渋滞がぶり返してたんだ(笑)。
ことの:そうですね。
Bunta:俺らも含め、みんな気持ち入れてやってたから、最後に自然とそういう空気になったんだね。最初はアイドルっていうことで、俺は実は斜めに見てたんだけど。本気でつきあうとバンドマンと精神性がすごい近いなって気がしてたんですね。そういうなかで、最後にああいう熱いMCがきたから、俺はその瞬間、純粋に“すげーな”と思いました。
いもこ:ありがとうございます。でも、私は初めてお会いした『EAT THE ROCK 2022』のとき“乳首スケスケになるまで遊ぼうぜ”とか、めちゃめちゃ下ネタ言いまくってて(一同笑)。最後に熱いMCもしたんですけど、そっちのほう印象に残っちゃってて。“下ネタの子”という印象になっちゃってたんじゃないかなと思ってたんですね。
Shun:だから『GOD FEST.2022』でBunta、最初に言ってたもんね。“今日も言っちゃうんすか。あのMC”って。
Bunta:言ってた言ってた(笑)。
いもこ:実は『GOD FEST.2022』でも言ったんですよ。
Bunta:そうなの? 俺、そのタイミングにMCチェックできてなかったわ。
いもこ:熱いところだけ見てもらえたのなら、逆にそれでよかったです。印象が払拭できて。
Shun:いやでも、これからもその二面性でいったほうがいいと思うよ。熱いMCの刺さり方が変わるから。柔らかくしといて刺すと。
Jose:攻撃力が上がるからね。
Shun:一点突破だけじゃあダメなんだよ。柔らかくして柔らかくして、中に入ってから内部破壊するという。
三笠、いもこ、ことの:おぉー!!
Shun:ぜひね『インディペンデンスデイ』という映画を観て。そうしたら分かるから。
ことの:みんなで観ます。
Bunta:俺らみたいなバンドは、憧れてきた海外のバンドもそうだけど、最初は日常会話みたいなテンションから入って、そこでお客さんの共感を得るんだけど。神激のMCは、お客さんの共感させ方がバンドマンっぽいなと思った。昔はお客さんと垣根を作ることがアイドルのやり方だったと思うんだけど、そこからAKBが出てきて。神激はさらにそこから音楽性も共感性も進化したところでやってるアイドルだと思う。だから、お客さんを見てても、刺さるところが普通のアイドルのファンとは違う気がした。そういう意味で、俺らともリンクできるところがあるなと思ってた。
三笠:神激は、アイドルが好きでウチらも来てますという人よりも、SiMが好きで神激にも来てるというキッズのほうが多いんですよ。
Shun:そこの層をとっていけたらめちゃくちゃ強いと思う。で、そいつらを連れて『TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)』に出て大暴れするんだよ。
Bunta:コロナになる前はサークルとかモッシュ、ダイブとかやってたの?
三笠:モッシュは普通にありました。
Bunta:お! クロスオーバーしてるね。
Shun:クロスオーバーというのは80年代からある言葉で、違うものが交わって新しいものが生まれるということね。
いもこ:ウチはサイリウムを振りながらめっちゃ激しくツーステ踏むような人もいるので。もはやクロスオーバーを超えて自由形です!
Bunta:次回の『GOD FEST.』、いまは無理だけど、モッシュやサークルをフルキャパでやれるようになったらめっちゃ楽しそうだね。
三笠:そのときは出演、お願いします!
Shun:それは、この場で決定で。
三笠、いもこ、ことの:やったー!
Jose:じゃあ俺、それまでにサイリウム振る練習しとくわ!
取材・文=東條祥恵 撮影=大橋祐希
広告・取材掲載