広告・取材掲載

今市隆二、ソロツアー全国29都市・36公演完走「俺はずっと心折れずに戦うから、少し疲れたら、俺のことを思い出してほしい」

アーティスト

今市隆二「RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY'S NIGHT”」兵庫・神戸国際会館こくさいホール公演

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二が12月22日、兵庫・神戸国際会館こくさいホールにて「RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY’S NIGHT”」の最終公演を開催。今年6月の同会場での公演を皮切りに、約半年に渡って行われたソロツアーを無事に完走した。

この日もスタート前の会場で流れていたのは、今市が敬愛するマイケル・ジャクソンの楽曲。そこへ続々と多くのファンが集っていき、これから始まるステージへ向けて目を輝かせるところから“RILY’S NIGHT”は始まる。やがて暗転すると会場からざわめきが消え、迫力ある演奏とともに幕が開ければ、深い青を基調とした光に包まれた今市が登場する。1曲目は今年11月にリリースされたアルバム「GOOD OLD FUTURE」でも冒頭を飾っている「Donʼt Give Up」だ。バンドとコーラスで生み出される豊潤なグルーヴに続いて、華やかな音色にたちまち高揚させられる「TUXEDO」。さらに80’s感の強いシンセサウンドが煌めく「Talkin’bout love」では「一緒に!」と手を挙げて観客を煽り、その勢いのままEXILEの楽曲をサンプリングした「THROWBACK pt.2」を披露。ステージの中心で休む間もなく歌い踊る。

ライブ前に行われた取材にて、今市はツアーを振り返ってこう語っていた。

「コロナ化を経て直接会うことの大切さを感じましたし、ライブの持つパワーや音楽の素晴らしさを、直接自分から全国へ出向いて届けたいという想いがありました。また、それとは別でホール規模でツアーを回りたいという夢もあり、それを同時に叶えることができたので、充実した半年間でした。ホールは本当に会話をしているような気持ちになれる距離感で、すべてがダイレクトという感じ。しっかり触れ合えている気がしました」

また、今回のライブは自身のルーツである90’sのR&Bを追求し、めくるめく演奏とパフォーマンスによって届けるというコンセプトに基づいたショーでもあった。誰もが一度は耳にしたことがあるKC and the Sunshine Band「That's the Way(I Like It)」の引用から、ソウルフルなファンクチューン「Angel」へ繋がる。そうしたバンドならではの流動的かつフレキシブルな展開も軽やかに乗りこなし、シティポップのムードをふんだんに取り入れた「Highway to the moon」へ。夜のネオンを思わせるシンセの音色とともに、エモーショナルかつ妖艶な歌声を響かせた。また、Interludeを挟んで披露された「Diamond Dance」では再びスタンドマイクを使用し、指先まで繊細なダンスと歌声で観客を魅了。「CASTLE OF SAND」では砂漠をイメージした黄金色の照明の下、甘いラブソングを心地良いレイドバックで聴かせていた。

「ついに、この日がやってきました。溢れる想いはステージにぶつけていきます。皆さんも日々それぞれ抱えていることもあるかと思いますが、それをステージにぶつけてください」

そんなMCの後、ファンにとってお楽しみの企画“RILY’S ROOM”が始まる。小さな部屋を模したセットに移動した今市は、「せっかくだから今日はこれ被りますか!」とサンタの帽子を被り、「少し早めのメリークリスマス!」と声を届け、会場が笑顔に包まれた。

会場のファンと直接コミュニケーションを取る“RILY’S ROOM”は、今市の朗らかで愛らしいキャラクターが大いに発揮される場面として、公演ごとに語り草となっていた企画だ。この日も今市と話しながら緊張して声が上ずってしまうファンや、小さな女の子のファンに対して今市が茶目っ気たっぷりに応えるという和やかな場面も多く見られた。そしてやはり最終日ということもあり「このツアーは私たちにとって、本当にかけがえのない時間でした」と万感の想いを込めた言葉がいくつも今市へと贈られていた。

“RILY’S ROOM”を終えて再びステージに戻った今市は、そのままシンセサイザーの前へ移動。スペシャルパフォーマンスとしてバンドの演奏に加わり、静謐でブルージーなセッションを奏でた。続けて、今市の弾き語りから哀愁漂う甘美なバラード「I'm just a man」、静かな夜空を思わせるSEを挟み、母親への想いを歌う「Song For Mama」を包み込むようなバンドアンサンブルで歌う。そこからMCを挟み「この曲がある意味で一番“今市隆二”を表現している曲なのかもしれない」という言葉で始まったのは「All LOVE」。真摯な優しさと愛の込められた言葉の一つひとつが、客席へ染み入るように届けられた。

そこからガラッと雰囲気を変え、バンドとダンサーによるショーケースが始まる。追加公演以降のこのセクションでは、マイケル・ジャクソンのオマージュも加えられた。思わず体が横に揺れるような躍動感溢れるステージに熱気が急上昇した後は、特徴的なタイトルも含め話題になった「華金」、客席と一体になって踊る「Over The Night」、そして「Catch my Light」と続けざまにキラーチューンを演奏し、最高潮の盛り上がりで本編のパフォーマンスを終えた。

割れんばかりの拍手で迎えられたアンコールは、アンドロイドと人間が恋をするという近未来的世界観を内包したエレクトロポップ「FUTURE LOVERS」。80’sの幻想的な音色に酔いしれた。

「この公演数をやりきるには大変なこともたくさんあって……それを皆さんの力が繋げてくれたのだと思っています。皆さんの想いが作り上げた“RILY’S NIGHT”だと思います。こんな素晴らしいライブにしてくれて、本当にありがとうございます」

わずかに涙声になりながら語られた言葉に、客席からは温かい拍手が長く長く贈られた。

「歌が歌えなくなるまで、ずっと歌っていきたいと思っています。辛いこと、悲しいことがある人もいるかと思います。今キツいという人はなかなかイメージできないかもしれないけど、必ず幸せが待っている。俺はずっと心折れずに戦うから、少し疲れたら、俺のことを思い出してほしい」

そんな言葉の後に届けられた「Thank you」では、想いの強さをありのままに表現する力強い歌声が響いた。そして最後の1曲は、ファンから募ったタイトルを冠してできた楽曲「星屑のメモリーズ」だ。終盤、今市の合図で観客の持つペンライトが掲げられ、会場を優しく照らした。

「本当にありがとう、愛してるよ」奏でられる音楽と今市の言葉に応えるように、客席の灯りが揺れる。この時間を心から慈しみ合うような一体感が、会場全体を包み込んでいた。今市が極上のR&B/ソウルを通して届ける愛と、そこに溶け合うように心ゆくままこの時間を堪能するオーディエンス。幸福に満ちた美しい光景が広がったところで、半年間のツアーが幕を閉じた。