郷ひろみ、武道館記念公演で全50曲熱唱 50周年イヤーを華やかに締めくくる
郷ひろみの12年ぶりとなる東京・日本武道館公演、「Hiromi Go 50th Anniversary “Special Version”〜50 times 50〜 in 2022」が、12月26日に開催された。
1972年「男の子女の子」でレコードデビューを果たした郷。それから50周年を迎えた2022年は、アニバーサリー・イヤーにふさわしく通常の全国ツアーに加え、12月にはバラード中心のスペシャルツアー「Hiromi Go 50th Anniversary Tour “The Final Countdown” in 2022」を11公演限定で開催した。
郷いわく「コンサート3部作」の完結編となる今回の武道館公演は、レコードデビュー50周年にちなみ、「全50曲」を休憩なしで披露する、歌手・郷ひろみの集大成を目指したという。
9,000人の観客(チケット完売)で大盛況となったステージは、108枚目のシングルとなる最新曲「ジャンケンポンGO!!」からスタート。そこから4曲目の「男願Groove!!」まで、激しいアップテンポナンバーを一気に歌い切った郷は、「こんなに大変な曲を歌い終えても、まだ46曲残っているんですよ(笑)。とはいえ、皆さんのことを思えば大変だなんて、とても言えないですよね。僕のすべてをかけて、50曲を歌い切ります。郷ひろみの50周年を集約したパフォーマンを見せますので!」と、今回の武道館公演に賭ける意気込みを語った。
序盤の山場となったのが、デビュー曲から「裸のビーナス」や「哀愁のカサブランカ」といった、70年代のヒット曲を16曲披露する大メドレーコーナーだ。背面の巨大モニターに映し出されたジュークボックスに、懐かしいシングルジャケットたちが表示される遊び心のある演出で、当時を知るファンを大いに沸かせた。
続くセクションでは、ムードを一転させ、「約束」や「愛してる」といったバラードの人気曲を熱唱。さらに「よろしく哀愁」や「ハリウッド・スキャンダル」といった人気曲をアコースティックバージョンで歌うセクションも用意されるなど、現在の郷を象徴する、大人のシンガーとしての魅力を存分に楽しめるシーンが複数設けられたのも、今回の武道館公演ならではの特色といえるだろう。後半のステージに爽やかな感動を与えてくれたのが、サプライズゲストとなった、吹奏楽の強豪校である花咲徳栄高等学校(埼玉県)の生徒たち。数十名の生徒たちがコーラスを担当した「バラード3部作」の第1弾「僕がどんなに君のことが好きか君は知らない」に、思わず涙ぐむ観客の姿も多く見受けられた。
アンコールもビッグショーらしく、「いつも心に太陽を」「花とみつばち」「あなたがいたから僕がいた」、そして「言えないよ」の4曲を熱唱。最後の挨拶では、時折言葉を詰まらせながら、「今回の武道館公演のタイトルには、僕と支えてくれる皆さんとの関係が、ずっと“フィフティ・フィフティ”であってほしい、という隠れたメッセージも込められていました。僕のことを応援してくれる皆さんと僕との間には、ファンと歌手という関係を超えた絆があると信じています。この絆が永遠に続くように、これからも歌い続けますし、皆さんも応援してください」。と、50周年を締めくくる感謝の気持ちを伝え、3時間におよんだ公演は大団円を迎えた。