EXILE、クリスマスライブ最終公演でATSUSHIがEXILEへの完全復活を宣言
EXILEが贈る、有観客初のクリスマスライブ「EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH” ~Christmas Special~」。その最終公演が12月21日に東京・東京ドームにて開催され、デビュー20周年のメモリアルイヤーを締めくくった。12月10日、11日の京セラドーム公演、12月20日に行われた東京ドーム初日と同じく、21日の最終公演にはATSUSHIを含む14人のEXILEに加えて、スペシャルメンバーとしてオリジナルメンバーであるMATSU・ÜSA・MAKIDAIが参加。メンバーとEXILEファミリーの“願いの力”が、少し早い聖なる夜に輝いた。
このツアーファイナルをもって、今年開催した全ツアーの総動員数が100万人を突破したEXILE。そんな記念すべき日に先陣を切って現れたのは、新生EXILEを牽引してきたTAKAHIROとAKIRAだった。自身の“願い”を投影した色とりどりのカラージャケットに身を包み、花道の先端に登場したメンバーたちは、続々とメインステージに集結。最後にATSUSHIが加わりPOWER OF WISHを象徴する“W”を形成すると、代表曲「Rising Sun」が最終公演の幕開けを告げた。今夏から始まった本ツアーのテーマソング「POWER OF WISH」ではステージだけでなく、客席にも鮮やかなライトが輝き、息の合ったハンドクラップで心を1つに。次の瞬間、ギターが唸りを上げると、「東京ドーム、一緒に夢を見ようぜ!」というSHOKICHIのシャウトから「Heads or Tails」に突入した。NESMITHとSHOKICHIのロック魂を宿した歌声に応えるように、パフォーマー陣も躍動感溢れるダンスで観客を煽る。その後も、TAKAHIROの爽やかな歌声がエスコートした「I Wish For You」、ATSUSHIが〈東京ドームのみなさんのためにすべて〉とボリューミーなアレンジバージョンで歌唱した「WON'T BE LONG」と、前半から人気曲のオンパレード。SHOKICHIと関口メンディーのラップの掛け合いが新時代の到来を知らせた「24WORLD」と、20周年のメモリアルソングとしてTAKAHIROとSHOKICHIが制作した「BE THE ONE」では、フロートに乗ってアリーナ外周を移動する場面もあり、メンバーたちは観客と笑顔を交わしながら、リズミカルに突き上がる拳とフラッグで心を繋いだ。
観客と、盛り上げ役の関口メンディー・白濱亜嵐・世界・佐藤大樹が温めたステージに、満を持して現れた新生EXILE THE SECONDは、カラフルなセットアップスタイルで「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」を投下。“YABAI”くらいエネルギッシュなダンスとボーカルがクリスマスライブを夏色に染めていく中、SHOKICHIが「Everybody!!」のロングトーンと共に豪快に床に倒れ込めば、「ASOBO!」や「SUPER FLY」といった遊び心たっぷりのダンスチューンが場内のボルテージを上げていく。だが、SHOKICHIが「この5人のEXILE THE SECONDも、応援よろしくお願いします!」と言い添えると、場内はセンチメンタルなオレンジに染まり、新曲「Twilight Cinema」が届けられた。
続いてステージに舞い込んだのは、7年前、MATSU・ÜSA・MAKIDAI勇退時のラストツアーを飾った「AMAZING WORLD」。ATSUSHI・TAKAHIROの歌声に導かれ、ステージ上部のLEDモニターにスペシャルメンバーが順番に映し出されると、大きな拍手と歓声が上がる。その光景を嬉しそうに見渡しながら、AKIRAを含む6人編成で新アレンジに生まれ変わった「Together」を披露。このブロックでは第1章の楽曲たちが続いたのだが、事前の取材でMAKIDAIが「応援して下さっている皆さんと一緒に、歴代のEXILE楽曲で楽しめるクリスマスライブにしたかった」と話していたように、「Carry On」も鈴の音が鳴り響く新アレンジに変身。「EXIT」や「HERO」といった楽曲たちも、現メンバーとの共演で新たな一面を見せていた。
ATSUSHI進行のもと始まったMCタイムでは、久しぶりにEXILEのパフォーマーとして東京ドームに帰ってきた3人が、個性豊かなトークで会場を盛り上げる。MATSUは「東京ドームのみなさん、元気ですか?盛り上がってますか~!?」とハイテンションに、MAKIDAIは「今日が一番だと思えるように、最高のライブを一緒に作っていきましょう!」と真摯に呼びかけ、ÜSAは「今日は体で、“LOVE DREAM HAPPINESS”を詰め込んでお届けするので、よろしくお願いします!」と改めて挨拶。そして、ATSUSHIが3人と一緒にパフォーマンスするために制作したという、最新ソロ曲「You Own My Heart」へ。ピアノを奏でるATSUSHIの歌声と、3人の艶やかなダンスが、EXILEの先に続く一人ひとりの人生を描き出し、切ないバラード「雪化粧」に繋いだ。さらにこのブロックでは「僕らの綺麗すぎない、でもがむしゃらに繋いできた絆の歌です」と言い添え、ATSUSHIとTAKAHIROが、ATSUSHI勇退前ラストの曲である「約束」を歌唱。勇退を経て再び重なり合った2人の歌声が、美しく天から降り注いだ。
バンドセッションを挟んで迎えた本編後半は、「あなたへ」や「HOLY NIGHT」といったウィンターソングが彩る。TAKAHIROのロングトーンを合図に会場全体がクリスマスカラーに染まり、オールメンバーで「LAST CHRISTMAS」を披露する場面は、まるで魔法がかかったかのようだ。メンバーたちはイルミネーションさながらの煌びやかな衣装に着替え、フロートに乗り込むと、EXILEの定番クリスマスソング「I Believe」と共に“スペシャルなひと時”をプレゼントしていく。そこから、まさに“全然頭から離れない”クセになるダンスチューン「Ki・mi・ni・mu・chu」と、粉雪ならぬ金色の紙吹雪が舞い、“ゴールドクリスマス”状態となった「銀河鉄道999」が続いて賑やかなエンディングに。最後は観客一人ひとりの幸せな未来を願って「愛すべき未来へ」を歌い上げ、本編を締め括った。
「24karats」シリーズメドレーで熱くスタートしたアンコールでは、第1章の楽曲を連れたスペシャルメンバーが、再びステージに。EXILEの結成時を思わせるシルエットの6人(MATSU・ÜSA・MAKIDAI・ATSUSHI・TAKAHIRO・AKIRA)は、デビュー曲「Your Eyes Only」と「We Will ~あの場所で~」をパフォーマンス。「Song for you」からは他のパフォーマーも加わり、ATSUSHIとTAKAHIROが歌に込めた想いを、その身体を通して会場全体に広げていく。AKIRAも「楽曲と共にさまざまな思い出や記憶が蘇りましたし、僕たちと同様に、お客様一人ひとりも過去の楽曲たちと共にたくさんのメモリーがあるんだなと感じて、感慨深かったです」と語っていたが、それぞれの楽曲の奥に一人ひとりの思い出のワンシーンが浮かんでいたことだろう。
そして最後に、ATSUSHIの口から重大なメッセージが告げられた。「本日、限定復活を前言撤回させていただき、EXILE完全復活とさせていただきます!」という完全復活宣言である。場内に充満する拍手を代表して、もともとEXILEファンだったというTAKAHIROも「おかえりなさーい!」と笑顔でお出迎え。14人での再スタートを決めたEXILEは、岩田剛典の“年末特番風”曲紹介で気合いを入れると、17人でラストナンバー「Choo Choo TRAIN」を披露した。“強めのポップ”がカッコよく決まった先頭・MATSUから、最後列でなんとか顔を覗かせようと必死な最年少・佐藤大樹に受け継がれていく、パワフルなロールダンスは圧巻。その姿はまさに、EXILEが作り上げた20年の歴史そのものであった。