まらしぃ3年振りの全国ツアーがスタート、「まらしぃの部屋」と題されたステージセットで溢れる想いを奏でる

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まらしぃ『marasy piano live tour 2022-2023』2022.12.11立川ステージガーデン

2022年も、定期的な動画配信はさることながら、リアルライブも精力的に行なってきたまらしぃ。6月には日比谷野外大音楽堂で主催イベント『まらフェス2022』を開催。2020年に大阪城音楽堂で予定されていた『まらフェス2020』がコロナ禍の影響で中止になってしまっていたこともあり、今年の『まらフェス』は、そのリベンジの達成でもあり、待望の復活ともいえるステージとなった。さらに7、8月には、「東方project」楽曲のみを演奏するコンサート『まらしぃ 幻想遊戯演奏会 2022』を京都、名古屋、東京の3カ所で行ない、なかでも東京公演は、彼にとって初となるサントリーホールにて開催。一度ピアノの道を諦めたまらしぃが、再びピアノと向き合うキッカケとなった楽曲達を、クラシックの殿堂で演奏するという、なんともエモーショナルな一夜だった。

そして、3年振りとなる待望のコンサートツアー『marasy piano live tour 2022-2023』が、ついにスタートした。12月3日の長野公演から幕を開けた今回のツアーは、当初、2023年1月で終了する予定だったのだが、追加公演が決定。全国12都市13公演で開催されることとなった。今回レポートに入った、東京・立川ステージガーデン公演は、チケット完売。まらしぃにとってこの日が2022年最後のライブということで、「今年を締め括ることができるように、僕も悔いのないように楽しんでピアノを弾いていきたいと思います」と、活き活きと鍵盤を奏でていた。また、まらしぃは楽曲を演奏する前後に、その曲にまつわるエピソードを観客に丁寧に伝えているのだが、その空気もいつも以上に親密なものに感じる場面も多かった。

というのも、今回のステージセットのコンセプトになっているのが、まらしぃの部屋。本人としては、本当の自分の部屋は「こんなにキレイではない」と話し、客席を和ませていたが、まるで今回のツアーのために書き下ろしたデジタルシングル「Nagoya Style Running / 七彩」のジャケットの世界が、そこに再現されているよう。LEDビジョンが部屋の窓の形になっていて、曲を演奏するごとに外の景色が移り変わっていくという演出も、ライブにより没入できるものになっていた。なお、このライブレポートでは、今ツアーのステージセットの写真を初公開! そちらもぜひご覧いただきたい。

事実、このツアーのために書き下ろした「七彩」は、そんな「窓から見える外の景色」を想像しながら書いたとのこと。そしてもうひとつ。まらしぃはこの曲を作るにあたって、コロナ禍でツアーができなかった3年の間に、自分の身に起こった楽しかったこと、苦しかったことを「まとめるというか、思い出にしておきたかった」と話していた。ときに力強く躍動的に、そしてときに儚く感傷的に繰り広げられる演奏に、客席はじっくりと耳を傾けていた。ちなみに、もう1曲の「Nagoya Style Running」は、まらしぃの地元である愛知県特有の“個性的な運転スタイル”をイメージしたそう。客席から手拍子が送られる中、アグレッシヴかつ豪快に鍵盤を叩き上げ、異様なまでに耳に残る旋律を届けていた。まだまだツアーは続くので、セットリストの詳細を書くのを控えておくが、どれもまらしぃが、いま弾きたい、届けたいと思っている楽曲ばかり。また、3年振りの全国ツアーということもあり、終始演奏の熱量が高く、ハイライトの連続だったということは、しっかりとお伝えしておきたい。

『marasy piano live tour 2022-2023』の追加公演のチケット一般発売は、12月17日(土)から開始。昨年は日本武道館、今年はサントリーホールと、大きな舞台を経たことでさらに彩りを増した彼のピアノを、是非とも多くの方々に堪能していただきたい。

取材・文=山口哲生 撮影=渡邉一生 イラスト=ごろく

『marasy piano live tour 2022-2023』

『marasy piano live tour 2022-2023』

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