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SUPER★DRAGON、Lucky Kilimanjaroとのツーマンライブ「Two of Us」Vol.2に出演 2022年の連続リリースで養った多彩な持ち味を“全部乗せ”

アーティスト

写真:Kenichi Kurosaki & Inuzuka Kengo

9人組ミクスチャーユニットのSUPER★DRAGONが、12月22日に東京・豊洲PITで行われたHミュージックビデオ主催のライブイベント「Two of Us」Vol.2に出演した。

メンバーである古川毅の熱いラブコールにより、6人組バンド・Lucky Kilimanjaroとのツーマンを果たした本公演では、ラッキリのステージに古川が登場して1曲コラボするというレアなサプライズも。さらにSUPER★DRAGONとしてのライブでは、2022年の連続リリースで養った多彩な持ち味を1時間弱の持ち時間に“全部乗せ”して、この1年の成長をしかと示した。

「Two of Us」は“競演することで何かが起こりそうな2組”をコンセプトに、Hミュージックビデオが新たに始動させたツーマンライブシリーズ。昨年11月の第1弾にはDISH//とGLIM SPANKYが参加し、第2弾となる今回はダンス&ボーカルグループのSUPER★DRAGONと、同じ大学の軽音サークルから始まった6ピースバンドのLucky Kilimanjaroという異色の顔合わせとなった。まったくジャンルの異なる両者だが、今年5月より心も体も踊る“踊れるミクスチャー”をテーマに毎月新曲を配信リリースしてきたスパドラに、“世界中の毎日をおどらせる”というバンドテーマを掲げて精力的に活動するLucky Kilimanjaroと、その根底には“踊る”という共通項も。

そもそも今回の対バンは、Lucky Kilimanjaroに影響を受けたと公言する古川毅のオファーで実現したラッキリのボーカル・熊木幸丸との対談から派生したもので、開催が決まった際には「このような機会を頂けた事、至極光栄です。本当に嬉しいです」と、古川も喜びを露わにしていた。そのリスペクトを表すべく、先攻のLucky Kilimanjaroが中盤で贈った「ぜんぶあなたのもの」では、2番に差しかかったところで予告もなく古川が登場。予想外の出来事に歓喜する客席に向けてそのまま歌い継ぎ、熊木幸丸とハイタッチすると、サビでは2人で肩を組みながらなめらかなハーモニーを聞かせていく。パーカッションにシンセサイザーも交えた幻想的な音世界の中、ゆったりと大きなグルーヴでフロアを揺らしていく様はスパドラとは一味異なる趣きがあり、アウトロでは力いっぱいのフェイクも。「ステキな歌声でしたね、古川くん」と熊木も賞賛し、オーディエンスはもちろん、古川自身にとっても“夢の時間”を届けた。

そして後攻・SUPER★DRAGONのステージは、連続リリース作のひとつとして8月に発表された「So Woo」で幕開けた。大地のビートを感じさせる力強いダンスに、高音フェイクも交えた艶めかしいボーカルと低音ラップの刺激的なアンサンブル、さらに田中洸希による爆発力満点のヒューマンビートボックスと、スパドラの武器をこれでもかと詰め込んだディスコファンク曲の威力は圧倒的。“求愛”を意味するタイトルの和訳通り、濃厚なアピールをラッキリファンにかましていく。続く「My Playlist」ではムーンバートンの都会的な響きと、対照的に切ないリリックを映したストーリー性あるダンスで魅せ、メンバーの間をかいくぐる志村玲於の豪快なアクロバットも見事。今回のツーマン決定時に「お初にお目にかかるであろうラッキリファンの皆さんのハートをキャッチできる様に頑張ります!!」と古川がコメントしていたが、序盤からの容赦ない攻めっぷりに、その本気度が窺える。

バンドと対バンする機会は滅多にないということで「メチャメチャ刺激的」と語り、Lucky Kilimanjaroのライブ中は「楽屋でみんな踊ってたよね!」という告白をした後は、予想を裏切り期待に応える選曲で“BLUE”と呼ばれるスパドラファンを沸騰。リリックに“豊洲PIT”“Two of Us”といったワードを交えて歌い替えたトロピカルハウス曲「City Noise」から、熱をはらんだ夏風を思わせる心地よいナンバーを続けて、爽やかに憂いを帯びた情景を描写していく。

タイの人気デュオ・Anatomy Rabbitとのコラボ曲「love or like(Tokyo)」ではアジアンなメロディでエキゾチックなムードを醸し、80年代の大ヒット曲をカバーした「君は1000%(Vantage remix)」では、昭和の名シティポップを令和流にブラッシュアップ。古川毅と池田彪馬が切れ味の良いクリアなボーカルでまばゆい夏を刻んで、グループカラーの青い光に染まった客席と抜群のシンクロを果たす。さらに「今日は踊れるセットリストを用意しているんですが、5月からの連続リリースのうち、10月配信曲の「Honey Baby」と12月配信曲の「Hey, girl」を初披露します!」(飯島颯)と、2曲を続けてお披露目してくれたのも嬉しいサプライズだった。

ジャジーなムードを漂わせる「Honey Baby」では、囁くようなボーカルと小粋なステップのコラボレーションがスタイリッシュな世界に浸らせてくれる一方、耳に飛び込んでくる一途で甘いリリックに思わずドキリ。対照的に、一夜の出会いを写し取ったミディアムダンスチューン「Hey, girl」では、狂おしい熱情を帯びたボーカルと、さりげなくも指先まで行き届いた動きが、観る者を華やかなパーティへと誘っていく。

実験と挑戦に躊躇なく挑んだ今回の連続リリースでは、メンバー9人の平均年齢がようやく20歳を超えたこともあり、今までになく大人びたラブソングが数多く発表されてきた。この2曲もその一部だが、ここまで甘く、赤裸々に愛を訴えるナンバーを己のレパートリーとして消化し、豊かに表現できるようになったのも、間違いなく8ヶ月にわたる連続リリースの成果だろう。

また、SUPER★DRAGONといえば年長組のファイヤードラゴンに、年少組のサンダードラゴンと、メンバーが二手に分かれてのグループ内ユニットが存在するのも特徴の一つ。「SUPER★DRAGONが初めての方もたくさんいると思うので、僕らの武器を見せようと。マガジンの弾を全部撃ち切ろうと!」という松村和哉の台詞からは、2019年にリリースされたそれぞれのミニアルバムから、持ち曲が1曲ずつ披露された。

まず先陣を切ったのは志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯によるファイヤードラゴン。この日はジャン海渡が体調不良でライブを欠席したため3人でのパフォーマンスとなったが、ファンクな「On My Way」でステージ上を跳ね回ったり、SUPER★DRAGONではダンサーに徹している志村、飯島がボーカルを取ったりと、実にイキイキしていたのが印象的だった。続いて伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽によるサンダードラゴンは、レゲエな「Caravan」をタフな動きで若さいっぱいにアプローチ。だが、その中に、今やわずかな色気が滲み始めてきたのも見逃せない。

そしてクライマックスに向け、SUPER★DRAGONの真骨頂とも言える、燃えるように熱いステージが開幕する。まず、投下されたのはジャン海渡、田中洸希、松村和哉の3MCが社会への痛烈な皮肉を自ら綴った「2U」。不穏極まる重低音トラックをバックに、欠席のジャンを除いた田中と松村でゴリゴリの超高速ラップを散弾銃のようにブッ放す様は実にスリリングで、18歳の松村が記した“俺達は短くても図太く生きる”のバースが心に突き刺さる。スパドラでも一、二を争う攻撃的なハードチューンでフロアを圧倒したあとは、再び全員そろってライブ定番曲で加速し、BLUEと共に拳を突き上げるタームへ。赤く染まった舞台で激しく明滅するライトの下、「Mada’ Mada’」ではマッシブなロックサウンドで繰り広げられるエモーショナルなパフォーマンスがオーディエンスを揺らし、志村玲於はトランポリもかくやの大ジャンプ。

“まだまだイケるぜ SUPER★DRAGON!”のフレーズには青のライトスティックが大きく振り上がり、「お前ら、黙って叫べ!」と続けたミクスチャーロック曲「Shut Up, Shout Out」でも、田中が凄まじいシャウトを轟かせる。そこで驚くべきは、どんなに激しく歌い、踊りながらも、その声も体幹も一切ブレないこと。結成から7年、青春をSUPER★DRAGONに捧げてきた彼らが培ってきた強靭なグループ力には頭が下がる。

最後は「この会場、一緒になってタオル振りましょう!」という飯島颯の号令から全英詞曲「Dragonfly」へ。それぞれの名前がプリントされたタオルを掲げ、渾身の力でタオルやライトスティックを振りたくるオーディエンスと絆をつなぎ、全メニューを終えると、口々に「楽しかったです」「最高!」と充実感を滲ませる。スパドラの強さ、儚さ、甘さ、すべてのエレメンツを惜しみなく詰め込み“SUPER★DRAGONとは何か?”を体現するかのようなステージを見せつけた。

なお、2023年3月1日には前作から約1年ぶりとなる5thアルバムがリリースされ、3月25日には神奈川・パシフィコ横浜でワンマンライブ「Persona」の開催も決定している。

セットリスト

M1. So Woo 
M2. My playlist 
M3. City Noise
M4. love or like(Tokyo)w/Anatomy Rabbit
M5. 君は1000%(Vantage remix) 
M6. Honey Baby 
M7. Hey, girl 
M8. On My Way 
M9. caravan
M10. 2U 
M11. Mada Mada
M12. Shut Up, Shout Out
M.13. Dragonfly