EXILE、クリスマスライブのATSUSHIソロパートにBoyz II Menがサプライズ出演
デビュー20周年を迎えたEXILEが贈る、クリスマスライブ「EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH”~Christmas Special~」。その東京公演2daysの初日が、12月20日に東京ドームにて開催された。12月10日・11日に開催された京セラドーム公演と同じく、本公演にはATSUSHIを含む14人のEXILEに加えて、スペシャルメンバーとしてEXILEのオリジナルメンバーであるMATSU・ÜSA・MAKIDAIも参加。本編中盤にはスペシャルゲストも登場し、アニバーサリーイヤーのフィナーレにふさわしい豪華なセットリストで約53,000人もの観客を魅了した。
ライブの幕開けを告げたのは、14人の現役EXILEによる「Rising Sun」。今年の夏から開催された「EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH”」をなぞるように、ツアーのテーマソング「POWER OF WISH」で加速すると、ATSUSHIとTAKAHIROのツインボーカルが先陣を切り豪華な楽曲たちがステージを彩っていく。さらに加速していくステージではATSUSHI・TAKAHIRO・AKIRAと7年前、勇退したMATSU・ÜSA・MAKIDAIの花道を飾った「AMAZING WORLD」でステージに現れると、時代を彩った名曲たちを、このライブならではの構成でEXILEファミリーへプレゼント。メンバーたちも温かな拍手を全身に浴びて、とびきりの笑顔を輝かせていた。
そして、本編中盤のATSUSHIのソロパートには、R&Bの一時代を築いたグラミー賞アーティスト・Boyz II Menのウォンヤ・モリス、ショーン・ストックマンがサプライズ出演した。会場の大型モニターのLEDでも彼らの紹介映像が流れ、Boyz II MenとATSUSHIは15年来の友人で、2016年にはATSUSHIが彼らのオーケストラコンサートに友情出演したことも。そんな仲間をホームに招き入れると、3人はBoyz II Menの1994年の全米No.1ヒットソング「On Bended Knee」を歌い始めた。その瞬間、客席はひと際大きな盛り上がりを見せたが、全身を駆け抜けるソウルフルな歌声に圧倒された。そこに舞い込んだのは、1992年の全米No.1ヒットソング「End of the Road」。同曲でも3人は重厚なハーモニーを届け、観客は極上のひとときに酔いしれたのだった。
さらに、来日が叶わなかったネイザン・モリスからのコメントVTRを挟んだ後、ATSUSHIが「いつもは僕と仲良くしてくださっているBoyz II Menですが、今日は僕の相方であり、“弟”であるTAKAHIROも一緒にEXILEの楽曲を歌いたいと思います」と呼び込むと、TAKAHIROがステージへ。ATSUSHIが作曲を手掛けたEXILEの「One love」に4人の「ありがとう」が重なると、賛美の拍手が彼らを包む。照れ笑いを浮かべながら歌うTAKAHIROと、優しく見守るATSUSHIの表情に、勇退してもなお固く結ばれた“兄弟愛”を感じる瞬間だった。
Boyz II Men とTAKAHIROを見送り、ステージに1人残ったATSUSHIは、前日にもBoyz II Menと声を重ねていたことを明かし、「一生かかってもあんな歌は自分には歌えないんだろうなと思って、昨日は自分を見失っていました。でもドームで待ってくれているみなさんのことを思い、自分にできることは何だろうなって考えたら、魂を込めて歌うことだなと思いました」と語り始めた。続けて、客席を見渡しながら「TAKAHIROやメンバー達とこのステージにあと何回立てるんだろうって、たまに考えることがあります」と愛おしそうに微笑む。
そして、自身の担当ブロックを締め括るべく、ATSUSHIが選んだのが、今年ソロとして発表した壮大なバラード「雪化粧」。ステージ中央に設置された深紅のチェアに腰かけ、一言一言に命の火を灯していく彼の姿は、長年EXILEを牽引してきた者としての誇りを感じさせ、その背中には、澄んだ冬の香りと、今も昔も変わらない歌への情熱が滲んでいた。